いろんな植物の育て方や知識をご紹介。

素人園芸解説 -私はこう育てる-

ナツエビネ

イメージ

原産地

日本(北海道南部~九州)・中国・台湾・朝鮮半島・済州島・ヒマラヤ

ラン科

高さ

20~50cm

花期

7~8月

形態

多年草

別名等

カランセ・プベルラ(学名)/カランセ・レフレクサ(異名)/夏海老根


キソエビネ/木曽海老根(シュレクテリ)
オクシリエビネ/奥尻海老根(プベルラ変種オクシレンシス)

日照

戸外で10~30%遮光(7月上旬~9月上旬は50~70%遮光)。

【補足】耐陰性が強く、かなりの日陰でも耐える。

水やり

土の表面が乾けば与える。

【補足】花や葉に水をかけたり、雨に当てたりしない。空中湿度を高めに保つ。

肥料

3月下旬~5月下旬と、9月下旬~10月下旬に、二週間に一度の液肥、または固形肥料の置き肥。

植え替え

3月下旬~5月上旬か、9月下旬~10月下旬。

【補足】2~3年に一度行う。腐った根は取り除き、生きた根は切らない。バルブ(葉の下の膨らんだ部分)が隠れる程度の深さに植える。

整姿

葉の付け根を覆う「はかま」は、害虫の住みかになるので、茶色く乾燥したら取り除く。葉のない古いバルブ(葉の下の膨らんだ部分)は、茶色くなったり、しなびていれば切り取る。花が終わったら、花茎を根元から切る。

繁殖

【株分け・バルブ伏せ】植え替えと同時期(バルブ伏せは、葉のないバルブを2~3個ずつ植え付け、芽を出させる)。

【タネまき】10~11月。(親株の根元にまくとよい。発芽まで半年以上かかり、開花までさらに4~5年かかる)。

耐暑性

とても弱い。

耐寒性

わりと強い(-10℃)が、防寒する。

解説

  1. 夏咲きエビネの一種だが、やや高山性で、寒地向きである。他のエビネ類によくみられるような、株ごとの花色の変異は、ほとんどない。しかし、夏に咲く薄紫色の花は涼しげである。白花種もある。
  2. 他のエビネ類との交配種がいくつか作られているが、あまり市販されていない模様。
  3. 中部地方~四国の山地に自生するキソエビネも、同様に扱える。花期は、やや早め。ナツエビネよりさらに暑さに弱い。

注意点・病害虫

  1. 暖地では暑がって育てにくく、つぼみが開かないまま黒くなり、落ちてしまうことがよくある。
  2. 葉が大きいため、水切れと乾いた強風が苦手。ナツエビネは特に、高い空中湿度を好む性質がある。
  3. 普通のエビネ同様、根が通気性を好むので、小豆~大豆大の用土を使う。エビネ専用土を使うと楽。鉢も、エビネ鉢か、駄温鉢がよい。
  4. 害虫はアブラムシやカイガラムシ、ハダニなどが付く。病気は、ウイルス病が大敵。

(※データ:大阪市基準)