ニンジン
イメージ
原産地
アフガニスタン・中央アジア
科
セリ科
高さ
20~100cm
花期
6~7月
形態
一年草
収穫期
10~7月
別名等
ダウクス・カロタ変種サティブス(学名)/人参/キャロット/コラフク
ノラニンジン/クイーンアンズレース(いずれもカロタ)
京ニンジン(「金時ニンジン」の別名)
日照
生育期は、戸外の直射日光下(酷暑期は西日を避ける)。
水やり
生育期は、土の表面が乾けば与える(水切れは厳禁)。
肥料
元肥の他、本葉5~6枚の頃に、固形肥料の置き肥。(生育期間中に、週に一度の液肥を与えるだけでもよい。)
【補足】追肥は、カリ(K)を主体に施す。土中に元肥を入れると又根になりやすいため、発芽後に置き肥する。
植え付け
3月下旬~5月上旬か、7月下旬~9月下旬、株間10~15cm(三寸系やミニ系は、株間5~8cm)。
【補足】普通は移植しないが、もし必要なら、根鉢を崩さないように行う。
整姿
初期生育が遅いので、間引きを急がない。(ただし、他の株より生育が旺盛すぎる株があれば、又根になっていることが多いため、間引く。)根部が肥大し始めたら、株元に土寄せし、露出させない。
繁殖
【タネまき】3月中旬~5月上旬か、7月下旬~9月上旬。(好光性のため、覆土は薄く。発芽率が悪いので、多めにまく。根部の長い種類ほど、早まきを心がける。)
耐暑性
わりと強い。
耐寒性
強いが、防寒する。
解説
- カロテンやビタミンAの豊富な緑黄色野菜。アジア系(東洋系)品種とヨーロッパ系(西洋系)品種があり、生産量が多いのは後者である。前者は、おせち料理に使われる「金時ニンジン」くらいしか見かけない。
- 根の形は、細長いものだけでなく、丸型もある。根の色は、一般的な橙色の他、黄色や赤色の品種がある。
- 根の長さによって、長根種と短根種に分かれる。生産量が多いのは、短根種の五寸ニンジンである。
- 品種は結構多い。短根種では「黒田五寸」「向陽二号」「新黒田五寸」「春蒔金港五寸」「陽明五寸」などの五寸ニンジンの他、三寸ニンジンや四寸ニンジンなどがある。また、ミニニンジンには「ピッコロ」「ベビーキャロット」「メヌエット」などが、長根種には「国分鮮紅大長」「滝野川」「本紅金時」などがある。
- 沖縄南部の「島ニンジン」は、東洋系の細長いニンジンで、表面は鮮やかな黄色をしている。産地が産地だけに耐暑性が強い。
- ニンジンの野生種であるノラニンジンは、食用には適さないものの、タネから精油が採れる。滋養強壮に効くという。
注意点・病害虫
- 五寸ニンジン系品種のタネを夏にまき、秋~冬に収穫するのが一般的。寒さには強いので、やろうと思えば、晩秋までタネまき可能だが、根の色が悪くなったり、生育不良を起こしたりする。
- 春まきはトウ立ちが早いので、収穫が遅れないようにする。春まきには、三寸ニンジン系品種が向く。金時系はトウ立ちが早いので、春まき不可。
- タネの寿命は短い。古いタネを買わないよう注意する。
- 初期生育が遅いので、雑草に負けないよう、草むしりをしっかり行う。
- 生育初期は密植気味のほうがよく育つため、間引きを急がない。本葉が2~3枚になったら間引き開始。
- コンテナで栽培するなら、根が深く伸びない、三寸ニンジンやミニニンジン系の品種が適する。
- 酸性土を嫌う。植え付け前に石灰を施しておく。
- 土の中に石やゴミ、未熟な堆肥などが混入していると、又根になってしまうことがある。また、まいたタネが古いと又根の発生率が上がるらしい。
- 土寄せを怠ると、根の上部に日光が当たって緑色になるが、ジャガイモとは違い、毒性は無い。
- 黒葉枯病にかかると、茎葉や花梗などに黒褐色の斑点が多数できて枯れ込む。サンボルドーやダコニール1000、ポリオキシンALなどが効果ありだが、タネをまく前に、土をオーソサイドなどで消毒しておくと予防になる。他に、軟腐病、うどんこ病に注意。ウイルス病にもかかる。
- 害虫は、キアゲハの幼虫やネコブセンチュウが発生する。
収穫・利用
- 収穫が遅れると、内部に「す」が入り、品質が悪くなる。さらに放置すると、根にヒビが入り(裂根)、食用に適さなくなる。
- ニンジンの葉は、ハニンジン、ニンジンナなどと呼び、食用にする。もちろん、間引き菜もおいしい。
(※データ:大阪市基準)