ヤナギ
イメージ
原産地
日本~カラフト・朝鮮半島・中国東北部
科
ヤナギ科
高さ
1~30m(種類による)
花期
3~5月
形態
常緑低木~高木
別名等
サリックス(属名)/柳/ウィロー
(※各種の和名・異名はページの一番下にまとめた)
日照
戸外の直射日光下。
水やり
土の表面が乾けば与える(湿った場所を好むので、水切れは厳禁)。
肥料
3月、5月、7月に、少量の固形肥料の置き肥。
植え替え
12月上旬~3月下旬(厳寒期と開花中は避けたほうがよい)。
整姿
【剪定】
冬剪定~花後剪定…植え替えと同時期、花後すぐ。
花後は、強剪定ができないので注意。ネコヤナギは、開花前に剪定すると花芽が減るので、花後すぐがよい。
夏剪定…6~7月。
伸びすぎるようなら、6~7月に軽く切り戻す。
繁殖
【挿し木】1~3月、5~7月、9月・(必ず葉芽のある部分を挿し穂に使う。種類によっては活着しにくいものがある。)
【取り木】2~3月(若い枝の途中を土に埋め、発根させる)。
【根伏せ・根挿し】2~3月、5~7月。
【株分け】植え替えと同時期(株立ちになる種類のみ)。
耐暑性
とても強いが、乾燥に注意。
耐寒性
とても強い(-25℃)。
解説
- この仲間は、雌雄異株で、水辺を好み、生長がとても早いのが特徴。ネコヤナギやシダレヤナギがよく知られる。
- ネコヤナギは背の低い木で、どんなに大きくなっても5m以下。ネコ(花序)は、雄花のほうが大きい。芽が赤いアカメヤナギや、ネコが黒いクロメヤナギなどもある。なお、アカメヤナギは、ネコヤナギとヤマネコヤナギの交雑種で、クロメヤナギは、ネコヤナギの変異個体らしい。
- シダレヤナギは中国原産。名前の通り枝が枝垂れるが、雄株しか枝垂れないらしい。(日本には雌株がほとんど無い。)こちらは20m近い大木になる。よく川の堤防などに植えられている。
- メガネヤナギは、葉が円を描くように丸まっており、名前の通りメガネを連想させる。シダレヤナギの園芸品種だが、枝は立ち上がり、枝垂れない。
- ウンリュウヤナギは枝がねじれており、生け花によく使われる種類。
- なお、生け花には、オノエヤナギの石化品種である「石化柳」もよく使われる。(石化とは、枝の一部が幅の広い帯状に変化する現象。)
- イヌコリヤナギの園芸品種「白露錦」は、葉に白い斑が入っており、人気がある。3m以下とあまり大きくならず、庭木にも鉢植えにも向く。新芽も桃色を帯び、とても美しい。
- 切った枝を水に挿しておいても発根するほど、生命力が強い。
注意点・病害虫
- 湿った砂質の土を好む。
- この仲間は、さび病にかかりやすい。一度発生すると毎年しつこいので、日頃から日照や通風に気を配り、健康に育てる。
余談
- ヤナギ類の根は、土中に酸素がほとんど無くても、水に酸素が溶け込んでいれば、それで呼吸できるという。水辺でも生きていけるのは、そのためらしい。
各種の和名・異名
※ヤナギの仲間は命名に混乱があるのか、全く別の種類に、同じ和名が付いていたりする。下記の名称一覧も、間違いや重複が多数あると思われる。
- セイヨウシロヤナギ/西洋白柳/ホワイトウィロー(いずれもアルバ)
- アルバ「アルゲンテ」/アルバ「セリセア」(いずれも異名)/シルバーウィロー(いずれもアルバ変種セリセア)
- ゴールデンウィロー(アルバ変種ビテリナ)
- セプルクラリス変種クリソコマ/ビテリナ「ペンデュラ」(いずれもアルバ「トリスティス」の異名)
- マウンテンウィロー(アルブスクラ)
- ケショウヤナギ/化粧柳(アルブティフォリア)
- イヌコリヤナギ/犬行李柳(インテグラ)
- サハリネンシス(異名)/オノエヤナギ/尾上柳/ヤブヤナギ/藪柳/ナガバヤナギ/長葉柳/カラフトヤナギ/樺太柳(いずれもウデンシス)
- サハリネンシス「セッカ」(異名)/セッカヤナギ/石化柳(いずれもウデンシス「セッカ」)
- コヨーテウィロー(エクシグア)
- エゾシロヤナギ/蝦夷白柳/シロヤナギ/白柳(いずれもエッソエンシス)
- オオシロヤナギ/大白柳/ジャヤナギ/蛇柳(いずれもエルオカルパ)
- バッコ(異名)/バッコヤナギ/ヤマネコヤナギ/山猫柳/ゴートウィロー(いずれもカプレア)
- マルバヤナギ/丸葉柳/アカメヤナギ/赤芽柳(いずれもカエノメロイデス)
- トカチヤナキ/十勝柳/オオバヤナギ/大葉柳(いずれもカルディオフィラ)
- キヌヤナギ/絹柳(いずれもキヌヤナギ)(※和名と学名が同一)
