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素人園芸解説 -私はこう育てる-

陸ワサビ

イメージ

原産地

日本(沖縄除く)

アブラナ科

高さ

20~30cm

花期

3~5月

形態

多年草

収穫期

【茎・葉】10~5月、【花・つぼみ】3~5月、【根】3~7月

別名等

ワサビア・ジャポニカ(学名)/エウトレマ・ジャポニカ(異名)/ワサビ/山葵


ユリワサビ/百合山葵/ハナワサビ/花ワサビ(いずれもテヌイス)
オカワサビ/陸山葵/ハタワサビ/畑ワサビ/畑山葵(いずれも「陸ワサビ」)
サワワサビ/沢山葵/ミズワサビ/水山葵/本ワサビ/サビナ/センノ/フスベ/ハワサビ(いずれも「沢ワサビ」)

日照

西日を避けた戸外の直射日光下(6月上旬~9月中旬は60~80%遮光)。

水やり

土の表面が乾けば与える(水切れは厳禁)。

【補足】水切れに弱いが、高温時の根の蒸れも致命的で、夏場の水加減が難しい。

肥料

2月と10月に、固形肥料の置き肥。

植え付け

2月上旬~4月下旬か、10月上旬~11月中旬(普通は秋に行う)、株間20~25cm。

整姿

株元をマルチングし、地温の上昇と乾燥から守る。雑草に負けやすいので、きちんと除草する。

繁殖

【分根(株分け)】植え替えと同時期。

【タネまき】4月か、9~10月。

耐暑性

とても弱い。

耐寒性

強い(-20℃)。

解説

  1. ワサビは日本特産の香辛野菜である。栽培方法によって、湧水で育てる「沢ワサビ」と、普通の畑で育てる「陸ワサビ」に分かれるが、同一の種類らしい。
  2. 一般には、沢ワサビの方がよく知られている。冷たく清浄な渓流水を好み、平地では栽培が難しい。ここで取り上げているのは陸ワサビのほう。ただし、陸ワサビも、やはり耐暑性が無く、お世辞にも育てやすいとはいえない。
  3. 近縁種のユリワサビは、葉柄の基部に百合根のような物体ができるためにこの名がある。ワサビより小型だが、代用品として用いられる。

注意点・病害虫

  1. 沢ワサビを育てるには、きれいな湧水が必要不可欠で、しかも、水温8~17℃が適温である。従って、平地での栽培はまず無理。
  2. 陸ワサビも、耐乾性・耐暑性が強いとはいえず、生育適温は20℃以下。真夏は必ず遮光し、地際をマルチングして、高温と乾燥から守る。耐寒性は強い。
  3. 太い根茎を持つため、地植えが適する。鉢植えにする場合は、なるべく大きな鉢を使う。
  4. 根茎を植え付け後、一~二年目は、株を大きく育てるのに専念し、三年目に株ごと収穫する。もっとも、平地ではなかなか根茎が太らない。
  5. アブラナ科植物なので、アオムシ、コナガ、コナジラミ、スリップスなどの被害にあいやすい。真夏に食害されると枯死の危険があるので、早めに駆除する。

収穫・利用

  1. 根茎は、すり下ろしてから使う。花やつぼみも食用になる。なお、風味は、陸ワサビより、沢ワサビのほうが良いとされる。

余談

  1. よく知られているように、ワサビの茎葉は、粉ワサビの原料である。しかし最近は、「西洋ワサビ」と呼ばれるホースラディッシュに取って代わられている。ホースラディッシュについては別ページで解説済み。やや耐暑性がある。

(※データ:大阪市基準)