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素人園芸解説 -私はこう育てる-

カニバサボテン/シャコバサボテン

イメージ

原産地

ブラジルのオルガン山

サボテン科

高さ

15~50cm

花期

【カニバ】2~3月

【シャコバ】10~3月

形態

多年草(着生植物)

生育型

夏型または春秋型

別名等

シュルンベルゲラ(属名)


ジゴカクタス・トルンカツス(異名)/シャコバサボテン/クリスマスカクタス/デンマークカクタス(いずれもトルンカタ)
ブリジェシー(異名)/クリスマスカクタス(いずれもバックレイイ)
カニバサボテン/カニサボテン(いずれもルッセリアナ)

日照

4月上旬~11月上旬の生育期は、西日を避けた戸外の直射日光下(7月中旬~9月上旬は50%遮光)。
越冬中は、室内の日当たり。

水やり

生育期は、土の表面が乾けば与える(多肉植物なので、乾き気味に管理)。夏越し中は、週に一度とし、越冬中は、月に一~二度とする。

肥料

4月上旬~7月上旬に、10~14日に一度の液肥、または固形肥料の置き肥。

【補足】幼苗は、9月中旬~10月下旬にも施肥を行い、株作りに努める。

植え替え

3月下旬~6月上旬か、9月(春のほうがよい)。

【補足】暖地では根腐れしやすいので、なるべく毎年行う。植え替え後、数日経ってから水やりを再開する。

整姿

3月下旬~4月上旬に、余分な茎節を摘み取り、株姿を整える。9月上旬~10月上旬に、先端部分にある、色の薄い未熟な茎節を摘み取ると、発生するつぼみの数が増える(早生種は早めに、晩生種は遅めに作業する)。

繁殖

【挿し芽・接ぎ木】4月上旬~6月上旬か、9月上旬~10月上旬(挿し穂は1~2日置き、切り口が乾いてから挿す)(接ぎ木は、他の柱状サボテンを台木にする)。

【タネまき】5~9月(採ってすぐにまくが、乾燥保存も可能)。

耐暑性

やや弱く、真夏は休眠状態。

耐寒性

0℃まで耐えるが、最低5℃を保つとよい。

【補足】開花中なら、最低10℃欲しい。

解説

  1. いずれも森林性着生サボテンの一種で、シュルンベルゲラ属に属する。
  2. 一般的なシャコバサボテンは、原種トルンカタの血を引く系統が中心で、これは晩秋~真冬に開花する。早春に開花する晩生の品種もあるが、これはオプンチオイデスという原種の血が入っている。
  3. トルンカタと原種ルッセリアナの交雑種はバックレイと呼ばれる。「クリスマスカクタス」と呼ばれる品種群の多くは、これに属するらしい。
  4. また、花や茎節が全体的に大型で、主に秋~初冬に開花する早咲きの系統は、原種オシチアナの血を受け継いでいる。オシチアナは短日植物ではないため、その血を引く品種も不定期咲きになる傾向がある。
  5. カニバサボテンとは、原種ルッセリアナそのものか、その血を引く品種のことをいう。シャコバサボテンによく似るが、茎節のトゲ状突起がなく、全体的に茎節が丸い。晩生種で、開花は冬~早春頃になる。シャコバサボテンに比べて生育が遅く、やや性質が弱い。しかし寿命が長く、じっくり作り込めば、見事な大株に育つ。
  6. シャコバサボテンには、葉(茎節)に斑が入る品種もある。緑葉種に比べると、やや生長が遅い。
  7. 花後に、小さな果実ができることがある。赤くなったら完熟なので、中のタネを採り、水洗いしてまく。

注意点・病害虫

  1. 原種が高山性のためか、耐暑性が弱い傾向がある。(品種によって耐暑性に差がある。)真夏はほぼ休眠しており、水やりが多いと、根腐れを起こしやすいので注意。風通しのよい日陰に置き、涼しく過ごさせる。
  2. 典型的な短日植物で、夜間に光が当たる場所で栽培すると、開花しない。ただ、中には、日長に関係なく不定期に開花する品種も少しある。
  3. つぼみは、環境の変化に敏感で、置き場の環境が変わると、すぐに落ちてしまう。特に、1~2cmくらいの小さなつぼみが落ちやすいので、扱いに注意する。
  4. 白花種はよく色変わりを起こし、淡紅色を帯びた花になる。対処法は、開花までの夜間の最低温度を13~18℃に保ち、1日の温度差を極力少なくし、やや遮光しながら咲かせる。黄花の品種も同様にすると、花色がよくなる。
  5. 逆に、赤や紅、桃、橙色系の品種は、夜間の最低温度を8~10℃、1日の温度差を10℃程度とし、強めの日光に当てながら咲かせると、鮮やかに発色する。
  6. いずれも着生植物なので、植える用土は、水はけと通気性のよいものにする。シャコバサボテン専用土を使うと楽。
  7. 茎節の先から赤っぽくなるのは、根腐れや肥料不足などで株が弱っている証拠。また、節から根が出るのは、根詰まりや根腐れの合図なので、早めに植え替える。
  8. 株が古くなると、地際から木質化し、貫禄が出てくる。一種の老化現象だが、そのままにしても、特に差し支えはない。気になるようなら、挿し芽で株を更新する。

余談

  1. サボテンの一種なので、食用になる。エディブルフラワー(食用花)として、料理の彩りにするとよい。

(※データ:大阪市基準)