オキナグサ
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原産地
日本(本州~九州)・朝鮮半島・中国・シベリア・西アジア・ヨーロッパ中部・スカンジナビア半島・ウクライナ・アラスカ
科
キンポウゲ科
高さ
5~40cm(種類による)
花期
3~5月
形態
宿根草
別名等
プルサティラ(属名)
(※各種の和名・異名はページの一番下にまとめた)
日照
西日を避けた戸外の直射日光下(7月上旬~9月上旬は50%遮光)。
水やり
土の表面が乾けば与える。
【補足】過湿になると腐るため、雨に当てないほうがよい。
肥料
3月下旬~6月下旬と、9月上旬~11月上旬に、10~14日に一度の液肥、または固形肥料の置き肥。
【補足】開花中は施肥を停止する。
植え替え
2月上旬~4月上旬、5月中旬~6月中旬、9月下旬~12月上旬のいずれか。
【補足】なるべく毎年行う。できる限り根を切らない。
整姿
特に無し。
繁殖
【株分け】植え替えと同時期(あまり一般的でない)。
【タネまき】採ってすぐにまく。(タネの毛を取り除いてからまく。発芽まで1ヵ月程度かかるので、その間、乾かさない。)
【根伏せ】3月(種類によってはできない)。
耐暑性
やや弱い。
【高山性種】とても弱い。
耐寒性
とても強い(-25~-30℃)。
解説
- 全草が白い毛で覆われ、春に暗赤色の花をうつむき加減に咲かせる、渋い草花。かつては日本中の至る所で見られた花で、各地にさまざまな地方名が存在する。淡黄色花を咲かせる個体もある。
- 花が咲き進むと次第に上を向き、花茎がさらに伸び上がる。花後は、名前の通り、老翁の白髪や髭を思わせるタネを付ける。
- ヨーロッパ原産の西洋オキナグサは、日本のオキナグサより耐暑性が強く丈夫で、よく普及している。花は上向きに咲き、色は赤、紫、桃、白などがある。八重咲き種もある。
- その他、アルプス南西部~中西部原産の原種ハレリや、西アジア原産のカンパネラ、ヨーロッパ~シベリア原産のパテンスなどは、青紫色の花を咲かせる。
- また、コーカサス原産のアルバナや、アルプス・ピレネー原産のアルピナ変種アピフォリアは、黄色の花を咲かせる。(アルピナ変種アピフォリアは、特に色が濃い。)これらはオキナグサの黄花種とは違い、花がうつむかない。
- さらに、矮性で白花を咲かせるベルナリスや、濃茶色花のプラテンシスなどもがある。いずれもヨーロッパ原産。
- 本州中部以北の高山に自生するツクモグサも同属の植物である。耐暑性が無く暖地では育たない。花色は黄色。
注意点・病害虫
- この仲間は、高山性・寒地性の種類が多く、暖地で育てやすい種類は限られる。一番やりやすいのは西洋オキナグサである。日本産のオキナグサも栽培できるが、夏に傷むことが多い。
- よく根が張るので、深めの鉢に植える。
- 多年草とはいえ寿命が短く、だいたい3~5年で消える。よくタネが採れるので、数年おきにタネをまいて更新する。順調に育てば、タネまきから二年で開花株に育つ。
- 西洋オキナグサは、酸性の土を嫌う。
- ハダニに注意。
余談
- キンポウゲ科植物だけに、やはり有毒植物である。しかし漢方では、根の煎液を下痢止めに用いる。根のすり下ろし汁には消炎・止血作用があるという。素人療法厳禁。
各種の和名・異名
- アルパインアネモネ(アルピナ)
- アルピナ亜種スルフレア(異名)/キバナオキナグサ/黄花翁草(いずれもアルピナ亜種アピーフォリア)
- ヒトツバオキナグサ/一葉翁草(インテグリフォリア)
- ヒロハオキナグサ/広葉翁草/白頭翁(いずれもシネンシス)
- カシポオキナグサ(スガワライ)
- オキナグサ/翁草/チゴ/稚児/サイコ/柴胡/チゴバナ/チゴグサ/ネコグサ/シャグマ/カワラチゴ(いずれもセルヌア)
- キバナオキナグサ/黄花翁草(セルヌア変種オーレア)
- カシポオキナグサ/ルイコフイチゲ(いずれもタテワキイ)
- カタオカソウ(タラオイ)
- ツクモグサ/九十九草(ニッポニカ)
- パテンス変種ムルチフィダ(ヌッタリアナの異名)
- ブルガリス亜種グランディス(ハレリ亜種グランディスの異名)
- アネモネ・プルサティラ(異名)/西洋オキナグサ/洋種オキナグサ/パスキューフラワー(いずれもブルガリス)
- ハルオキナグサ/春翁草(ベルナリス)
(※データ:大阪市基準)