いろんな植物の育て方や知識をご紹介。

素人園芸解説 -私はこう育てる-

セダム/マンネングサ

イメージ

原産地

世界各地(オーストラリア除く)

ベンケイソウ科

高さ

5~25cm(種類による)

花期

4~7月

形態

多年草

生育型

夏型または春秋型

別名等

セドゥム/ストーンクロップ


(※各種の和名・異名はページの一番下にまとめた)

日照

3月下旬~11月中旬の生育期は、戸外の直射日光下(酷暑期は西日を避けたほうがよい)。
越冬中は、室内の日当たり(暖地なら戸外で霜除け)。

【補足】少し耐陰性があるが、なるべく日光に当てないと、紅葉がみられない。

水やり

生育期は、土の表面が乾いて2~3日後に与える(多肉植物なので、乾き気味に管理)。越冬中は、月に一~二度とする。

【補足】多湿にも耐えるが、水やりが多いと、葉が落ちやすい。

肥料

4~6月に、月に一度、2,000倍以上に薄めた、ごく薄い液肥を施す。

【補足】多肥にすると紅葉しないばかりか、徒長し、腐ることがある。

植え替え

3月中旬~4月下旬か、9月中旬~10月中旬(春のほうがよい)。

【補足】植え替え後、数日経ってから水やりを再開する。

整姿

特に無し。

繁殖

【挿し芽・葉挿し】4月上旬~7月上旬か、9月上旬~10月上旬。(葉挿しは、元気な葉を付け根から切り取り、清潔な用土に浅く挿す。「乙女心」「恋心」のように、葉挿し不可能な種類もある。)

【株分け】植え替えと同時期(株分かれする種類のみ可能)。

耐暑性

わりと強い。

耐寒性

最低0℃を保つ。

【日本自生種】強いが、極寒地では室内へ。

解説

  1. いずれもセダム属の多肉植物である。セダムの仲間は非常に種類が多く、草姿が変化に富む。よく見られるのはメキシコ産の種類だが、日本にも自生している。
  2. 肉厚で丸みを帯びた葉を持つ、ごく小型の種類が、手ごろな価格でよく売られている。主な種類は、ストロニフェルム、プルケルム、ルベンス、レフレクサム、「黄麗」「オーロラ」「乙女心」「恋心」「小松緑」「愁麗」「春萌」「玉葉(たまば)」「虹の玉」「プロリフェラ」「松の緑」「緑亀の卵」「姫玉葉」「銘月」「八千代」など。
  3. キリンソウや、マンネングサの仲間(オノマンネングサ、タイトゴメ、マルバマンネングサなど)は、日本に自生しており、暑さ寒さに強い。斑入り葉の品種や、黄金葉を持つ品種などもある。冬になると地上部が枯れ、小さな芽で越冬する。
  4. キリンソウの仲間は、セダム属ではなく、フェディムス属に分離されていることもある。
  5. ツルマンネングサやメキシコマンネングサも、日本のマンネングサと同様に育てられる。なお、メキシコマンネングサは、名前に反し、メキシコ原産ではなく、原産地は不明。(メキシコから導入されたために付いた名らしい。)ツルマンネングサは耐寒性が強く、食用にもなる。
  6. この仲間は、近年、屋上や壁面の緑化に使われるようになっている。茎が地面を這う種類が多いので、日なたのグラウンドカバーに使ったり、吊り鉢に植えるのもよい。
  7. 園芸品種が増えており、斑入り品種だけでなく、黄金葉の品種や赤銅葉の品種もある。生育期によく日光に当てて育てると、秋以降、美しく紅葉する種類が多い。
  8. 花は小さいものの、たくさんまとまって咲くので、開花中は結構華やかである。花色は、黄色が多いが、種類によっては、白や紅色もある。
  9. 観葉植物として見かける「玉つづり」「新玉つづり」も、セダムの仲間である。茎がほふくして枝垂れるので、吊り鉢向き。置き場所を変えると葉が落ちやすい。耐寒性が弱いので、最低3℃を保つ。
  10. ベンケイソウやミセバヤの仲間も、セダム属に含まれることがあるが、これらは、現在はヒロテレフィウム属に分類されているようである。別ページで解説済み。

