いろんな植物の育て方や知識をご紹介。

素人園芸解説 -私はこう育てる-

マンリョウ

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原産地

日本(関東南部以西)・台湾・中国・朝鮮半島・インド北部

サクラソウ科(またはヤブコウジ科)

高さ

0.3~1m

花期

6~8月

【結実】11~3月

形態

常緑小低木

別名等

アルディシア・クレナタ(学名)/万両/ハナタチバナ


シロミノマンリョウ/白実万両(クレナタ品種レウコカルパ)

日照

戸外で0~30%遮光(7月上旬~9月上旬は50%遮光)。

【補足】耐陰性が強く、かなりの日陰でも耐える。

水やり

土の表面が乾けば与える。

肥料

3月、6月、9月に、固形肥料の置き肥。

植え替え

3月下旬~4月上旬、5月中旬~6月下旬、9月中旬~10月下旬のいずれか(春が最適)。

【補足】2年に一度行う。根をなるべく切らない。

整姿

【剪定】3~4月(自然に樹形が整うので、あまり必要ない)。

結実した枝は切り戻し、新しい枝の発生を促す。背が高くなりすぎたら、好みの位置でばっさり切れば、不定芽が出て小さくできる。(ただし、芽吹かない危険があるので、取り木で小さくしたほうが無難。)

繁殖

【挿し木】3月、5月下旬~9月下旬。

【取り木・接ぎ木】3月下旬~8月下旬。(取り木は、「高取り法」がよい。接ぎ木は、共台のほか、カラタチバナを台木にすることも可能。)

【タネまき】採ってすぐにまくか、乾かないよう保存して3~4月にまく(発芽まで数ヵ月かかるので、乾かさないよう注意)。

耐暑性

とても強いが、強光と乾燥に注意。

耐寒性

わりと強い(-5~-8℃)が、寒地では室内へ。

解説

  1. 古典園芸植物にして、正月を寿ぐ縁起物の一種である。よく見かける赤実種のほか、白や黄、淡桃色の果実をつける品種がある。生長は遅い。
  2. 在来種は果実が小さいが、大実マンリョウ「宝船」という品種はひと回り大きな果実を付け、見栄えがするので、よく出回っている。
  3. その他、「雪虎」「玉孔雀」「福包」「富士丸」「紅孔雀」「峰勝錦」などのように、葉にさまざまな斑が入ったり、変形したりする、変わり葉の品種も存在する。ただし、普通の園芸店ではほとんど見かけない。

注意点・病害虫

  1. 果実は、鳥に食べられなければいつまでも木に付いていて、なかなか落ちない。3~4月になってもまだ残っていたら、摘み取っておく。
  2. 幹が長く立ち上がり、下葉が落ちて格好が悪くなった株は、取り木で仕立て直す。鉢植えなら、株元に小さな草花を寄せ植えするのも手。
  3. 二本の木を一本に合着させる「寄せ接ぎ」も可能。仕立て直す株と台木の双方の樹皮を剥ぎ、形成層を密着させて固定しておけば容易。普通の接ぎ木と違い、接ぐ木・接がれる木ともに自分の根があるため失敗しにくい。
  4. この時、合着後に最も姿がよくなる場所で樹皮を剥ぐ。合着後は、不要なほうの株の、下の部分を切り捨てる。この切り捨てた部分は、新芽を吹くこともあるので、すぐには処分せず、しばらく様子を見てもよい。
  5. 意外にも気難しいところがあり、突然枯れることがある。幸い、増殖が容易なので、日頃から予備を作っておいた方が無難。
  6. 古土で栽培すると根に黒斑病が発生し、立ち枯れしやすい。

(※データ:大阪市基準)