いろんな植物の育て方や知識をご紹介。

素人園芸解説 -私はこう育てる-

月下美人

イメージ

原産地

メキシコ~中央アメリカ・南アメリカ・西インド諸島

サボテン科

高さ

1~5m

花期

5~10月

形態

多年草(着生植物)

生育型

夏型

別名等

エピフィルム・オキシペタルム(学名)/月下美人/ゲツライコウ/月来光/ダッチマンズパイプ


(※その他の種類の和名・異名はページの一番下にまとめた)

日照

4月中旬~11月上旬の生育期は、西日を避けた戸外の直射日光下(7月上旬~9月上旬は50%遮光)。
越冬中は、室内の日当たり。

水やり

生育期は、土の表面が乾けば与える(多肉植物なので、乾き気味に管理)。夏越し中は、週に一~二度とし、越冬中は、月に一度か、断水する。

肥料

4月中旬~7月中旬と、9月上旬~10月下旬に、10~14日に一度の液肥、または、固形肥料の置き肥。

【補足】つぼみが見えたら、窒素(N)を控える。幼苗は、真夏も1500~2000倍の薄い液肥を施し、株作りに努める。

植え替え

4月中旬~6月上旬か、9月上旬~10月上旬。

【補足】2~3年に一度行う。植え替え後、数日経ってから水やりを再開する。開花していれば、花が終わってから作業する。

整姿

棒状のシュートや平たい茎節は、放置すると1m以上伸びるので、好みの長さで摘芯する。古くなり、生気のなくなったシュートや茎節は、付け根から切る。(強い切り戻しは、9月までに終わらせる。)

繁殖

【挿し芽】4月下旬~10月中旬(挿し穂は1~2日置き、切り口が乾いたら、上下を間違えないように挿す)。

【タネまき】採ってすぐにまく。

耐暑性

わりと強いが、真夏は生育が鈍る。

耐寒性

5℃まで耐えるが、できれば10℃欲しい。

解説

  1. 一夜限りの香り高い純白花を咲かせる、とても有名な植物。クジャクサボテンに近縁で、花や姿が似るが、性質は異なる。
  2. クリプトセレウス属やセレニセレウス属、ヒロセレウス属など、近縁属との交配種をはじめ、いくつかの原種・園芸品種が出回る。やや小型の「姫月下美人」の他、「宵待孔雀」、つる性の「夜の女王」「夜の王女」、茎節がギザギザの「白眉孔雀」、淡黄色花の「ダラヒー」などがある。交配種に、月下美人×宵待孔雀の「歌麿呂美人」「十三夜美人」、月下美人×姫月下美人の「満月美人」などがある。
  3. 果実は食用になる。自家結実しないので、「食用月下美人」の名で売られている株(※遺伝的に異なる同一種らしい)と交配する。人工受粉をすれば確実。
  4. 近縁の植物同士にも関わらず、月下美人とクジャクサボテンを交配することはできないらしい。

注意点・病害虫

  1. 森林性の着生サボテンである。多肉植物とはいえ、茎節があまり多肉質ではなく、比較的、水や肥料を多めに欲しがる。
  2. 支柱を立ててまっすぐ仕立てるのが一般的だが、吊り鉢に植えることもできる。ただし、かなり重いので、鉢の耐久性に注意。
  3. 用土の通気性や水はけに注意する。クジャクサボテン専用土を使うと楽。通常のサボテン用土は適さないが、使いたい場合は、腐葉土などの有機質を若干混ぜて用いる。

余談

  1. 花を焼酎付けにすれば、長く保存できる。なお、花も食用になる。
  2. トロピカルフルーツでおなじみのピタヤ(ドラゴンフルーツ)も近縁の植物で、育て方もほとんど同じ。品種によって、自家結実するものと、しないものがある。できれば、二株以上用意したほうが無難。別ページで解説済み。

各種の和名・異名

  1. 白眉孔雀/有角孔雀(いずれもアングリガー)
  2. ゴールデンハート(クリソカルディウム)
  3. トーマス孔雀(ソマシアヌム)
  4. 白眉孔雀(ダラヒー)
  5. 宵待孔雀(フーケリ)
  6. 姫月下美人(プミルム)

エピフィルム属以外の仲間。

  1. 夜の女王/クイーン・オブ・ザ・ナイト(いずれもセレニセレウス・グランディフロルス)
  2. 夜の女王(セレニセレウス・マクドナルディアエ)
  3. エピフィルム・アケルマンニー(異名)/レッドオーキッドカクタス(いずれもノパルホキア・アケルマンニー)
  4. ビャクレンカク/白蓮閣/ドラゴンフルーツ/ナイトブルーミングセレウス/クイーンオブザナイト(いずれもヒロセレウス・ウンダツス)

(※データ:大阪市基準)