いろんな植物の育て方や知識をご紹介。

素人園芸解説 -私はこう育てる-

フクジュソウ

イメージ

原産地

日本(沖縄除く)・中国東北部・朝鮮半島・シベリア東部

キンポウゲ科

高さ

5~30cm

花期

2~4月

形態

宿根草

別名等

アドニス・ラモサ(学名)/アドニス・アムーレンシス(旧学名)/福寿草/元旦草/元日草/正月草/歳旦草/朔日草/長寿菊/長寿草/報春花/土満作


(※その他の種類の和名・異名はページの一番下にまとめた)

日照

11月上旬~5月中旬の生育期は、戸外の直射日光下(花後すぐ~葉が枯れるまでは50%遮光)。
休眠期は、涼しい日陰。

水やり

生育期は、土の表面が乾けば与える。休眠期は、乾き気味に管理。

肥料

11月と、花後すぐに、固形肥料の置き肥、加えて、花後すぐ~葉が枯れるまで、7~10日に一度、1500~2000倍に薄めた、ごく薄い液肥を施す。

植え替え

9月上旬~11月下旬。

【補足】2~3年に一度行う。根がとても長いが、切り詰めてはいけない。

整姿

特に無し。

繁殖

【株分け】植え替えと同時期。

【タネまき】採ってすぐにまく。(発芽は遅く、翌春以降。「紅撫子」のように、タネができない品種もある。)

耐暑性

やや弱い。地上部が無いので存在を忘れない。

耐寒性

とても強い(-20~-30℃)が、あまりに強く凍ると腐る。

解説

  1. 旧暦の正月頃、雪の下から鮮やかな黄金色の花を咲かせる、めでたい植物。年末が近づくと、促成栽培の株がよく出回る。太く長い根をたくさん持つため、なるべく、健全な根が多く残っている株を入手したい。
  2. 一般的なのは、原種のフクジュソウと、園芸品種の「福寿海」である。他にも品種はあるが、やや気難しい。「朱宝」「秩父真紅」「紅撫子」は、花が鮮やかな赤橙色。ただし、暖地では花色がぼけやすい。
  3. 「紅撫子」は、花弁の先に細かい切れ込みが入る。また、「寿」は八重咲き種である。ほかに、三段咲き(花の縁と中心が黄色、その間が緑色になる)の品種もある。
  4. 「洋種フクジュソウ」と呼ばれるベルナリスは、やや開花が遅い。
  5. ヨーロッパには、花弁が朱赤色で雌しべが黒い、アンヌーアという種類もある。これは名前の通り、秋まき夏咲きの一年草。
  6. キンポウゲ科植物は、花弁を持たない・ガクが花弁状になる種類が多いが、フクジュソウは例外で、きちんと花弁を持つ。

注意点・病害虫

  1. この仲間は、基本的に寒地性の植物で、関東地方より北の地域でよく育つ。太平洋側には、あまり自生しない。
  2. 日光が当たらないと花が開かないので、日陰に置かない。
  3. 根の量が多いため、鉢植えにする場合は、5号くらいの深鉢を用いる。
  4. 手持ちの古株を正月に開花させたければ、秋植え球根の水栽培と同じように、戸外で十分寒さに当ててから、12月上旬頃に室内に入れ、日の当たる暖かい場所で管理する。しかし、自然開花させたほうが花色が美しくなる。(特に赤系の花は、その傾向が強い。)
  5. もともと、落葉広葉樹林の下草として暮らしているので、地植えにする場合は、落葉樹の下を選びたい。植え土には、堆肥などの腐食質を多めに施しておく。
  6. 連作を嫌う。地植えの株は3~4年をめどに場所を替える。放置すると、白絹病が発生して全滅することがある。
  7. やや石灰分を好む。
  8. 有名な有毒植物で、死亡例もある。めでたい名前のせいか、誤って食べる人がいるらしい。強心薬でもあるが、素人療法は厳禁。

各種の和名・異名

  1. アカバナフクジュソウ/赤花福寿草/ナツザキフクジュソウ/夏咲き福寿草/サマーアドニス(いずれもアエスティバリス)
  2. キタミフクジュソウ/北見福寿草(アムーレンシス)
  3. シコクフクジュソウ/四国福寿草(シコクエンシス)
  4. ヨウシュフクジュソウ/洋種福寿草(ベルナリス)
  5. ミチノクフクジュソウ/陸奥福寿草(ムルチフロラ)

(※データ:大阪市基準)