いろんな植物の育て方や知識をご紹介。

素人園芸解説 -私はこう育てる-

ヤブコウジ

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原産地

日本(北海道南部~九州)・台湾・中国・朝鮮半島南部

サクラソウ科(またはヤブコウジ科)

高さ

10~30cm

花期

6~8月

【結実】10~3月

形態

常緑小低木

別名等

アルディシア・ジャポニカ(学名)/藪柑子/ジュウリョウ/十両/ヤマタチバナ/ヤブタチバナ/アカダマノキ/紫金牛


ツルコウジ/蔓柑子/イチリョウ/一両(いずれもプシラ)

日照

戸外で10~30%遮光(7月上旬~9月上旬は50~70%遮光)。

【補足】耐陰性が強く、かなりの日陰でも耐える。

水やり

土の表面が乾けば与える(水切れは厳禁)。

肥料

1月、4月、7月に、少量の固形肥料を置き肥(多肥にしない)。

植え替え

2月下旬~4月上旬、5月中旬~6月下旬、9月中旬~10月下旬のいずれか(春が最適期)。

【補足】2年に一度行う。根をなるべく切らない。

整姿

不要な子株が出たら適宜間引かないとはびこる。

【剪定】3~4月。

ほとんど分枝しないので、まず必要ない。

繁殖

【挿し木】3~4月、5月下旬~9月下旬(実が付いた枝でも挿せる)。

【株分け】植え替えと同時期(春が最適)。

【タネまき】採ってすぐにまくか、乾かないよう保存して2~4月にまく。

耐暑性

とても強いが、強光に注意。

耐寒性

わりと強い(-10℃)が、寒地では防寒する。

【ツルコウジ】やや弱く、暖地以外では室内へ。

解説

  1. センリョウやマンリョウなどと並び、昔から縁起が良い植物とされてきた。とても小さな木で、「十両」の別名がある。
  2. 江戸時代以降、「葉芸(葉の形や色・斑など)」を楽しむ園芸品種群が作出され、「紫金牛(こうじ)」と総称されている。(本来、「紫金牛」は、ヤブコウジの生薬名である。)葉に斑が入る品種や、ちりめん状に縮れる品種などがあるが、これらの品種は、果実がなりにくいので、もっぱら葉を楽しむ。
  3. 常緑樹ながら耐寒性に優れ、真冬に赤い実が冴える。白い実を付ける品種もある。
  4. 生育は遅いが、地下茎が横に這い、群落を作る性質がある。日陰のグラウンドカバーに最適。
  5. 同属のプシラは、茎がほふくするため、「ツルコウジ」と呼ばれる。育て方は同じだが、こちらは千葉県以南~フィリピンに自生するため寒さに弱い。
  6. 葉が毛で覆われるビロードヤブコウジも、同属の植物である。育て方はほぼ同じだが、これも半耐寒性なので、寒地では室内で越冬させる。

注意点・病害虫

  1. 葉を観賞する「紫金牛」の品種は、たまに、普通の緑葉が出ることがあるので、見つけ次第摘み取る。
  2. 本来、常緑樹の林の下草として生活しているので、強い直射日光を好まない。葉焼けに注意。

余談

  1. 生薬ととして使われるのは、地下の根茎である。乾燥させたものを煎じ、咳止めなどに用いる。

(※データ:大阪市基準)