- カワヤナギ/川柳/ナガバカワヤナギ/長葉川柳(いずれもギルギアナ)
- ネコヤナギ/猫柳/カワヤナギ/川柳/タニガワヤナギ/谷川柳/エノコロヤナギ(いずれもグラシリスティラ変種グラシリスティラ)
- ハイネコヤナギ/這猫柳(グラシリスティラ品種ペンデュラ)
- クロメヤナギ/黒芽柳/クロヤナギ/黒柳/ブラックウィロー(いずれもグラシリスティラ品種メラノスタキス)
- コリヤナギ/コウリヤナギ/行李柳/アズキヤナギ(いずれもコリヤナギ)(※和名と学名が同一)
- ヤマヤナギ/山柳/ハシカエリヤナギ(いずれもシーボルディアナ変種シーボルディアナ)
- シバヤナギ/柴柳/イシヤナギ/石柳(いずれもジャポニカ)
- キヌゲシバヤナギ/絹毛柴柳(ジャポニカ品種フォーリエイ)
- シライヤナギ/白井柳(シライイ変種シライイ)
- タチヤナギ/立柳(スブフラギリス)
- ノヤナギ/野柳/ヒメヤナギ/姫柳(いずれもスブオッポシタ)
- ドリコスティラ亜種セリッシフォリア(異名)/コゴメヤナギ/小米柳/コメヤナギ/米柳(いずれもセリッサエフォリア)
- バイオレットウィロー(ダフノイデス)
- タライカヤナギ/多来加柳(タライケンシス)
- タチヤナギ/立柳(トリアンドラ)
- シロヤナギ/白柳(ドリコスティラ亜種ドリコスティラ)
- エゾアルピナ(異名)/エゾノタカネヤナギ/蝦夷高嶺柳/マルバヤナギ/丸葉柳(いずれもナカムラナ亜種エゾアルピナ)
- ヒダカミネヤナギ/日高峰柳/ハイヤナギ/這柳(いずれもナカムラナ亜種クリレンシス)
- レンゲイワヤナギ/蓮華岩柳/タカネイワヤナギ/高嶺岩柳/タカネヤナギ/高嶺柳(いずれもナカムラナ亜種ナカムラナ)
- エゾマメヤナギ/蝦夷豆柳(ヌンムラリア)
- シダレヤナギ/枝垂柳/イトヤナギ/糸柳/ウィーピングウィロー(いずれもバビロニカ)
- バビロニカ「クリスパ」/バビロニカ「アンヌラリス」(いずれも異名)/メガネヤナギ/眼鏡柳/マガタマヤナギ/勾玉柳/ラムズホーンウィロー/リングリーブドウィロー(いずれもバビロニカ変種アンヌラリス)
- マツダナ(異名)/ペキンヤナギ/北京柳/ペキンウィロー(いずれもバビロニカ変種ペキネンシス)
- バビロニカ「セイコ」(異名)/セイコヤナギ/西湖柳(いずれもバビロニカ品種セイコ)
- バビロニカ「ロッカク」(異名)/ロッカクヤナギ/六角柳(いずれもバビロニカ品種ロッカク)
- バビロニカ変種ペキネンシス「トルツオサ」/マツダナ「トルツオサ」(いずれも異名)/ウンリュウヤナギ/雲龍柳/コウテンヤナギ/ドラゴンズクローウィロー(いずれもバビロニカ「トルツオサ」)
- オオタチヤナギ/大立柳(ピエロティー)
- マウピネンシス(ファーゲシーの異名)
- ユビソヤナギ/湯檜曽柳(フカオアナ)
- ミヤマヤチヤナギ/深山谷地柳(フセッセンス)
- オオネコヤナギ/大猫柳/キンメヤナギ/金芽柳/オオキツネヤナギ/大狐柳(いずれもフツラ)
- クラックウィロー(フラギリス)
- フルティコサ/ヒレマティカ(いずれもフルカタの異名)
- キツネヤナギ/狐柳/イワヤナギ/岩柳(いずれもブルピナ)
- サイゴクキツネヤナギ/西国狐柳(ブルピナ亜種アルポクロア)
- カンサイキツネヤナギ/関西狐柳(ブルピナ亜種アルポクロア品種プシロスタキス)
- シュウェルニー(異名)/エゾノキヌヤナギ/蝦夷絹柳/ギンヤナギ/銀柳/ウラジロヤナギ/裏白柳(いずれもペット-スス)
- ドワーフウィロー(ヘルパセア)
- エゾノカワヤナギ/蝦夷川柳(ミヤベアナ亜種ミヤベアナ)
- カワヤナギ/川柳/ナガバカワヤナギ/長葉川柳(いずれもミヤベアナ亜種ギムノレピス)
- ヨシノヤナギ/吉野柳(ヨシノイ)
- コマイワヤナギ/駒岩柳/イワヤナギ/岩柳(いずれもルピフラガ)
- ミヤマヤナギ/深山柳/ミネヤナギ/峰柳(いずれもレイニー)
- キヌゲミヤマヤナギ/絹毛深山柳(レイニー変種エリオカルパ)
- マルバミネヤナギ/丸葉峰柳(レイニー品種サイクロフィロイデス)
- アカメヤナギ/赤芽柳/フリソデヤナギ/振袖柳(いずれもレウコピテシア)
- クリーピングウィロー(レペンス)
- エゾヤナギ/蝦夷柳(ロリダ)
- シダレエゾヤナギ/枝垂蝦夷柳(ロリダ品種ペンデュラ)
- ロリダ変種ロリダエフォルミス(異名)/コエゾヤナギ/小蝦夷柳(いずれもロリダ品種ロリディフォルミス)
(※データ:大阪市基準)