注意点・病害虫

  1. ほとんどの種類は性質がきわめて強く、栽培容易である。ただ、葉が産毛で覆われた高山性種(ヒントニー、フミフスムなど)は、蒸し暑さに弱く、育てにくい。

各種の和名・異名

  1. マキシモウィッツィー(異名)/ホソバキリンソウ/ホソバノキリンソウ(いずれもアイゾーン)
  2. ヨーロッパマンネングサ/ストーンクロップ/ウォールペーパー(いずれもアクレ)
  3. 銘月/明月/名月(いずれもアドルフィー)
  4. 姫星美人/ダシフィルム(アングリクム)
  5. ホソバイワベンケイ/ホソバイワベンケイソウ(いずれもイシダエ)
  6. 緑亀の卵(エルナンデシー)
  7. タイトゴメ/大唐米(オリジフォリウム)
  8. フェディムス・アイゾーン変種フロリブンドゥム(異名)/キリンソウ/黄輪草/麒麟草(いずれもカムチャティクム)
  9. 八千代(コリネフィルム「ローズ」)
  10. ツルマンネングサ(サルメントスム)
  11. メノマンネングサ(ジャポニクム亜種ジャポニクム)
  12. 黄葉メノマンネングサ(ジャポニクム「トウキョウサン」)
  13. ミルクゥージ/斑入りメノマンネングサ(いずれもジャポニクム「バリエガツム」)
  14. ジャポニクム変種セナネンセ(異名)/ミヤママンネングサ/深山万年草(ジャポニクム亜種ジャポニクム変種セナネンセ)
  15. 玉葉(スターリー)
  16. ヒメレンゲ/姫蓮華/コマンネンソウ/コマンネングサ/小万年草(いずれもスブティレ)
  17. コーカサスキリンソウ/花毛氈(いずれもスプリウム)
  18. 六条万年草(セクサングラレ)
  19. 雪の紋章(センペルビボイデス)
  20. 宝珠(デンドロイデウム)
  21. 宝珠冠/神楽の舞(いずれもデンドロイデウムの綴化品種)
  22. 白麗(トルロスム)
  23. 銘月(ヌスバウメリアヌム)
  24. 乙女心/アツバベンケイ/ジェリービーンプラント(いずれもパキフィルム)
  25. 都踊り/乙女心綴化(いずれもパキフィルムの綴化品種)
  26. マツノハマンネングサ(ハコネンセ)
  27. 薄化粧(パルメリ)
  28. ブリトー/新玉つづり(いずれもブリト)
  29. コモチマンネングサ(ブルビフェルム)
  30. 玉連(フルフラセウム)
  31. マルバマンネングサ/丸葉万年草/マメゴケ(いずれもマキノイ)
  32. 黄金マルバマンネングサ/ゴールデンストーンクロップ/ゴールデンステップストーン(いずれもマキノイ「オウゴン」)
  33. 斑入りマルバマンネングサ(マキノイ「バリエガツム」)
  34. 小松緑(ムルチセプス)
  35. メキシコマンネングサ(メキシカヌム)
  36. 黄葉メキシコマンネングサ(メキシカヌム「ゴールドマウンド」)
  37. タマツヅリ/玉つづり/タマスダレ/ドンキーズテイル(いずれもモルガニアヌム)
  38. タイトゴメ/大唐米(ユニフロルム)
  39. オノマンネングサ(リネアレ)
  40. 姫笹/白覆輪オノマンネングサ(リネアレ「バリエガツム」)
  41. 松の緑/ルシダム(ルブロティモツム)
  42. 虹の玉/クリスマスチアー(いずれもルブロティンクツム)
  43. オーロラ(ルブロティンクツム「オーロラ」)
  44. レフレクスム/レフレクサム(いずれもルペストレの異名)
  45. サカサマンネングサ(レフレクスム)
  46. ロディオラ・ロゼア(異名)/イワベンケイ/ローズルート(いずれもロゼア)
  47. ヘテロドンツム/ロディオラ・ヘテロドンタ(いずれもロゼア変種ヘテロドンツムの異名)
  48. 春萌(「アリス・エバンス」)
  49. カラスミセバヤ(「ルビー・グロー」)

(※データ:大阪市基準)