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素人園芸解説 -私はこう育てる-

ナゴラン

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原産地

日本(紀伊半島以南~南西諸島・伊豆諸島)・朝鮮半島南部

ラン科

高さ

5~20cm

花期

6~8月

形態

多年草(着生植物)

別名等

ファレノプシス・ジャポニカ(学名)/セディレア・ジャポニカ/エリデス・ジャポニカ(いずれも異名)/名護蘭

日照

4月中旬~10月下旬の生育期は、戸外で10~30%遮光(7月上旬~9月上旬は50%遮光)。
越冬中は、室内の日当たり。

水やり

生育期は、土の表面が乾けば与える(着生させた株は、全体が乾けば与える)。越冬中は、ごく控えめに。

【補足】葉の合わせ目に水をためない。

肥料

4月下旬~10月上旬に、10~14日に一度、1500~2000倍に薄めた、ごく薄い液肥を与える(多肥は禁物)。

【補足】8月以降は、窒素(N)を含まない肥料を与える。

植え替え

4月中旬~5月中旬(着生作業も同時期)。

【補足】3年に一度行う。腐った根は取り除き、生きた根は切らない。

整姿

特に無し。

繁殖

【株分け】植え替えと同時期(滅多に株分かれしない)。

耐暑性

とても強い。

耐寒性

最低10℃を保つ。

【補足】高温にあわせない。

解説

  1. 洋蘭のエリデスに近縁の野生ランである。かつてはエリデス属に分類されていたが、その後セディレア属として独立し、さらに現在は、ファレノプシス属(コチョウラン属)に統合されている。
  2. 花は、そう華美なものではないが、なかなか可愛らしく、とてもよい香りがある。
  3. 最近は、大量生産されて値段が下がり、気軽に栽培できるようになった。下記の耐寒性の件を除けば、性質は丈夫で、病虫害も少なく育てやすい。

注意点・病害虫

  1. 普通は素焼き鉢に水ゴケで植えるが、ヘゴ板などに着生させてもよく育つ。庭木に着生させることもできるが、耐寒性が弱いので、行えるのは亜熱帯に近い極暖地に限る。
  2. かつては、日本産の個体だけが流通していた。日本産の個体は耐寒性があり、それほど加温しなくても、室内で越冬できる(5℃まで耐える)。しかし現在は、アジアで大量増殖された実生個体が主流となっている。これらは寒さに弱く、最低10℃を保たないと危険。
  3. 寒さに弱いとはいえ、熱帯性の植物ではないため、冬の温度が高すぎるのはよくない。加温するにしても、20℃未満とする。
  4. カイガラムシに注意。

余談

  1. 現在は、ファレノプシス属という超有名属の一員である。が、初めはエリデス属で、その次にセディレア属として独立した経緯がある。エリデスという属名はアルファベットで「Aerides」と書き、セディレアは「Sedirea」と書く。両方のつづりをよく見れば、なぜ「セディレア」という属名だったのかがわかる。

(※データ:大阪市基準)