トウモロコシ
イメージ
原産地
アメリカ~メキシコ
科
イネ科
高さ
150~200cm
花期
7月
形態
春まき一年草
収穫期
7~8月
別名等
ゼア・マイス(学名)/玉蜀黍/コーン/マイズ/トウキビ/スイートコーン/シュガーコーン/インディアンコーン/オーナメンタルマイズ
日照
4月下旬~8月中旬の生育期は、戸外の直射日光下。
水やり
生育期は、土の表面が乾けば与える(果実肥大中の水切れは厳禁)。
肥料
春の元肥の他、草丈30~50cmになった頃、雄花が咲いた頃、雌花が咲いた頃に、固形肥料の置き肥。
【補足】吸肥力が非常に強いので、生育が悪ければさらに追肥し、肥料不足にしない。
植え付け
4月下旬~5月下旬(根を傷めない)、株間30~40cm。
整姿
【仕立て方】生育初期に地際から発生する腋芽は全てかき取り、一本立ちにするが、生育中期以降に発生した腋芽は放置する。(とはいえ、生育初期の腋芽かきも、必須の作業ではない。)
一番上の雌花が結実して収穫できるまでの間、腋芽に付いた雌花は摘み取り、養分を分散させない。追肥するたびに、周囲の表土を軽く耕し、株元に土寄せする。
繁殖
【タネまき】3月上旬~5月中旬(低温期は加温する)。
耐暑性
とても強い。
耐寒性
とても弱い。
解説
- トウモロコシは、果実・種子の利用方法によって、スイート種(甘味種)、ソフト種(軟粒種)、デント種(馬歯種)、フリント種(硬粒種)、ポップ種(爆裂種)、ワキシー種(もち種)のように、複数の系統に分かれる。野菜として一般的なのは、未熟な種子の甘味を楽しむスイート種である。その他の系統は、加工食品や家畜の飼料として使われる。
- 粒の色は、おなじみの黄色のほか、白、バイカラー(黄色と白)などがある。
- 主な品種は、黄粒種なら「キャンベラ90」「ゴールデンクロスバンタム70」「ハニーバンタム」、白粒種なら「シルバーコーン」、バイカラー種なら「ピーターコーン」などがある。ポップ種は、ポップコーン専用種で、黄褐色の粒が入る「イエローポップ」「ホワイトポップ」などがある。
- 茎の頂部にある穂が雄花で、それより下の葉腋に雌花が出てくる。雌花は、白い毛のような花柱(雌しべ)を伸ばし、上から降りかかる花粉を受け取る。なお、普通は、株一本につき一果だけを収穫し、残りはヤングコーンにして利用する。
- 観賞用のトウモロコシ(ハナモロコシ)は、食用種に比べ、粒の色もさまざまである。こちらは食用ではないので、株一本につき一果に制限する必要はない。
- 観賞用トウモロコシとしては、他に、葉に縞斑の入る品種がある。が、日本で流通しているのかは不明。
注意点・病害虫
- 非常に大型に育つうえ、水・肥料の要求量がすさまじいため、明らかに地植え向きである。10号鉢や65cmプランターでは、窮屈すぎる上に水切れや肥料切れを起こしやすく、ろくに収穫できない。小さめのトウモロコシでもよいのなら、野菜用の大型プランターや15号くらいの大鉢を使う。植え付けるのは一株だけが望ましいが、二株でも何とか収穫可能。
- 酸性土壌にも耐えるが、本来は弱酸性~中性~弱アルカリ性の土を好む。石灰を散布してから植え付けたほうが無難。
- 自家結実では実入りが悪くなり、歯抜け状になりがちなので、二株以上を同時に育てる。同時に育てる株が多いほど、たくさんの実が入る。ただし、違う品種同士を近くで育てると、勝手に交雑し、粒の色がおかしくなったり、食味が悪くなったりする。(「キセニア現象」という。)
- タネまきが遅れたときも実入りが悪くなるため、適期を外さない。なお、タネまき後~発芽するまでの間は、鳥にほじられることがあるので注意する。
- 5~7月頃、茎や葉鞘(葉の基部の、茎を抱いている部分)に倒伏細菌病が発生し、文字通り、株が倒れて枯死することがある。治療できないうえ、種子伝染するので、出所不明な怪しいタネをまかない。
- 雌花穂または茎葉に、不気味な白っぽいコブができるのは、黒穂病の被害である。コブが破れると黒い胞子が飛び散るので、その前に発病部位を取り除く。バイレトンが効果あり。また、ごま葉枯病にかかると、葉に、淡褐色をした縦長の小斑点が多数できる。こちらはスポルタック、トリフミンなどを散布する。
- 害虫は、アワノメイガが穂の中に入り込むので要注意。また、ヒメトビウンカが付くと、ウイルス病を媒介される。その他、収穫期にカラスの害にあいやすい。
収穫・利用
- 開花後三週間ほど経ち、毛が濃茶色になったら収穫適期。先端の皮を少しむき、粒が充実しているかを確かめる。ヤングコーンが欲しいときは、もっと早く収穫するが、この場合は、株の下方に付いた、小さな雌花を利用する。
- 収穫後、急速に鮮度が落ちるので、保存などせず、すぐに食べる。とれたては、時間の経った市販品とは味が違う。
- イネ科植物なので、収穫後の株を細かく刻んで土にすき込めば緑肥になり、土が肥える。ただし、病気の発生した株はすき込んではいけない。
- 観賞用トウモロコシは、果実が長さ10~15cmになったら収穫して皮をむき、乾燥させてから飾る。
余談
- 果実の毛の煎じ液は、民間薬の世界で「南蛮毛」と呼ばれる。利尿作用があり、胆石に効果があるらしい。
(※データ:大阪市基準)