アスパラガス(食用種)
イメージ
原産地
中央アジア・ロシア南部・南ヨーロッパ・北アフリカ
科
クサスギカズラ科(またはキジカクシ科・ユリ科)
高さ
80~200cm
花期
4~5月
形態
宿根草
収穫期
3~5月・7~9月
別名等
アスパラガス・オフィシナリス(学名)/マツバウド/スパロウグラス/オランダキジカクシ/コモンアスパラガス/ガーデンアスパラガス
日照
戸外の直射日光下。
水やり
土の表面が乾けば与える。
肥料
3月、6月、9月に、固形肥料の置き肥。
植え付け
2月中旬~3月下旬か、10月上旬~11月中旬(春のほうがよい)、株間30~60cm。
【補足】太い根に養分を蓄えているので、なるべく切らない。
整姿
草丈が高い上に枝垂れるので、支柱を立てて固定する。
繁殖
【株分け】植え替えと同時期(株分けすると、その後一年ほど収穫できない)。
【タネまき】2月下旬~5月上旬。(一晩水に浸けてからまく。発芽まで二~三週間かかる。)
耐暑性
強い。
耐寒性
とても強い(-30℃)。
解説
- 日本に伝来したのは明治時代のこと。株姿が繊細で美しいため、観賞用として伝わったらしい。グリーンアスパラガスと紫アスパラガスがあり、育て方は同じ。代表的なのは、グリーンアスパラガスの「メリーワシントン500W」という品種。
- 雌雄異株である。どちらかというと、雄株のほうが勢いが強く、収穫量も多い。しかし、外見では見分けられないので、花が咲くまで待つ。(早ければ二年目に咲く。)雄株は雄しべが目立つ雄花を咲かせ、雌株は雌しべと子房が目立つ雌花を咲かせる。雌株は、花後に小さな丸い果実を付け、秋に赤く熟すので、観賞用によい。なお、果実は食用にならない。
- 葉のように見える部分は、「仮葉(偽葉)」や「葉状茎」などと呼ばれ、茎が変化したものである。
注意点・病害虫
- アスパラガスは、新芽を利用する野菜である。しかし一般に、植物は、新芽を失うと著しく消耗し、ひどいと枯死することもあるので、とりすぎに注意したい。特に、植え付け後1年目、あるいは株分け後1年目の株は、根の貯蔵養分が著しく減っており、新芽を採られてしまうと、翌年用の養分をろくに作れず、非常に弱る。
- 若い株は、数本の茎をとったら、その年の収穫を終了し、株作りに努める。タネまき後3年以上経過した成株でも、5月に収穫を停止し、翌年用の体力を付けさせたほうがよい。欲張ると翌年の収量にひびく。
- その年に最初に伸びた茎の太さを覚えておき、目に見えて細い茎が出てきたら、収穫を止める。
- 地植えにして、良い環境で育てれば、春と夏の二回、収穫が可能。その場合は、春の収穫を早めに打ち切って、初夏の間に、株をよく茂らせる。なお、春に伸びる新芽は「春芽」、初夏~初秋に伸びる芽は「夏芽」と呼ばれる。
- タネから育た場合、3年目から収穫できる。一度植えれば、7~10年間、植え替えずに収穫し続けることができる。(ただし、5年目以降、収量が徐々に落ちる。)
- 太く長い根に養分を蓄えているので、植え付け・植え替え時も切ってはいけない。なお、この根は非常に強く、窮屈な鉢に植えると、内側から割られることがある。
- 酸性の土を嫌うので、石灰を散布してから植え付ける。
- かなり大きく育つうえ、根がかなり深く張るので、地植えにしたほうがよい。鉢植えなら、最低でも10号以上の鉢に一株とする。
- 耐寒性が強く、冷涼な気候を好むため、主な生産地は東北以北や中部高冷地である。耐暑性も強いので暖地でも育つが、茎枯病が出やすいので注意。
- 茎枯病は、梅雨時~初秋にかけて発生しやすい。茎に縦長の褐色病斑ができて拡大し、茎を一周すると、病斑より上部が枯れる。次々に茎が枯れるうえ、根腐れを併発するため、とても被害が大きい。ダコニール、トップジンM、ベンレートが効果ありだが、清潔な土で育て、雨に当てないことが最大の予防策。
- ウイルス病に感染するらしいが、見ての通り葉が退化しているため、萎縮・モザイク斑といった典型的症状は出にくいと思われる。
- 除草剤に弱いので注意。
収穫・利用
- 新芽が20~25cmになったら、根元から切って収穫する。収穫後は、急速に鮮度が落ちるので早めに食べる。
- 新芽に覆いをかぶせ、遮光しながら育てると、ホワイトアスパラができる。なお、アスパラガスには「グリーンアスパラガス」と「紫アスパラガス」はあるが、「ホワイトアスパラガス」という系統は無い。
(※データ:大阪市基準)