ガーデニア/クチナシ
イメージ
原産地
日本(千葉以南)・中国南部・台湾・フィリピン・インドシナ
科
アカネ科
高さ
0.4~2m
花期
5~7月
【結実】11~12月
形態
常緑低木
別名等
ガーデニア・アウグスタ(学名)/ガーデニア・フロリダ/ガーデニア・ジャスミノイデス/ガーデニア・グランディフローラ(いずれも異名)/梔/梔子/山梔子/口無/九里香/センプク/ケープジャスミン/コモンガーデニア
実成りクチナシ(一重咲き種の総称)
(※その他の種類の和名・異名はページの一番下にまとめた)
日照
西日を避けた戸外の直射日光下(7月上旬~9月上旬は50%遮光)。
【補足】耐陰性があり、多少の日陰なら耐える。
水やり
土の表面が乾けば与える(水切れは厳禁)。
肥料
3月、花後すぐ、10月に、固形肥料の置き肥。
植え替え
3月中旬~4月上旬、花後すぐ、9月中旬~11月上旬のいずれか。
【補足】2~3年に一度行う。移植を好まないので、なるべく根を傷めない。地植え株の移植は難しい。
整姿
【剪定】花後すぐ。
強剪定は避け、伸びすぎた枝を切り戻す程度にとどめる。
繁殖
【挿し木】3月か、6月上旬~9月下旬。
【取り木】4月下旬~6月下旬。
【株分け】3月中旬~4月上旬か、花後すぐ。
【タネまき】採ってすぐにまくか、乾かないよう保存して3月にまく。
耐暑性
とても強い。
耐寒性
やや弱く(-8℃)、寒地では室内へ。
解説
- クチナシ、コクチナシ、オオヤエクチナシ、の三系統が一般的。花色は白しかないが、一重咲きと八重咲きがある。また、時間とともに花が黄色に変化する品種もある。葉に斑が入る品種もある。
- 「ガーデニア」という名は、この仲間の属名であると同時に、オオヤエクチナシの流通名でもある。大輪八重咲きで、葉も株姿も大型。地植えすると、高さ2mくらいに育つ。この仲間では、最もよく見かける。
- コクチナシは、一重咲きと八重咲きがある。非常に小型で、高さ40cm程度にしかならない。鉢植えに向く。
- 一重咲き種は「実成りクチナシ」とも呼ばれ、秋に、赤橙色の果実をたくさん付ける。この果実は、完熟しても裂開しないので「口無し」の名があるという。(クチナシの名前の由来については諸説あり。)なお、八重咲き種は、果実がならない。
- 花の強い香りは有名で、かなり遠くからでも、クチナシが咲いているとわかるほどである。花色は白だが、時間が経つにつれ、クリーム色に変化する。
- 秋になると下葉(前年の葉)が黄色くなって落ちる。クチナシ本来の性質なので、問題はない。
注意点・病害虫
- やや暖地性の木なので、-5℃より寒くなる地域では地植えしないほうがよい。
- やや酸性の土を好む。土がアルカリ性になると、葉が黄色くなって元気がなくなる。
- 夏、葉に褐色の斑点がたくさんできるのは褐色円星病である。一度発生すると毎年出るので、エムダイファーなどを散布する。
- よくオオスカシバの幼虫がつく。尾部にトゲのような突起を一本だけ持つ、緑色または茶色の巨大なイモムシだが、発生初期は小さく見つけにくい。しかし食欲はすさまじく、放置すると木が丸裸にされてしまう。まわりに糞が落ちていれば、幼虫の姿が見えなくても殺虫剤を散布する。
- つぼみに穴が開き、花が咲かなくなるのは、アヤニジュウシトリバの被害である。つぼみの中に虫がいるので、摘み取って処分する。
- その他、花にアザミウマ(スリップス)が多数集まり、汚くなることがある。
余談
- 果実から黄色の天然色素「クロシン」が採れ、きんとんやタクアンなどの色付けに使われる。花弁も食用になるので、サラダやおひたしなどに。
各種の和名・異名
- フクリンクチナシ/覆輪梔子(アウグスタ品種アルボマルギナタ)
- フイリクチナシ/斑入り梔子(アウグスタ品種オーレオバリエガタ)
- ヤエクチナシ/八重梔子(アウグスタ品種オバリフォリア)
- ホソバクチナシ/細葉梔子(アウグスタ品種オブランセオラタ)
- マルミクチナシ/丸実梔子(アウグスタ品種グロビカルパ)
- アウグスタ「フォーチュネアナ」(異名)/オオヤエクチナシ/大八重梔子(いずれもアウグスタ品種フォーチュネアナ)
- マルバクチナシ/丸葉梔子(アウグスタ品種マルバ)
- ロスマンニア/ロスマンニア・カペンシス(いずれもカペンシスの異名)
- アウグスタ変種ラディカンス/アウグスタ「ラディカンス」(いずれも異名)/コクチナシ/小梔子/ヒメクチナシ/姫梔子(いずれもラディカンス)
- ケンザキ/ヒトエコクチナシ/ヒトエノコクチナシ/一重小梔子(いずれもラディカンスの一重咲き種)
(※データ:大阪市基準)