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素人園芸解説 -私はこう育てる-

サギソウ

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原産地

日本(本州~九州)・台湾・朝鮮半島

ラン科

高さ

10~50cm

花期

7~9月

形態

春植え球根

別名等

ペクテイリス・ラディアタ(学名)/ハベナリア・ラディアタ(異名)/鷺草/シラサギソウ/白鷺草/イーグレットフラワー

日照

3月上旬~11月上旬の生育期は、西日を避けた戸外の直射日光下(7月上旬~9月上旬は30~50%遮光したほうがよい)。
休眠期は、日光に当てなくてよい。

水やり

生育期は、土の表面が乾ききる直前に与える(湿地性の植物なので、水切れは厳禁)。休眠期は、ごく控えめに。

【補足】真夏のみ、ごく浅い腰水にするとよい。休眠期も、過度の乾燥を避ける。

肥料

4月下旬~6月下旬と、花後すぐ~10月上旬に、10~14日に一度、1500~2000倍以上に薄めた、ごく薄い液肥を施す。

【補足】濃い液肥を施すと、肥料負けしやすい。定期的に植え替えていれば、無肥料でも育つ。

植え替え

2月上旬~3月中旬、4号鉢に7~12球。

【補足】深さ1~2cm、群生を好むので、密植する。新球が深くもぐるため、なるべく毎年行う。

整姿

花が終わったら、花がらを手で摘み取る。

繁殖

【分球】植え付け時。

耐暑性

わりと強いが、蒸れに注意。

耐寒性

わりと強い(-10℃)が、強く凍らせると枯れる。

解説

  1. 多くの人が知る、有名な野生ランである。従来は、ラン科ハベナリア属に分類されていたが、最近は、ペクテイリス属に分離することが多い模様。
  2. 名前の通り、白鷺が舞っているかのような、優雅な花が特徴。基本種のほか、斑入り葉や変わり花など、いくつかの園芸品種がある。

注意点・病害虫

  1. 植える鉢は、素焼き鉢か抗火石鉢などがよい。これらの鉢は乾きやすいので、水切れに注意する。プラスチック鉢は水切れしにくいが、夏に鉢の中が蒸れ、根が傷むことがある。
  2. 夏場の蒸れを嫌うので、暖地では、特に水はけ・風通しに気を配り、夏だけ二重鉢にしたり、断熱効果の高い発泡スチロール箱に鉢ごと入れるなどの心づかいが必要。見た目を気にしないなら、最初から発泡スチロール箱に植える、という手もある。(底に水抜き穴を開けるのを忘れない。)
  3. 適正な温度と湿度を保つために、ベニチガヤやミズトクサなど、他の湿地性山野草と寄せ植えにするのも、よい方法である。
  4. やや酸性の土を好む。水ゴケや鹿沼土、山野草専用土などに植えるのが無難だが、生きた水ゴケに植えても育つ。
  5. 水ゴケ以外の用土に植えた場合は、鉢土の表面を水ゴケでマルチングすれば、乾燥を防げる。あらかじめ、水ゴケの粉末を、用土に2~3割ほど混入しておくと、水切れの危険がさらに小さくなる。
  6. 順調に育てば、毎年、球根が2~3倍に殖える。そうならない場合は、栽培環境を見直す。
  7. ウイルス病に弱い。葉が萎縮・変形して草丈が伸びない、葉に淡色のモザイク斑が出る、葉や花が黒く枯れ込み続ける、などの症状が現れたら、抜き取り処分する。市販の球根は、すでに罹病していることが少なくないと聞く。

余談

  1. よく似た名前のダイサギソウ(学名:ハベナリア・デンタタ)は、主に、アジアの亜熱帯~熱帯地域に自生する。サギソウの近縁種だが、全体的に大型で、鷺というよりは鳩に似ている。こちらは湿地性の植物ではなく、過湿にすると腐る。サギソウに比べて性質が弱く育てにくい。花期は9~10月頃。

(※データ:大阪市基準)