キンリョウヘン
イメージ
原産地
台湾・中国南西部
科
ラン科
高さ
20~40cm
花期
4~6月
形態
多年草(半着生植物)
別名等
シンビジウム・フロリバンダム(学名)/シンビジウム・プミルム(異名)/金稜辺/金陵辺/蜜蜂蘭
白花金稜辺(フロリバンダム変種アルブム)
日照
4月上旬~11月上旬の生育期は、戸外で10~30%遮光(7月上旬~9月上旬は50%遮光)。
越冬中は、室内の日当たり。
【補足】斑入り葉の品種は、やや遮光気味に育てる。
水やり
土の表面が乾けば与える(乾き気味に管理)。
肥料
4月上旬~7月上旬と、9月上旬~10月下旬に、7~10日に一度、1500~2000倍の、ごく薄い液肥を施す。加えて、4月と10月に、小量の固形肥料を置肥。
【補足】秋の施肥は、窒素を含まないものを用いる。斑入り葉の品種は、緑葉の種類より少なめの施肥を心がける。
植え替え
3月、花後すぐ、10月上旬~11月上旬のいずれか(開花中は避ける。花後すぐが最適期)。
【補足】2~3年に一度行う。腐った根は取り除き、生きた根は切らない。
整姿
しなびて茶色くなったバルブがあれば、取り除く。斑入りの品種は、緑一色の葉が出たら、小さいうちに摘み取り、新しい芽を出させる。葉の斑を大切にしたければ、花芽が出次第摘み取り、咲かせない。
繁殖
【株分け・バルブ伏せ】植え替えと同時期(バルブ伏せは、葉のないバルブを2~3個ずつ植え付け、芽を出させる)。
【タネまき】採ってすぐ、親株の根元にまく。
耐暑性
強い。
耐寒性
最低5℃を保つとよい。
【補足】高温にあわせない。
解説
- ごく小型の、シンビジウムの原種の一つである。同時に、シュンランやカンラン、ケイラン、ホウサイランなどと並ぶ、「東洋蘭」の一種でもある。性質が強く、非常に育てやすい。
- 洋蘭のシンビジウムには、サラ・ジーン「アイスキャスケード」を始め、比較的小型の、花茎が下垂~斜上する品種がたくさんあるが、それらの主要な交配親の一つが、このキンリョウヘンである。
- 花は小さく、赤褐色で地味だが、かすかな芳香がある。淡黄緑色の花を咲かせる変種もあり、「白花金稜辺」と呼ばれる。
- 東洋蘭の一種なので、当然、葉に美しい斑が入る品種がいろいろある。主な品種は、「月章」「日月」「瑞光」「常磐錦」「若松」など。
- 東洋蘭は、株に格付けがある。花や葉に変化がある株は「名品」と呼ばれ、ごく普通の株「並物」と区別される。「名品」のうち、八重咲きなど、花が美しいものは「花物」、斑が入るなど、葉が美しいものは「柄物」と呼ぶ。どちらかというと、花物より、柄物のほうが格上。
- 花にニホンミツバチが集まって来るというので、蜜蜂愛好家が好んで育てているらしい。しかし、株によって個体差があるようで、来ない株には全く来ない。
注意点・病害虫
- シンビジウムの一種なので、太い根が長く伸びる。そのため、やや縦長の鉢に植えられることが多い。駄温鉢やプラ鉢で十分育つが、専用の「東洋蘭鉢」を使うと、見栄えがする。
- 植える土は、洋蘭専用土か、東洋蘭専用土を使うと楽。自分で配合する場合は、硬質赤玉土、焼き赤玉土、硬質鹿沼土、川砂、桐生砂、富士砂などを等量混合するとよい。鉢底の3cmくらいに大粒、表土1cmくらいに小粒、その中間に中粒の土がくるように植え込む。(つまり、鉢底に近いほど土の粒を大きくする。)
- 東洋蘭を植えた鉢は、地面や床などに直接置かず、鉢の下にスノコなどを敷き、鉢底に風が通るようにする。専用の「ラン掛け」を使い、鉢を地面から離すのもよい方法。
- ウイルス病に注意。
余談
- 花と花茎は食用になるほか、塩漬けにしてラン茶をつくる。
(※データ:大阪市基準)