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素人園芸解説 -私はこう育てる-

イヌマキ

イメージ

原産地

日本(関東南部以南)・中国・台湾

マキ科

高さ

2~20m

花期

5~6月

【結実】10~12月

形態

常緑高木

別名等

ポドカルプス・マクロフィルス(学名)/槙/槇/真木/犬槙/犬槇/クサマキ/ホンマキ(いずれもマクロフィルス)


タスマニアンポドカルプ(アルピヌス)
アフリカマキ/アフリカンファーンパイン(いずれもグラシリオル)
ラカンマキ(マクロフィルス変種マキ)

日照

戸外の直射日光下。

【補足】耐陰性が強く、かなりの日陰でも耐える。

水やり

土の表面が乾けば与える。

肥料

3月と、9月に、固形肥料の置き肥。

植え替え

3月上旬~4月中旬か、6月上旬~8月上旬。

整姿

【剪定】6月下旬~9月上旬。

芽吹きがよく、刈り込みも容易。生垣などで、樹形を優先したいときは、11~12月にも刈り込める(ただし、暖地のみ)。

繁殖

【挿し木】3月か、6月上旬~9月下旬。

【タネまき】採ってすぐにまくか、保存して3~4月にまく。

耐暑性

とても強い。

耐寒性

やや弱く(-8℃)、寒地では室内が無難。

解説

  1. 針葉樹としては、マツ類と並んで、古くから植栽されてきた木である。半日陰を好む「陰樹」らしいが、日なたでもよく育つ。雌雄異株で、雄木のほうが葉の付き方が粗く、葉の長さも長い。暖地性のため、やや寒さに弱い。
  2. イヌマキの変種に、葉が短く密に茂るラカンマキがある。
  3. 暖地では庭木の定番の一つ。丈夫で刈り込みにも強く、樹形が作りやすい。さらに、樹形完成後の手入れも容易。木の生長は遅い。
  4. 雄花は淡黄色、雌花は黄緑色だが、花に観賞価値はない。なお、果実の花托(赤紫色をした部分)は甘みがあり、食用になる。
  5. 和風の木だと思われがちだが、樹形を工夫すれば、洋風の庭にもよく合う。自然樹形や、円筒仕立てなど、お好みで。
  6. 根に小さなコブがびっしり付いているように見えるが、病虫害ではないようである。清潔な土で挿し木した苗木の根にも、最初からコブが付いている。
  7. 潮風に強い。燃えにくいので、防火樹にも適する。

注意点・病害虫

  1. やや砂質の土を好む。連作は禁止。
  2. 夏頃に、よく葉先から白く枯れこむのは、白葉枯病である。サンボルドーなどで防除する。葉に傷が付くと発生しやすい。
  3. 南根腐病にかかると、地際部分や根が黒褐色になり、黄白色のカビが絡みついて、株全体が枯死する。一度発生すると治療は難しい。この病気は名前の通り熱帯性で、極暖地でのみ発生する。
  4. あまり虫の付かない木だが、カイガラムシの被害にあうことがある。

余談

  1. コウヤマキは、コウヤマキ科(またはスギ科)に分類される別種である。学名はスキアドピティス・バーティシラタ。日本特産種で、和名は高野山にちなむ。雌雄同株。こちらは寒さに強く(-25℃)、やや暑さを嫌う。

(※データ:大阪市基準)