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素人園芸解説 -私はこう育てる-

サツマイモ

イメージ

原産地

メキシコ~ペルー

ヒルガオ科

高さ

2~3m(つる性)

花期

9~11月(咲かないことが多い)

形態

春植え球根

収穫期

9~11月

別名等

イポメア・バタタス(学名)/薩摩芋/甘藷/蕃藷/カライモ/リュウキュウイモ/スイートポテト

日照

4月下旬~11月上旬の生育期は、戸外の直射日光下(きわめて日光を好む)。
休眠期は、日光に当てなくてよい。

水やり

土の表面が乾けば与える(水切れは厳禁)。

肥料

【食用種】元肥のみ(生育中に葉色が悪くったら、固形肥料を置き肥する)。

【観賞用種】5月上旬~10月上旬に、二週間に一度の液肥、または少量の固形肥料を置き肥。

【補足】いずれも、つるぼけしやすいので、窒素(N)は控える。

植え付け

【食用種の苗作り(伏せ込み)】3月下旬~5月上旬。

種イモを植え付け、つるが25~30cm(本葉7~8枚)ほど伸びたら切り取り、それを苗にする。(30℃前後の高温がないと発芽しないので、黒いビニールで土の表面を覆うなどし、保温しながら育てる。)


【食用種の苗の植え付け】5月上旬~7月上旬、深さ3~5cm、株間30~40cm。

一度、水中で水切りをしてから、3~5節が土に埋まるよう、水平~斜めに植える(葉は地表に出す)。


【観賞用種】4月下旬~7月上旬、6号鉢に1株。

深さ3~5cm、地植えは20~30cm間隔。

整姿

普通はつるを地面に這わせるが、広範囲を占領されるので、支柱を立てて縦方向に誘引してもよい。7月までに数回摘芯し、分枝を促す。食用種は、つるが伸び始めたら、あまりつるを動かさない。

繁殖

【挿し芽】5月上旬~9月上旬。

【分球】植え付け時(刃物で切り分ける)。

耐暑性

とても強い。

耐寒性

最低10℃を保つとよい。

解説

  1. イモ類の定番。品種によって糖度や食感が異なり、焼きイモに向くもの、干しイモに向くものなど、用途が分かれている。
  2. イモの表皮の色は、よく知られた濃紅紫色の他、黄褐色や淡褐色などがある。
  3. 主な品種は、「高系14号」「紅赤(金時)」「紅アズマ」「紅ハヤト」などがある。肉色は、黄白色~淡い橙色が一般的だが、「種子島紫」のように、濃赤紫色をした品種(いわゆる「紫イモ」)もある。最近の健康志向により、紫イモの人気が上昇し続けている。
  4. サツマイモには、上記のような食用種の他に、「テラス・ライム」「トリコロール」「ブラッキー」「レインボー」など、美しい葉を観賞する品種もある。観賞用なので、食用種ほど気をつかわなくても育つ。いちおうイモもとれるが、普通は食用にしない。そもそも食用目的で改良された品種ではないため、あまり美味しくないといわれている。
  5. 食用種も、イモを半分に切って水盤に立て、観賞用に水栽培することがある。この場合、イモを収穫することはできない。
  6. 花は淡桃色で、中心部が濃紅色である。形はアサガオに似ている。食用種はめったに開花しない。観賞用種なら、「ダークブラウン」「花らんまん」のように、咲きやすい品種がある。

注意点・病害虫

  1. もともと救荒植物として栽培されていただけに、日照さえ十分なら、やせた荒地でも育ち、イモもよくとれる。乾燥にも強い。ただし、過湿だけは避ける。
  2. 市販のサツマイモの苗は、つるの先端を切っただけのものだが、根は植え付け後に出るので心配ない。(苗というよりは、土に直接挿すための挿し穂である。)サツマイモは、他のイモ類と違い、種イモを直接植えてそのまま育てる、という育て方はしない。種イモは、苗をとるためのものである。
  3. 家の中で古くなり、芽が出てしまったイモがあれば、土に植えてみるとよい。(もったいなければ、芽の出ている部分を大きめに切り取って植える。)多少植え付け適期を逃していても、よく日光に当てて育てれば、秋に小さなイモを収穫できることがある。ただし、市販の苗と違い、ウイルス病やつる割病が発生する危険性は、やや高いと思われる。
  4. 砂質または火山灰質の土を好む。弱酸性(pH5.5~6)の土でよく育ち、酸性土にも強い耐性を持つため、石灰散布は必要ない。
  5. 食用種は、畑でないと育たないように思われるが、10号以上の深鉢や、大きめのコンテナなら、1~2株作れる。(ただし、空間が狭いため、イモが変な形になる。)なお、観賞用種は、収穫が目的でなく、つるもあまり伸びないので、比較的小さな鉢でも育てられる。
  6. 連作にも強いが、まれに、つる割病にかかる。この病気は治療できず、発病すると株全体が枯死する。ベンレートなどで苗や土を消毒してから植え付けると、発病を抑制できるらしい。
  7. ウイルス病に感染すると、葉に、小さな黒っぽい輪模様がたくさん現れ、地下のイモも、表面がざらついたり、肥大が悪くなったりする。治療できないので抜き取り処分する。
  8. 害虫は、地上部分がアブラムシやヨトウムシ、バッタなどの被害を受け、地下部分がコガネムシやハリガネムシ(コメツキムシの一種)の幼虫の被害を受ける。コガネムシとハリガネムシは、土中にいるため発見しにくく、収穫したイモの表面にかじられた跡を見つけて、初めて被害に気付くものである。

収穫・利用

  1. イモだけでなく、若いツルと葉柄も食べられる。ツルは皮をむいてから茹でるとよい。不思議と、イモに似た味がする。
  2. 収穫したイモは土を落とし、数日間、日なたで乾かす。食べきれなかった分は、庭があれば、地中深く(深さ50cm以上)に埋めて保存する。それが無理なら、新聞紙に包んで段ボール箱に入れ、冷暗所に置く。冷蔵庫には入れない。保存に適した温度は13~15℃、湿度は85%前後とする。温度が低すぎると腐りやすく、高すぎると発芽するので注意。
  3. 収穫直後のイモより、1ヵ月~1ヵ月半ほど寝かせたイモの方が美味しい。保存期間は最大で3ヵ月とする。

余談

  1. サツマイモには、アサガオを接ぎ木できる。「変化アサガオ」など草勢の弱い品種でも、サツマイモに接げばよく育ち、よく咲くという。

(※データ:大阪市基準)