カイヅカイブキ
イメージ
原産地
日本(本州~沖縄)
科
ヒノキ科
高さ
2~15m
花期
4月
形態
常緑高木
別名等
ジュニペルス・シネンシス「カイヅカ」(学名)/貝塚伊吹
日照
戸外の直射日光下(きわめて日光を好む)。
水やり
土の表面が乾けば与える。
肥料
2月、6月、9月に、少量の固形肥料を置き肥。
植え替え
2月上旬~4月中旬、6月上旬~7月上旬、9月下旬~11月中旬のいずれか(春に行うとよい)。
【補足】植え替え前に根回しをする場合は、11~2月に行っておく。
整姿
【剪定】2月中旬~3月中旬、5月上旬~9月下旬。
伸びすぎた枝先を摘み取る程度。ハサミで刈り込むと切り口が茶色くなるので、なるべく手で摘み取る。面倒でも手で摘芯を繰り返すと、とても美しい樹形に仕上がる。葉の無い枝からは芽吹かないので、強い剪定はしない。
生垣などで、樹形を優先したいときは、真夏と真冬以外、いつでも刈り込める。
繁殖
【挿し木】2月上旬~4月上旬か、9月下旬~10月下旬。(普通、先祖返りした枝は挿し穂に使わないが、活着後に、柔らかい葉に変わることがにある。)
耐暑性
とても強い。
耐寒性
わりと強いが、寒風を避ける。
解説
- イブキ(ビャクシン)の園芸品種で、あまり大木にならない(通常は6~7m以下)ことから、庭木や生垣、公園樹などによく使われる。雌雄異株。生長の速度は、幼木期は早く、成木に近づくほど遅くなる。
- 枝が斜め上にねじれながら、巻き上がるように伸びるのが最大の特徴。そのため、一本の枝全体がソフトクリームのような雰囲気にまとまりやすい。強い刈り込みをせず自然樹形にすると、木全体が、燃え上がる炎のような迫力ある姿になる。
- 大気汚染や潮風にも耐えられる。
- タマイブキやハイビャクシン、シンパク(ミヤマビャクシン)も同じ仲間である。
注意点・病害虫
- 葉は糸状で柔らかいが、強い剪定をすると、その付近だけ、スギの葉に似た、硬いトゲ状の葉(スギ葉)が出てくる。(基本種であるイブキと同様の性質である。)樹勢が落ち着けば、元の柔らかい葉が出てくるので、強剪定を避けながら様子を見る。元の葉が出てこなそうなら、早めに見切りを付け、硬い葉の出ている部分を切り取る。
- 剪定時は、必ず緑色の葉を残しながら切らないと、そのまま枝枯れしてしまう。
- ハサミで刈り込み剪定すると切り口が茶色くなって目立つため、よく「金気を嫌う」といわれる。「美しく仕立てるためには手を掛けろ」という意味があるらしい。細かいことを気にしなければ、ハサミを使っても問題ない。
- やや砂質で、やせ気味の土地を好む。
- カリンやナシ、ボケ、カイドウなどが近くにあると、赤星病の病原菌を互いに融通しあうので、冬期に石灰硫黄合剤を散布しておく。できれば、それらの木の近くでは栽培しない。ナシ園の近くでは栽培禁止になっているらしい。
- 春~初夏にかけて、枝の先端付近の葉が灰褐色~灰白色・濃褐色になって枯れ込むのは、芽枯病の被害である。深刻な病害ではないものの、被害部分は赤っぽく見え、遠目にもよく目立つ。トップジンM、ベンレートなどで予防する。
- 葉の先端が枯れ込むのは、イブキチビキバガが葉の内部に侵入し、食害したためである。5月と、7~9月に発生するので、スミチオンなどを散布しておく。木を揺すると、糸を吐きながらぶら下がるので、捕殺してもよい。
(※データ:大阪市基準)