いろんな植物の育て方や知識をご紹介。

素人園芸解説 -私はこう育てる-

オモト

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原産地

日本(関東以西)・中国

キジカクシ科(またはスズラン科・ユリ科)

高さ

5~50cm(種類による)

花期

4~6月

【結実】12~2月

形態

多年草

別名等

ローデア・ジャポニカ(学名)/万年青/ニッポンリリー/セイクリッドリリー/リリー・オブ・チャイナ/ジャパニーズセイクリッドリリー

日照

戸外で0~30%遮光(7月上旬~9月上旬は50%遮光)。

【補足】耐陰性が強く、多少の日陰なら耐える。

水やり

土の表面が乾けば与える(乾き気味に管理)。

肥料

3月、5月、9月に、固形肥料の置き肥。

植え替え

3月中旬~4月上旬か、9月中旬~10月下旬。

【補足】1~2年に一度行う。腐った根は取り除き、生きた根は切らない。

整姿

古株は、根茎(「芋」と呼ばれる部分)が地表に露出しやすいので、土をかぶせておく。

繁殖

【株分け】植え替えと同時期(傷口には、殺菌剤か灰を塗る)。

【タネまき】採ってすぐにまくか、乾かないよう保存して3~4月にまく。

耐暑性

とても強い。

耐寒性

やや弱く(-5℃)、寒地では室内へ。

解説

  1. 古典園芸植物の一種。古くからの園芸品種がとても多い。大きく分けて、葉が長く、葉幅も広い「大葉種(薩摩オモト」)、それより小さめで葉が細い「中葉種(薄葉種)」、葉が小さく肉厚で、シワが入る「小葉種(羅紗種)」がある。
  2. 葉芸も多彩で、「葉の斑入り」だけでも、斑の入り方に、かなりのバリエーションがある。また、葉全体が大きくカールする「獅子葉」も迫力がある。
  3. 日本原産種だけに、比較的栽培容易な植物。とはいえ、より育てやすいのは、株全体が大型で葉が濃緑色をした、原種に近い品種である。(具体的には大葉種。代表品種に、「残雪」「都の城」「鷲高隈」などがある。)
  4. 大株に育つと、初夏に花が咲く。花に観賞価値はないが、冬に果実が赤く熟し、濃緑色の葉によく映える。黄色の実を付ける品種もある。半日陰地のグラウンドカバーに適する。

注意点・病害虫

  1. 日光を好むが、強い日光に当てると葉が焼ける。特に斑入りの品種は、西日や夏の直射日光に当てないようにする。
  2. 用土は、オモト専用土か、朝明砂、矢作砂を使うと楽。いずれも小粒・中粒・大粒を用意し、鉢底に近いほど、土の粒が大きくなるように調整する。土の表面には水ゴケを敷くとよい。
  3. 専用のオモト鉢に植えると、高級感が醸し出される。が、安い焼き物鉢やプラスチック鉢でも普通に育つ。
  4. 葉に黒っぽい同心円状病斑ができる炭疽病や、円形または不整形の赤褐色病斑ができる赤星病など、葉の病気が出やすい。風通しをよくし、ダコニール1000、トップジンMなどの殺菌剤を定期的に散布する。(オモトの赤星病は、さび病の一種であるボケの赤星病などとは、全く別の病気である。)

余談

  1. 縁起のよい植物とされるが、危険な有毒植物で、死亡例もある。民間薬として使われるが、素人療法は禁止。
  2. 園芸店で見かける斑入りのオモトには、薬品処理によって人工的に斑を出させたものがあるらしい。そのような株は、新しい葉に斑が入らないため、いずれ緑一色になる。品種名の明示がない株は、注意してかかった方がよい。

(※データ:大阪市基準)