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素人園芸解説 -私はこう育てる-

バルボフィラム/シルホペタラム

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原産地

アジアの温帯~熱帯・アフリカ・南アメリカ・オーストラリア

ラン科

高さ

1~150cm(種類による)

花期

周年(種類による)

形態

多年草、着生または地生、複茎性

別名等

バルボフィルム/ブルボフィラム/ブルボフィルム(いずれもバルボフィラム)
シルホペタルム(シルホペタラム)

日照

4月中旬~11月上旬の生育期は、戸外で10~30%遮光(7月上旬~9月上旬は50%遮光)。
越冬中は、室内で0~10%遮光。

水やり

生育期は、用土の表面が乾けば与える(水切れは厳禁)。越冬中は、ごく控えめに。

肥料

4月下旬~10月上旬に、10~14日に一度、1500~2000倍の液肥。

植え替え

4月中旬~5月下旬。

【補足】2~4年に一度行う。腐った根は取り、生きた根は切らない。

整姿

葉のない古いバルブ(葉の下の膨らんだ部分)は、茶色くなったり、しなびていれば切り取る。花が終わったら、花茎を根元から切る。

繁殖

【株分け】植え替えと同時期。

耐暑性

わりと強い。

耐寒性

最低13℃を保つ。

解説

  1. バルボフィラム属は、ラン科の中でも最大級の属で、1000種類以上もある。近縁属のシルホペタラム属やメガクリニウム属とともに、株姿も花型も、きわめて変化に富み、個性的なものが多い。一見、同属のランとは思えないほどである。
  2. バルボフィラムの仲間のうち、複数の花がかたまって傘状に咲き、かつ、唇弁の後ろにある二枚の「下がく片」が合着し、細長く伸びる種類を、「シルホペタラム属」として分離独立させる。バルボフィラムとシルホペタラムは、属名こそ違うが、ほぼ同じ扱いとみて差し支えない。
  3. バルボフィラムの主な原種には、エキノラビウム、カレヤヌム、クラシペス、グラベオレンス、グランディフロルム、ダイヤヌム、デアレイ、トリコルノイデス、トリミルム、バルビゲルム、ビネンディッキー、ファッシネイター(プチドゥム)、ファレノプシス、ブルメイ、マクランツム、ラシオキルム、レフラクツム、ロビーなどがある。
  4. バルボフィラムの原種の一部は、日本にも自生する。シコウランやマメダツラン、ムギラン、ミヤマムギランなどが該当する。
  5. シルホペタラムの主な原種は、ウェンドランディアヌム(ロスチャイルディアヌム)、オーラツム、コロリフェルム、バジナツム、プルプラッセンス(シトリヌム)、メデューサエ、ロンギフロルム、レピドゥムなどがある。

注意点・病害虫

  1. ほふく茎を横に伸ばし、鉢から出て行ってしまう種類が多いので、定期的に株分けするか、平鉢に植え替える。ヘゴやコルクなどに着生させるのも楽しい。
  2. ナメクジに注意。

余談

  1. この仲間は、花の唇弁(リップ)が可動式になっており、少しの風でも、ゆらゆら揺れる。花粉を運ばせるために、虫を誘っているらしい。
  2. バルボフィラムの仲間のうち、多肉質の扁平な花茎を伸ばし、その上に小花を一列に咲かせる種類を、「メガクリニウム属」として分離独立させる。花茎の形が蛇のコブラを連想させるため、「コブラオーキッド」とも呼ばれる。主な原種には、ファルカツム、マキシムムなどがある。性質や育て方は、バルボフィラムと大差ない。

(※データ:大阪市基準)