エンドウ/豆苗
イメージ
原産地
中央アジア~中東・地中海沿岸
科
マメ科
高さ
1.5~2m(つる性)
花期
3~6月
形態
一年草
収穫期
【エンドウ】3~6月、【豆苗】2~6月・10~12月
別名等
ピスム・サティブム変種サティブム(学名)/豌豆/エンドウマメ/ピー/スノーピー/コモンピー/ガーデンピー
絹さやエンドウ/成金マメ(いずれもサティブム変種マクロカルポン)
日照
10月中旬~6月上旬の生育期は、戸外の直射日光下(越冬中は霜除けする)。
水やり
生育期は、土の表面が乾けば与える。
肥料
【エンドウ】秋の元肥の他、2~4月に、固形肥料の置き肥。
【豆苗】7~10日に一度、2000倍以上に薄めた、ごく薄い液肥を施す。
【補足】マメ科植物なので、窒素(N)は控える。多肥にすると「つるぼけ」を起こし、収穫量が減る。
植え付け
【エンドウ】2月下旬~4月上旬か、10月下旬~11月下旬、株間15~40cm。
【補足】移植を嫌うので、根を傷めない。豆苗は必ず直まきするため、植え付け作業はない。
整姿
【エンドウ】タネまきで作った苗は、2~3本を一組として育てる。早春からつるが伸びるので、支柱を立てて誘引する。
【補足】豆苗は間引きや誘引などを一切行わず、密植で育てる。
繁殖
【タネまき】一晩水に浸けてからまく。
エンドウ…2月下旬~4月上旬か、10月下旬~12月上旬(寒地以外は秋まきする)。
豆苗…2~5月か、9~11月(室内なら真冬でもタネまきできる)。
耐暑性
弱い。
耐寒性
わりと強いが、霜除けする。
解説
- エンドウには、下の三系統がある。また、つるが伸びる「つるあり種」と、つるが伸びない矮性の「つるなし種」に分かれており、つるあり種のほうが一般的。花色は、白花と紅色花がある。
- サヤエンドウ…未熟なサヤを食べる。
- 実エンドウ…サヤの中のマメを食べる。
- スナップエンドウ…サヤとマメの両方を食べる。春まきも可能。
- エンドウの主な品種は、サヤエンドウが「赤花絹さや」「兵庫絹さや」「仏国絹さや」、実エンドウが「うすい」「グリーンピース」、スナップエンドウが「スナックエンドウ」である。なお、絹さや系は、伊豆半島周辺で栽培が盛ん。
- 最近人気の、「ツタンカーメンのエンドウマメ」と呼ばれるものは、有名なツタンカーメン王の墓から発掘された、古代のエンドウマメの子孫である。実エンドウの一種で、花もサヤも赤紫色をしているのが特徴。近くで他種のエンドウを栽培していると交雑し、雑駁化するので注意する。
- 鹿児島には、在来の「雷エンドウ」があり、これは花とサヤが濃紅色をした特異な品種である。マメを煮ると赤く変色するという。
- 「豆苗(トウミョウ)」とは、エンドウの若芽のことをいう。一般的には、エンドウのタネを小型の容器に密にまき、モヤシ状に育てたものを「豆苗」と称する。スーパーなどで市販されている「豆苗」も、そのような幼苗ばかりである。マメよりも栄養価が高い。
- 豆苗は、どのエンドウでも作れるが、サヤエンドウが最も適している。豆苗専用の品種もあるが、市販されていないようである。
注意点・病害虫
- エンドウは、草丈によって耐寒性が変わり、本葉2~3枚の頃が最も強い。これより大きくても小さくても、耐寒性が弱くなる(半耐寒性になる)ので、タネまきの時期に注意する。特に、まいた年が暖冬になると、最も気温の低い1月頃に、かなり大きく育ってしまう。気象予報を見ながら適期を見極めるが、失敗して、真冬に大きく育ってしまっても、不織布などで覆って防寒していれば、特に問題はない。
- 酸性土を嫌う。植え付け前には必ず石灰散布を。
- 8号鉢に一株、65cmプランターなら三株植えることができる。
- 連作を避け、新しい清潔な土で育てれば、あまり病気にならないが、うどんこ病には注意。また、多肥や多湿になると、地際部分につる枯細菌病が発生し、株全体が枯死する。これは種子伝染するので、出所不明な怪しいタネをまかない。
- 害虫は、アブラムシとマメハモグリバエが多発する。が、マメハモグリバエは予防・駆除が難しいので、あまり気にしなくてよい。その他、タネまき後から発芽し始める頃までの間は、鳥害にあいやすい。
収穫・利用
- サヤエンドウで収穫が遅れたものは、そのまま肥大させ、実エンドウとして利用するとよい。
- 豆苗の場合、若い芽先だけを摘み取り収穫し、そのたびに液肥を施せば、数回収穫できる。市販の豆苗も同様にして再利用を。(市販品は、水耕栽培ものが多いので、イチゴパックなどにそのまま入れ、2,000倍以上に薄めた液肥を与えるか、いっそ、クレイボールなどに植える。窓際に置き、柔らかな日光に当てるのを忘れずに。下葉を数枚ずつ残しながら、芽先を摘み取り続ければ、2~3回利用できる。)
(※データ:大阪市基準)