ダイモンジソウ
イメージ
原産地
日本(沖縄除く)・中国・朝鮮半島・サハリン・南千島
科
ユキノシタ科
高さ
5~50cm(種類による)
花期
7~12月(種類による)
形態
多年草
別名等
サキシフラガ(属名)/フォーチュン・サキシフラガ
(※各種の和名・異名はページの一番下にまとめた)
日照
戸外で0~30%遮光(7月上旬~9月上旬は50%遮光)。
【補足】耐陰性が強く、かなりの日陰でも耐える。
水やり
土の表面が乾けば与える(湿った場所を好むので、水切れは厳禁)。
【補足】空中湿度も高めに保つ。
肥料
3月に、固形肥料の置き肥、加えて、3~7月と、9月に、二週間に一度、1500~2000倍の、ごく薄い液肥を施す。
【補足】窒素(N)は控えめに。
植え替え
2~3月、5月、花後すぐのいずれか(早春が最適期。ただし、春咲き種のみ、9月下旬~10月下旬が適期)。
【補足】1~3年に一度行う。石づけにした株は、ほとんど植え替えの必要がない。
整姿
枯れた下葉は、まめに摘み取らないと、病気のもとになる。(冬の枯れ葉は、翌年の芽を保護するために残しておいてもよい。)
繁殖
【株分け】植え替えと同時期。
【タネまき】採ってすぐにまくか、保存して2~3月にまく(土はかけない)。
【根伏せ】3月。(エチゼンダイモンジソウで可能。良い根を根元から切り取り、丸ごと植え付けて不定芽を出させる。)
耐暑性
やや弱く、強光と乾燥に注意。
耐寒性
とても強い(-25℃)が、極寒地では防寒する。
解説
- 原種のダイモンジソウは、名前の通り、白い花が「大」の字に似た形をしている。変種に、イズノシマダイモンジソウ、ナメラダイモンジソウ、ミヤマダイモンジソウ、ヤクシマダイモンジソウなどがある。
- きわめて多くの品種があり、「伊予翁」「白鷺」「白糸の滝」「桃弁慶」「紅武甲」「緑扇」などいろいろ。園芸品種は、原種に比べ、花の形が明確な「大」の字になっていないものが多い。
- 花色は、白が基本だが、紅色や桃色、淡黄緑色もある。花形は、一重咲きと八重咲きの他、多弁花、大輪花もある。斑入り葉の品種もある。
- この仲間は普通、初秋~初冬に開花する。が、エチゼンダイモンジソウは春~初夏、ミヤマダイモンジソウは夏に開花する。
- ミヤマダイモンジソウの血を引く桃色~紅色花の系統は、暑さに弱く、暖地ではやや育てにくい。
- 近縁種のジンジソウは、モミジバダイモンジソウとも呼ばれ、ダイモンジソウによく似ている。名前の通り、花の形が「人」の字をしている。葉が濃紫色になるムラサキジンジソウもある。いずれも、育て方はダイモンジソウに準じる。
注意点・病害虫
- 主に半日陰で生育する植物だが、夏でも涼しい冷涼地では、日光に当てて育てたほうがよい。ただし、真夏の直射日光は避ける。
- 湿った岩壁の上などに自生するため、「石づけ」にすると機嫌よく育つ。石づけは、ケト土と軽石砂を7:3に配合した土を用いて、抗火石鉢(または、植え穴を開けた溶岩石)に植え、土の表面にコケを張れば完成。水を張った水盤に置いて管理すれば水切れしにくく、観賞上も適する。小型のシダやイワギリソウ、イワタバコ、ヒメイワギボウシなど、同じ環境に育つ植物と寄せ植えにすると、互いに湿度を保ちあうので、なおよい。
- タネからでも簡単に殖やせる。ただし、子株は、親株とは違う花になることが多いので、親株と同じ株を殖やしたければ株分けする。
- 夏の間に、葉が枯れ込んで腐りやすい。通風に気を配る。
- 短日植物ではないようだが、夜間でも明るい場所で育てていると、開花が遅れる傾向がある。
余談
- ユキノシタと同様、若い茎葉を天ぷらや油炒め、おひたしなどにできる。また、秋に株を掘り出して乾燥させ、煎じて服用すれば、むくみや利尿に効くという。
各種の和名・異名
- エチゼンダイモンジソウ/越前大文字草(アセリフォリア)
- ジンジソウ/人字草/モミジバダイモンジソウ/紅葉葉大文字草(いずれもコルツシフォリア)
- ムラサキジンジソウ/紫人字草(コルツシフォリア品種アトロプルプレア)
- センダイソウ(センダイカ)
- モミジバセンダイソウ(センダイカ品種ラシニアタ)
- アイゾーン(異名)/ライフロングサキシフラガ(いずれもパニクラタ)
- ミヤマダイモンジソウ/深山大文字草(フォーチュネイ変種アルピナ)
- ダイモンジソウ/大文字草/イワブキ/ガケブキ/ユキモヨウ(いずれもフォーチュネイ変種インシソロバタ)
- ナメラダイモンジソウ/滑大文字草/カエデダイモンジソウ/楓大文字草/カエデバダイモンジソウ/楓葉大文字草(いずれもフォーチュネイ変種スウォエンシス)
(※データ:大阪市基準)