カボチャ
イメージ
原産地
南北アメリカ
科
ウリ科
高さ
3~8m(つる性)
花期
6~9月
形態
春まき一年草
収穫期
7~10月
別名等
ククルビタ(属名)/南瓜/南蛮瓜
オモチャカボチャ/玩具南瓜/カザリカボチャ/飾南瓜/オーナメンタルゴード(いずれも観賞専用種)
(※各種の和名・異名はページの一番下にまとめた)
日照
4月下旬~9月上旬の生育期は、戸外の直射日光下。
水やり
生育期は、土の表面が乾けば与える(水切れは厳禁)。
【補足】収穫7~10日前から水やりを控えると、果実の糖度が増し、裂果も防げる。
肥料
春の元肥の他、本葉4~5枚の頃と、一番果(一番最初の果実)が直径5~8cmの頃に、固形肥料の置き肥(その後も、10~14日に一度追肥する)。
【補足】窒素(N)が多いと「つるぼけ」を起こし、収穫量が減る。
植え付け
4月下旬~6月上旬、株間80~100cm(ペポカボチャは株間60~80cm、オモチャカボチャは観賞専用なので50cmくらいでもよい)。
【補足】移植を嫌うので、根鉢を崩さない。
整姿
普通は広範囲にわたって地面をマルチングし、その上につるを這わせるが、支柱を立てて縦方向に誘引してもよい。
【仕立て方】親づるが長さ40cm(本葉5~7枚)になったら摘芯し、その後発生した子づるを2~3本に制限する。東洋種以外の系統は、親づるを摘芯しなくても育つが、その場合、つるの本数を、親づる・子づる合わせて3~4本に制限する。
オモチャカボチャの場合、つるを地面に這わせると果実の形や色が不揃いになるので、なるべく支柱に誘引する。
【摘果】小果品種(ペポカボチャなど)を除き、一株の収穫量は2~3個に制限する。
繁殖
【タネまき】4月上旬~5月中旬。(一晩水に浸けてからまく。遅まきすると、ウイルス病の被害を受けやすい。低温期は加温しながらまく。)
耐暑性
とても強い。
耐寒性
とても弱い(最低15℃)。
解説
- 夏野菜の中では、最も丈夫で育てやすく、上手に栽培すれば、無農薬栽培も可能。タネからの苗作りも簡単なのでおすすめ。
- 東洋種、西洋種、ペポカボチャの三系統に分かれ、よく栽培されるのは西洋種である。いずれの系統も、品種によって、果実の色や形は変化に富む。
- 東洋種は「日本カボチャ」ともいう。近年は西洋種に押され、栽培面積が減っているらしい。主な品種は、「黒皮」「菊座」「鹿ヶ谷」「はやと」「縮緬」など。「黒皮」系は宮崎県での栽培が多い。
- 宮崎県では他に、果実がヘチマ型で、首の部分が湾曲する「鶴首カボチャ」や、果実がヘチマ型をした「夕顔カボチャ」なども作られている。これらも日本カボチャの一種。
- 「鹿ヶ谷」は京野菜の一種で、果実がヒョウタン型をした面白い品種。やや性質が弱い。石垣島の「島カボチャ」も、果実が細長い下ぶくれで、微妙なヒョウタン型をしている。
- 西洋種は、ホクホクした食感と甘味があり、「栗カボチャ」とも呼ばれる。主な品種は、「赤ずきん」「えびす」「栗みやこ」「メルヘン」「雪化粧」など。このうち、スーパーなどでよく見かけるのは「えびす」である。なお、「赤ずきん」は、果実の表面が朱色、「雪化粧」は灰白色をしている。
- 真っ赤な果皮で人気の「打木赤皮甘栗」も、西洋系の地方品種(加賀野菜)である。
- ペポカボチャは、果実に面白い特徴を持つ品種が多い。観賞専用のオモチャカボチャを筆頭に、ソウメンカボチャ(金糸瓜)や「アラジン」「プッチィーニ」などが有名。ソウメンカボチャは、名前の通り、ゆでると果肉が素麺状になる。「アラジン」は、果実がUFO型をした面白い品種。「プッチィーニ」は、果実は小さいが、多果性で収穫量が多い。
- 果実がキュウリに似ているズッキーニも、ペポカボチャの一種である。つるは伸びない。別ページにて解説済み。
注意点・病害虫
- 特に整姿をせずに放任しても、それなりに収穫できる。もちろん、きちんと整姿しながら育てたほうが、はるかに収量が多い。
- ウリ科野菜としては珍しく、連作に強い。
- 10号鉢に一株、65cmプランターに二株植えられるが、可能な限り大きな容器を使わないと、収穫量にひびく。オモチャカボチャは観賞専用なので、7~8号鉢でも作れる。あんどん仕立てにするとよい。
- 病虫害も少ない。病気は、時折、うどんこ病にかかる程度。害虫は、ウリハムシやネコブセンチュウが付く。アブラムシはウイルスを媒介するので、早期の駆除を心がける。
収穫・利用
- 品種によって異なるが、開花後30~45日で収穫できる。(小果の品種では、開花後4~5日で若どりするものもある。)果実が熟してくると、果梗(ヘタの部分)がコルク化してひび割れたり、果実の表面に粉を吹いたりする。
- カボチャは、収穫後すぐに食べる野菜ではない。市販のカボチャは、収穫後、風通しのよい明るい日陰に1~2週間ほど置き、糖度を上げてから出荷される。なお、あまり長く置きすぎると水っぽくなる。いくら長期保存できる野菜とはいえ、1~2ヵ月を限度に。
- タネも、皮をむいて食用にできる。炒ると香ばしい。
余談
- カンボジアを経由して日本に渡来したため、それが訛って「カボチャ」と呼ばれるようになったらしい。(ただし、このとき渡来したのは東洋種のみ。)なじみ深い緑黄色野菜だけに、日本全国に数多くの地方名がある。
各種の和名・異名
- ペポカボチャ/ポンキン/サマーパンプキン/サマースカッシュ/オータムパンプキン/オータムスカッシュ/ベジタブルマロウ/ベジタブルスパッゲティ(いずれもペポ)(※学名と和名が同一)
- セイヨウカボチャ/西洋南瓜/クリカボチャ/栗南瓜/ナタワレカボチャ/刀割南瓜/北瓜/ジャイアントパンプキン/オータムパンプキン/オータムスカッシュ/ウィンターパンプキン/ウィンタースカッシュ(いずれもマキシマ)
- ニホンカボチャ/日本南瓜/ナンキン/南瓜/トウナス/唐茄子/ボウブラ/パンプキン/ウィンタースカッシュ(いずれもモスカタ)
(※データ:大阪市基準)