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素人園芸解説 -私はこう育てる-

デンドロビウム(デンドロビウム節)

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原産地

インド・ヒマラヤ・中国南部~東南アジア~オーストラリア

ラン科

高さ

5~100cm(種類による)

花期

2~6月(種類による)

形態

多年草、着生、複茎性

別名等

(※各種の和名・異名はページの一番下にまとめた)

日照

4月中旬~11月上旬の生育期は、戸外の直射日光下(7月上旬~9月上旬は30~50%遮光)。
越冬中は、室内の日当たり。

水やり

生育期は、用土の表面が乾けば与える(乾き気味に管理)。越冬中は、ごく控えめに。

肥料

4月中旬~7月上旬に、10~14日に一度、1500~2000倍の液肥。

【補足】肥料が多いと、花芽が高芽に変わりやすい。

植え替え

4月上旬~5月上旬。

【補足】2~3年に一度行う。腐った根は取り、生きた根は切らない。

整姿

バルブが長く伸びる種類が多いが、途中で切ったりしない。葉のない古いバルブ(茎のような部分)は、茶色くなったり、しなびていれば切り取る。
花が終わったら、花がらを摘み取る。

繁殖

【株分け】植え替えと同時期。

【高芽取り】4~8月(十分根が伸びたら丁寧に外し、2~3本ずつ植え付ける)。

耐暑性

わりと強いが、なるべく涼しく過ごさせる。

耐寒性

最低10℃を保ちたい。

【補足】高温にあわせない。

解説

  1. デンドロビウム属の仲間は1000種を超え、ラン科植物の中で3番目の大属である。そのため、性質や育て方もさまざまだが、ここでは、デンドロビウム属デンドロビウム亜属(=デンドロビウム節)に属し、かつ、セッコク系とノビル系に属さない種類を取り上げた。セッコク系とノビル系は、デンドロビウム属を代表する系統であり、あまりにも品種が多いため、別ページに分けてある。
  2. この仲間に属する代表的な原種には、アフィルム(ピエラルディー)、クリサンサム、クリスタリヌム、クレピダツム、シグナツム、スーパーバム(アノスムム)、ディクサンサム、デボニアヌム、トランスパレンス、トルティレ、パリシー、フィンブリアツム、フレデリックシアヌム、ペンジュルム、ポリアンサム(プリムリヌム)、モスカツム、ユニクム、ロディゲシー、などがある。
  3. 花の美しい種類が多く、芳香を持つ種類も少なくない。しかし、花期が短く、花もちが悪い傾向がある。
  4. 同一種であっても、しばしば、花色の濃淡に個体差が出る。特に、淡桃~紅色系の花を咲かせる種類に多い。
  5. 原種同士の特殊交配系統もある。パリシーとスーパーバムの交配種であるネスターは、両方の中間的な形質で、栽培容易。選抜品種の「ナガタ」が有名。

注意点・病害虫

  1. この仲間は、比較的低温に強く、5℃近くまで耐える。一部、高山性で蒸し暑さを嫌う種類もあるものの、全体的に栽培難易度は低め。
  2. 多くの種類は、晩秋に新しいバルブが完成すると、そのバルブの葉が落ちる。枯れたわけではなく、その後、葉が無いバルブに花が咲くので、切り取ったりしない。
  3. 細いバルブが長く伸びて枝垂れる種類(アモエヌム、クリスタリヌム、スーパーバム、デボニアヌム、ピエラルディー、プリムリヌム、ロディゲシーなど)は、ヘゴ板やコルクに着生させるか、木枠のバスケットなどに植えて吊るすとよい。
  4. ハダニが付きやすい。

各種の和名・異名

  1. スーパーバム(異名)/アノスマム(いずれもアノスムム)
  2. フスカツム/フスカタム(いずれもギブソニーの異名)
  3. ピエラルディー/ピーラルディー/ククラツム/ククラタム(いずれもアフィルムの異名)
  4. ブレニアナム/ブレニフヌム/ボクサリー(いずれも異名)/グラティオシッシマム(いずれもグラティオシッシムム)
  5. クラバツム/クラバタム/オーランティアクム(いずれもクリセウムの異名)
  6. ヒルデブランディー(異名)/シグナタム(いずれもシグナツム)
  7. エリスログロッスム/エリスログッサム(いずれもファルコネリーの異名)
  8. パクストニー(異名)/フィンブリアタム(いずれもフィンブリアツム)
  9. エジリー(ブライアネンセの異名)
  10. オーレウム/ロンペウム(いずれもヘテロカルプムの異名)
  11. クラッシノーデ(異名)/ペンジュルム(いずれもペンデュルム)
  12. プリムリナム/プリムリヌム(いずれもポリアンサムの異名)
  13. クプレウム/カルセオラリア(異名)/モスカタム(いずれもモスカツム)

(※データ:大阪市基準)