ヘツカラン
イメージ
原産地
日本(鹿児島南部以南)~台湾・中国南部・東南アジア~インド東北部
科
ラン科
高さ
30~60cm
花期
10~12月
形態
多年草(着生植物)
別名等
シンビジウム・ダイアヌム変種アウストロジャポニクム(学名)/辺塚蘭/寒鳳蘭
春鳳蘭(春咲き種の総称)
鳳蘭(冬咲き種と春咲き種の総称)
日照
4月上旬~11月上旬の生育期は、戸外で10~30%遮光(7月上旬~9月上旬は50%遮光)。
越冬中は、室内の日当たり(暖地なら戸外で霜除け)。
水やり
生育期は、用土の表面が乾けば与える(乾き気味に管理)。越冬中は、ごく控えめに。
【補足】雨に当てないほうがよい。花茎が伸び続けている間は水切れさせない。
肥料
4月上旬~7月上旬と、9月に、7~10日に一度、1500~2000倍の、ごく薄い液肥を施す。加えて、4月と10月に、小量の固形肥料を置肥。
【補足】秋の施肥は、窒素を含まないものを用いる。斑入り葉の品種は、緑葉の種類より少なめの施肥を心がける。
植え替え
3月、花後すぐ、10月上旬~11月上旬のいずれか(開花中は避ける。花後すぐが最適期)。
【補足】2~3年に一度行う。腐った根は取り除き、生きた根は切らない。
整姿
しなびて茶色くなったバルブがあれば、取り除く。
繁殖
【株分け・バルブ伏せ】植え替えと同時期(バルブ伏せは、葉のないバルブを2~3個ずつ植え付け、芽を出させる)。
耐暑性
強い。
耐寒性
最低5℃を保つ。
【補足】高温にあわせない。
解説
- 洋蘭シンビジウムの原種の一つで、東洋蘭の一種でもある。「辺塚蘭」という名は、大隅半島にある地名から付けられた。厳密には、日本産の個体を「辺塚蘭」と呼び、外国産の個体を「寒鳳蘭」と呼び分けるらしい。
- 花期は秋~冬だが、早春咲きの個体もあり、「春鳳蘭」と呼ばれる。
- 東洋蘭の一種であるため、花を観賞する「花物」と、葉の芸を観賞する「柄物」に分かれる。花物としては、白花種の「白花寒鳳蘭」があり、柄物には、葉に覆輪斑が入るものや、縞斑が入るものがある。
- 辺塚蘭の柄物は、「恵蘭(「恵」の字は、正しくは上にくさかんむりが付く)」の一種でもある。「恵蘭」とは、特定の蘭の名前ではなく、複数の柄物東洋蘭の総称である。恵蘭の仲間はいずれも、性質や育て方などが似通っている。
- ただ、このヘツカランは、東洋蘭・恵蘭としては、かなり格付けが低い。草姿が大柄であることや、花茎が枝垂れることなどが理由らしい。
- 花弁は白く、中央に赤紫色の筋が一本入る。恵蘭の一種としては珍しく、花に香りが無い。
注意点・病害虫
- 強い直射日光を嫌う。用土の通気性や水はけにも注意が必要。植え込み用土は、シンビジウム用の洋蘭専用土が適する。東洋蘭専用土でも栽培できるが、土が過湿にならないよう注意。乾燥には強い。
- シンビジウムの一種なので、太い根が長く伸びる。また、葉がとても長いうえ、花茎が下垂する性質のため、やや縦長の鉢に植えることが多い。ヘゴ板などに着生させたり、バスケットに植えて吊すのも良い方法である。
- アブラムシやカイガラムシ、ウイルス病に注意。
(※データ:大阪市基準)