イワチドリ
イメージ
原産地
日本(山梨以西~四国・伊豆諸島)
科
ラン科
高さ
5~15cm
花期
4~7月(種類による)
形態
春植え球根(着生~半着生植物)
別名等
アミトスティグマ・ケイスケイ(学名)/岩千鳥/八千代
コアニチドリ/小阿仁千鳥(キノシタエ)
ヒナラン/雛蘭(グラシレ)
オキナワチドリ/沖縄千鳥(レピドゥム)
日照
3月下旬~11月上旬の生育期は、西日を避けた戸外の直射日光下(花後すぐ~9月上旬は50%遮光)。
休眠期は、日光に当てなくてよい。
水やり
生育期は、土の表面が乾けば与える(湿った場所を好むので、水切れは厳禁)。休眠期は、ごく控えめに。
【補足】真夏のみ、ごく浅い腰水にするとよい。花や葉に水をかけたり、雨に当てたりしない。
肥料
4~6月と、9~10月に、月に一度、1500~2000倍に薄めた、ごく薄い液肥を施す(多肥は禁物)。
植え替え
2月下旬~3月中旬か、11月(早春に行うとよい)、3号鉢に3~5球。
【補足】2~3年に一度行う。深さ1~2cm、群生を好むので密植する。
整姿
特に無し。
繁殖
【分球】植え付け時。
【タネまき】3~4月か、10~11月(親株の根元にまくか、ダンボール箱に清潔な用土を入れ、その中にまく)。
【ムカゴ採取】植え付け時(コアニチドリのみ可能)。
耐暑性
わりと強い。
【コアニチドリ、ヒナラン】弱い。
耐寒性
やや弱く(-3~10℃)、凍らせない。
解説
- 温暖地の岩場に生える小型の野生ランである。同じ仲間に、関東以西~九州に自生するヒナランや、南千島~中部地方北部に自生するコアニチドリなどがある。エノモトチドリは、イワチドリとコアニチドリの交配種。
- コアニチドリは、茎の先端にムカゴを作る、珍しい性質がある。これを植え付けて育てれば簡単に殖やせる。
- 九州南部~沖縄に自生するオキナワチドリも同じ仲間だが、こちらは早春に開花し、真夏に葉を枯らして休眠する、秋植え球根である。寒さに弱く、越冬中は最低5~10℃ほど欲しい。表土が乾けば水やりし、11~3月まで、月に一度の液肥を与える。植え替えは毎年、休眠中に行う。イワチドリと同様、休眠中も球根をカラカラに乾燥させてはいけない。
注意点・病害虫
- 水を好むが、雨に当てると株元から腐りやすい。水やりの際も、葉にかけないほうがよい。コアニチドリは、イワチドリよりも、さらに水切れに弱いので注意する。
- 普通の山野草専用土でよく育つが、水もちをよくするため、水ゴケの粉末を二割ほど混合するとよい。ウチョウランのように、イワヒバやシノブの根元に植え込んでも風情がある。
- 休眠中に球根を掘り上げて保存することもできる。その場合、軽く湿らせたバーミキュライトなどに埋め、過度の乾燥を防ぐ。
(※データ:大阪市基準)