いろんな植物の育て方や知識をご紹介。

素人園芸解説 -私はこう育てる-

マクワウリ/メロン

イメージ

原産地

南アジア・中東・アフリカ

ウリ科

高さ

3~6m(つる性)

花期

7~8月

形態

春まき一年草

収穫期

7~8月

別名等

ククミス・メロ亜種メロ(学名)


スイートメロン/網メロン(いずれもネットメロン)
真桑瓜/アジウリ/マッカウリ/オリエンタルスイートメロン(いずれもマクワウリ)

日照

5月上旬~8月下旬の生育期は、戸外の直射日光下(酷暑期は西日を避けたほうがよい)。

水やり

生育期は、土の表面が乾けば与える(根が浅いので、水切れは厳禁)。

【補足】病気や裂果の原因となるので、雨に当てない。収穫10日前から水やりを控えると、果実の糖度が増し、裂果も防げる(ただし、乾かしすぎに注意)。

肥料

春の元肥の他、一番果(一番最初の果実)が直径5~6cmになった頃~8月上旬に、固形肥料の置き肥。

【補足】多肥にすると「つるぼけ」を起こし、収穫量が減ったり、果実の品質が悪くなったりする。

植え付け

4月下旬~5月下旬、株間75~90cm。

【補足】移植を嫌うので、根鉢を崩さない。

整姿

普通は地面をマルチングし、その上につるを這わせるが、支柱を立てて縦方向に誘引してもよい。


【大玉種の仕立て方】親づるが本葉4~5枚のときに摘芯し、その後に発生した子づるは、勢いのよいものを2~3本残して、他を摘み取る。その子づるは、葉15~25枚くらいで摘芯する。
子づるの基部から1~9節目までに出た孫づるは全て摘み取り、10~15節目から伸びた孫づるに開花結実させる。それより後の節から伸びた孫づるは、葉2枚で摘芯する。
孫づるに雌花が咲いたら、それより先にある2枚の葉を残して摘芯する。


【小玉種・マクワウリ】子づるの基部から1~4節目までに出た孫づるは全て摘み取り、5~13節目から伸びた孫づるに開花結実させる。それ以外の仕立て方は。大玉種と同様。


【摘果】果実が5cmほどになったら、つる一本につき実1個(小玉種やマクワウリは3~4個)に制限する。摘果の際は、果実の形をよく見て、やや縦長に見える果実を残す。

繁殖

【タネまき】4月上旬~5月上旬。(一晩水に浸してからまく。低温期は加温する。)

耐暑性

わりと強い。

耐寒性

とても弱い(最低15℃)。

解説

  1. メロンとマクワウリは、同じ仲間の植物。メロンは変種が多く、マクワウリも、そうした変種のうちの一つである。
  2. メロンで育てやすいのは、何といってもプリンスメロンである。網目模様のあるネットメロンは性質が弱く、良い果実を得るのが難しいため、プリンスメロンやマクワウリで経験を積んでから挑戦したい。
  3. マクワウリは、弥生時代に渡来したと言われ、歴史が古い。最近は、流通の関係で「○○メロン」などと名付けられることが多いが、実際はメロンほど甘くない。ちなみに「真桑」とは、昔、岐阜県本巣市にあった村の名前。(つまり、地方野菜の一種である。)主な品種に、「甘露」「金俵」「鶴の子」「別珍ウリ」「甫立メロン」「眞渡ウリ」などがある。

注意点・病害虫

  1. 9~10号鉢に一株とする。65cmプランターなら二株植えられるが、なるべく大きな容器を使う。
  2. 連作したり、用土が不潔だったりすると、つる割病や、えそ斑点病(ウイルス病の一種)が発生する。また、雨に当たると、斑点細菌病も発生する。うどんこ病やつる枯病、べと病にも弱い。できれば、耐病性のある接ぎ木苗(カボチャ台)を育てたい。
  3. マクワウリの果実が未熟なまま、内部が発酵して食べられなくなることがある。(「発酵果」という。)カルシウム欠乏症状の一種らしい。
  4. アブラムシはウイルスを媒介するので、見つけ次第駆除する。ウリハムシやネコブセンチュウにも注意。

収穫・利用

  1. メロンは開花後40~50日、マクワウリは35~40日で収穫できる。果梗(果実の付け根部分)の毛がなくなり、かすかに香りがしてきたら収穫適期。
  2. マクワウリの果実は甘味が少なめなので、いっそ漬物にしてもよい。なお、メロンの未熟果も漬物にできる。

(※データ:大阪市基準)