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素人園芸解説 -私はこう育てる-

イチゲ

イメージ

原産地

日本(沖縄除く)・中国東北部・朝鮮半島・ウスリー・シベリア東部

キンポウゲ科

高さ

15~30cm

花期

3~6月

形態

宿根草

別名等

アネモネ(属名)/一華


(※各種の和名・異名はページの一番下にまとめた)

日照

10月下旬~6月上旬の生育期は、戸外の直射日光下(花後すぐ~葉が枯れるまでは50%遮光)。
休眠期は、涼しい日陰。

水やり

生育期は、土の表面が乾けば与える。休眠期は、乾き気味に管理。

【補足】休眠中に過湿にすると腐りやすい。

肥料

11月と、花後すぐに、固形肥料の置き肥、加えて、花後すぐ~葉が枯れるまで、7~10日に一度、1500~2000倍に薄めた、ごく薄い液肥を施す。

植え替え

9月上旬~10月中旬。(なるべく9月中に済ませる。腐りやすいので、酷暑期は避けたほうがよい。)

【補足】2~3年に一度行う(頻繁に植え替えると花が咲かない)。細い根はなるべく切らない。

整姿

特に無し。

繁殖

【株分け・根茎伏せ】植え替えと同時期(根茎伏せは、ぶつ切りにした太い根茎を清潔な土に植え付け、芽を出させる)。

【タネまき】採ってすぐにまく(発芽は翌春)。

耐暑性

やや弱く、強光と過湿を避ける。

耐寒性

強い(-10~-30℃)が、極寒地では防寒する。

解説

  1. 「イチゲ」は、アネモネ属(イチゲ属)の植物の総称で、とても多くの仲間がある。漢字で「一華」と書くことからわかるように、「花一輪」という意味がある。通常は、一本の花茎に一個だけ花を付ける。
  2. アネモネ属の仲間は、園芸上、以下のように分けられる。
    • 夏に休眠する種類
      • 根茎を伸ばす種類…このページで取り上げているイチゲの仲間は、これに該当する。秋に根を伸ばし、早春に葉を展開して開花、初夏に地上部を枯らして休眠する、典型的な「スプリング・エフェメラル(春植物)」である。
      • 球根(塊茎)を作る種類…秋植え球根として有名なコロナリアやブランダ、フルゲンスなど。扱い方は、根茎を伸ばす系統とほぼ同じだが、夏越し中に過湿になると、あっけなく腐るので、乾燥状態で夏越しさせることが多い。
    • 冬に休眠する種類…シュウメイギクが代表種。その他、シルベストリスやムルチフィダなども栽培される。地中にほふく茎を伸ばして殖え、群落を作ることが多い。この系統は、育て方や性質が違うので、ここでは、これ以上触れない。シュウメイギクについては別ページ参照。
  3. イチゲの代表種は、なんといってもイチリンソウである。この仲間で最も人気が高く、大きな白い花を、花茎の先端に一輪だけ咲かせる。
  4. 仲間のニリンソウは、一茎に二輪咲かせることが多いためこの名がある。が、一輪だけだったり、三~四輪咲かせることもある。花は白く、イチリンソウより小さい。また、サンリンソウは、ニリンソウにそっくりだが、葉柄があり、夏に休眠しない点が異なる。こちらも名前に反し、常に三輪咲くわけではない。
  5. 同様の性質を持つ仲間には、キクザキイチゲやユキワリイチゲ、アズマイチゲ、ヒメイチゲなどがある。このうち、キクザキイチゲとユキワリイチゲは比較的人気が高く、よく栽培される。
  6. キクザキイチゲは、名前の通り、キクに似た多弁咲きの花を咲かせる。見事な八重咲き種もある。花色は白~青紫まで幅があり、品種が多い。なお、変種のコキクザキイチゲは、キクザキイチゲより小型である。
  7. ユキワリイチゲは、葉に特徴がある。表はくすんだ濃灰緑色で、灰緑色の斑紋があり、裏は赤紫色をしている。花は多弁咲きで白っぽく、紫色を帯びて美しい。前年の秋に芽を出し、葉がある状態で冬を越す。
  8. 外国産の種類もある。主なものに、アペンニナ、ネモロサ、ブランダ、ホルテンシス、ムルチフィダ、ラヌンクロイデス、レッセリなどがある。レッセリはシルベストリスとムルチフィダの交配種。どの種類も栽培容易。日本産の種類よりやや寒さに弱い。
  9. キンポウゲ科の植物なので、花弁に見える部分は、全てガクが変化したものである。花は、晴天時の日中のみ開く。日陰では咲かない。
  10. この仲間は、やや石灰分を好むが、特に石灰を施す必要は無いらしい。

注意点・病害虫

  1. 鉢植えでは開花しにくいため、落葉樹の下などに地植えしたほうがよい。鉢植えにするなら、4~5号の中深鉢を用い、花付きのよい選抜品種を選んで栽培する。
  2. この仲間は寒地ほど育てやすく、近畿より南では、長年同じ株を維持するのは難しい。株分けやタネまきなどで定期的に株を更新する。
  3. ネコブセンチュウがつきやすいので注意。植え替え時、根にコブを発見したら、その部分を切り捨ててから植える。

余談

  1. ニリンソウとサンリンソウは、若葉や花、つぼみが食用になる。アクがあるため、ゆでて水にさらすとよい。他の種類は食べられない。(キンポウゲ科植物は有毒種が多い。)なお、芽出し時は、きわめて危険な有毒植物であるトリカブトの葉とよく似ているので、採取の際は十分な注意が必要。

各種の和名・異名

  1. ルリイチゲ/瑠璃一華/ユキワリイチゲ/雪割一華(いずれもケイスケアナ)
  2. エゾイチゲ/蝦夷一華/ヒロハヒメイチチゲ/広葉姫一華(いずれもエゾエンシス)
  3. キクザキイチゲ/菊咲一華/キクザキイチリンソウ/菊咲一輪草(いずれもシュードアルタイカ)
  4. コキクザキイチゲ/菊咲一華/コキクザキイチリンソウ/小菊咲一輪草(いずれもシュードアルタイカ変種グラシリス)
  5. バイカイチゲ/梅花一華/スノードロップウィンドフラワー(いずれもシルベストリス)
  6. サンリンソウ/三輪草(ストロニフェラ)
  7. ヒメイチゲ/姫一華/ヒメイチゲソウ/姫一華草(いずれもデビリス)
  8. ハクサンイチゲ/白山一華(ナルシッシフロラ)
  9. イチリンソウ/一輪草/イチゲソウ/一華草/ウラベニイチゲ/裏紅一華(いずれもニコエンシス)
  10. ヤブイチゲ/藪一華(ネモロサ)
  11. ヤエイチゲ/八重一華/ヤエザキイチリンソウ/八重咲一輪草(いずれもネモロサ品種ヴェスタル)
  12. ハルオコシ/ホワイトストレンジャー(いずれもネモロサ品種ブラクテアタ)
  13. ニリンソウ/二輪草/ソバナ/セキナ/フクベラ/コモチバナ/ガショウソウ/ユキワリソウ(いずれもフラクシダ)
  14. ハナイチゲ/花一華(ブランダ)
  15. ホシザキイチリンソウ/星咲一輪草(ホルテンシス)
  16. アズマイチゲ/東一華(ラッデアナ)
  17. キバナイチゲ/黄花一華/キバナヒメイチゲ/黄花姫一華(いずれもラヌンクロイデス)
  18. ベニバナイチゲ/紅花一華(レッセリ)

(※データ:大阪市基準)