タマネギ
イメージ
原産地
中央アジア
科
ヒガンバナ科(またはネギ科・ユリ科)
高さ
50~100cm
花期
5~6月
形態
秋まき一年草または秋植え球根
収穫期
【鱗茎】5~6月、【ぺコロス】12~4月
別名等
アリウム・セパ(学名)/玉葱/ヨウネギ/洋葱/オニオン
日照
9月上旬~6月上旬の生育期は、戸外の直射日光下。
水やり
生育期は、土の表面が乾けば与える(水切れすると鱗茎の肥大が悪くなる)。
肥料
定植時の元肥の他、12月、2~3月に、固形肥料の置き肥。
【補足】4月以降も肥料が効いていると、収穫後の日持ちが悪くなる。ただし、ペコロス目的で春まきした場合は、4~5月に置き肥し、一気に育てる。
植え付け
【苗】10月中旬~11月中旬、株間15cm。
【補足】苗の緑色の部分を埋めないよう浅植えする。
タマネギは普通、苗床にタネをまき、育苗してから移植するという方法をとる。(直まきし、そのまま育てるというやり方はしない。)
整姿
根元が露出しないよう、ときどき土寄せする。
繁殖
【タネまき】8月下旬~9月下旬。(品種によってタネまき適期が異なり、時期を間違うくと、早くトウ立ちし、鱗茎が肥大しない。ミニ系品種や、ペコロスが目的なら、3月にもタネまきできる。)
耐暑性
弱い。
耐寒性
とても強い。
解説
- 誰もが知っている野菜である。収穫は、葉が自然に倒れる初夏に行うが、ペコロスとして早春に収穫することもできる。タネからでも意外と簡単に作れる。
- 大きく分けて、甘タマネギと辛タマネギがある。辛タマネギのほうが長く保存できるため、よく栽培される。また、球の色によって、黄タマネギ、赤タマネギ、白タマネギに分かれており、一般的なのは黄タマネギである。
- 黄タマネギの主な品種には、「O・K黄」「O・L黄」「アトン」「貝塚早生」「スーパーリニア」「泉州中高黄」「ソニック」「ターボ」「貴錦」「チャージ」「浜育(はまそだち)」などがある。
- 赤タマネギの品種には、「アーリーレッド」「猩々赤」「湘南レッド」「スターレッド」「ルージュ」「早生湘南レッド」などがある。刺激が少なく生食しやすいが、保存性では黄タマネギに劣る。
- 白タマネギの品種には、「愛知早生白」「杏仁丸」「春いちばん」などがある。赤タマネギよりも、さらに刺激が少なく、サラダなどの生食に向く。保存性はあまり良くない。
- 秋になると、園芸店などで小さなタマネギが売られる。これを植え付けると、年明け頃から収穫が楽しめる。
注意点・病害虫
- 鱗茎が肥大し始めるタイミングは、日照時間と気温に左右される。大きく分けて、長日性の品種(日照が約14時間以上必要)、短日性の品種(約11時間必要)、中日性の品種(両者の中間タイプ)、があり、それぞれ、栽培に適した地域や、タネまきの適期が異なる。品種の選択を間違うと、鱗茎の肥大が悪くなる。
- 夏が涼しい地域では、4月下旬~5月中旬にタネをまき、9月に収穫することが可能。長日性の品種が向く。北海道で特に栽培が盛んである。
- 暖地では秋まきしかできない。間違って長日性品種のタネをまくと、早春以降の気温上昇で、茎葉の生長ばかり促進され(「青立ち」という)、ろくに収穫できない。また、品種の選択が正しくても、タネまきを急ぎすぎると、冬までに大きく育ちすぎて早々にトウ立ちし、やっぱり収穫できない。
- タマネギは、タネを苗床にまいて育苗し、そこから良い苗を選んで定植する、という栽培方法が普通である。しかし、タネを直接まき、間引きながら育てても、特に支障はない。ミニ系品種やペコロス目的の場合は、直接まいて一気に育てたほうがよい。
- タネの寿命が短めなので、採種年月日をよく確認して購入する。
- やや粘土質の土を好むらしいが、それほどこだわらない。ただし、酸性土には弱く、石灰を施すのを忘れない。なお、連作には耐えられる。
- 地植えが一般的だが、大球にこだわらないなら、65cmプランターでも二~三株ほど作れる。ペコロスが目的なら、もっと密植できる。
- 比較的病害が多く、さび病や軟腐病などにかかりやすい。
- 早春以降、根元や鱗茎が腐り、灰褐色のカビが生える灰色腐敗病が出る。ジマンダイセンやダイファー、ダコニール、トップジンM、ベンレート、ロブラールなどで防除する。知らずに放置すると、せっかく収穫した鱗茎が保存中に腐る。
- アブラムシはウイルスを媒介するので、必ず駆除する。また、タマネギバエが発生すると、苗の地下部分が食い荒らされ、腐敗・枯死する。植え付け時に、土にカルホス、ダイアジノンなどを混入しておくと防げる。
- 人間には健康野菜だが、犬猫にとっては致命的な有毒植物である。他のネギ・ニラ類も同様なので、決して与えてはいけない。
収穫・利用
- 5~6月頃、茎葉が黄色くなり、7~8割が倒れたら、収穫適期である。収穫作業は、よく晴れた日に行い、葉の下半分を残したまま、風通しのよい場所で2~3日ほど乾かして保存する。
- 鱗茎の皮から染料がとれるらしい。
(※データ:大阪市基準)