いろんな植物の育て方や知識をご紹介。

素人園芸解説 -私はこう育てる-

からし菜/高菜/マスタード

イメージ

原産地

中央アジア~ヒマラヤ・中国・南ヨーロッパ

アブラナ科

高さ

60~100cm

花期

3~6月

形態

一年草

収穫期

【葉・茎】11~6月、【タネ】6~7月

別名等

ブラッシカ・ジュンセア(学名)


芥子菜/辛子菜/インディアンマスタード/グリーンマスタード/オリエンタルマスタード(カラシナ)
瘤高菜/チャイニーズマスタード(コブタカナ)
清国青菜(山形青菜)
雪菜/セリホン(いずれもセリフォン)
黒ガラシ(ブラックマスタード)
セイヨウカラシナ/西洋芥子菜/西洋辛子菜/白ガラシ/洋ガラシ/ノラガラシ/リーフマスタード/ホワイトマスタード/ブラウンマスタード(いずれもマスタード)

日照

9月中旬~6月下旬の生育期は、戸外の直射日光下。

【補足】耐陰性があり、少しの日陰なら耐える。

水やり

生育期は、土の表面が乾けば与える(水切れすると葉が硬くなる)。

肥料

生育期に、7~10日に一度の液肥、または固形肥料の置き肥。

植え付け

3月上旬~4月上旬か、9月下旬~11月中旬、株間15~40cm。

【補足】秋まきなら、早めに間引きをし、株間を大きくとれば、かなりの大株を期待できる。

整姿

特に無し。

繁殖

【タネまき】3月上旬~5月上旬か、9月上旬~11月上旬(秋まきがよい)。

耐暑性

弱い。

耐寒性

とても強いが、防寒しないと傷む。

解説

  1. この仲間は、葉が緑色をした「緑葉種」と、赤紫色になる「赤葉種」がある。葉の形状は、のっぺりした扁平なもの、表面がちりめん状に縮れるもの、深い切れ込みが入るもの、などいろいろ。
  2. 大雑把に言って、からし菜とマスタードは、葉を漬物や料理に利用する他、タネを粉末にして芥子粉や芥子油をつくる野菜である。一方、高菜は、葉を漬物にするための野菜、いわゆる「漬け菜」である。また、からし菜は東日本、高菜は西日本が主な産地となっている。
  3. からし菜の仲間で、中国野菜として知られるセリフォンも、同様に扱える。からし菜の変種であるザーサイは、茎が太く肥大するのが特徴。漬物として非常に有名だが、自分で育てれば、葉も美味しく食べられる。やや大型の野菜なので、生育期間が長い。
  4. 高菜も、からし菜の変種である。九州でよく作られるが、関東や東海にも地方品種が多数存在する。高菜漬で有名。最も一般的な品種は、福岡の「三池高菜」である。長崎県雲仙の「こぶ高菜」は、元は中国野菜で、名前の通り、葉軸の中央部がこぶ状に膨らむ。いずれも漬物に最適。
  5. その他、高菜の仲間で、東北地方~関東地方北部で栽培されるバショウナ(芭蕉菜)も、扱いは同じである。
  6. マスタードは、「西洋からし菜」とも言われるように、ヨーロッパで改良が進んだ系統。元々の原種はヨーロッパ原産の「白ガラシ」である。現在は日本をはじめ、世界各地に広く帰化している。

注意点・病害虫

  1. いずれも、冬の寒さや霜にあわせると、葉の風味がよくなるので、秋まきが適する。春まき株は、すぐにトウ立ちするので、根ごと引き抜いて収穫する。
  2. 酸性土壌を嫌うので、植え付け前に、石灰をきちんと施しておく。
  3. 葉が辛くても、害虫は普通に発生する。アオムシやアブラムシ、コナガ、コナジラミ、ナノクロムシ、ヨトウムシなどの被害を受ける。

収穫・利用

  1. 草丈20cmになったら収穫開始。外葉からかき採り収穫するとよい。春になるとトウ立ちするが、花茎も食用になる。高菜はトウ立ちが遅め。
  2. この仲間のタネでモヤシを作ると、辛味のあるモヤシができる。

(※データ:大阪市基準)