デンドロビウム(キンギアナム系)
イメージ
原産地
オーストラリア東部の山岳地帯
科
ラン科
高さ
15~90cm(種類による)
花期
1~5月
形態
多年草、着生、複茎性
別名等
セリキトン・キンギアヌス(異名)/キンギアナム/ギンギアナム(いずれもキンギアヌム)
スペシオサム/牛角蘭/タイミンセッコク/大明石斛/ダイミョウセッコク/大名石斛/ロックオーキッド(いずれもスペシオスム)
スペキン(スペシオキンギアヌム)
日照
3月下旬~11月中旬の生育期は、戸外の直射日光下(7月上旬~9月上旬は30~50%遮光)。
越冬中は、室内の日当たり。
水やり
生育期は、用土の表面が乾けば与える(真夏は半ば休眠するので、乾き気味に管理)。越冬中は、やや控えめに。
(もともと低温に強いため、たとえ越冬中でも極端な水切れは好ましくない。)
【補足】スペシオサムは、12月のみ断水する。
肥料
4月下旬~7月上旬と、9月中旬~10月下旬に、10~14日に一度、1500~2000倍の液肥。
【補足】9月以降は、窒素(N)を含まない肥料に切り替えないと、開花しにくくなる。スペシオサムは、8月以降は施肥を停止する。
植え替え
4月上旬~5月上旬。
【補足】腐った根は取り、生きた根は切らない。
整姿
バルブが広がって、鉢が不安定になるようなら、支柱を立てる。葉のない古いバルブ(茎のような部分)は、茶色くなったり、しなびていれば切る。
花が終わったら、花茎だけを根元から切る。
繁殖
【株分け】植え替えと同時期。
【茎挿し・高芽取り】4~8月。(茎挿しは、バルブを3~4節ずつに切り、上下を間違えないように挿す。高芽取りは、十分根が伸びたら丁寧に外し、2~3本ずつ植える。)
耐暑性
強いが、生育はほぼ停止する。
耐寒性
最低5℃を保つとよい。
【補足】高温にあわせない。
解説
- オーストラリア原産の、デンドロビウムの仲間である。細いバルブの上部に数枚の葉を付け、花は小さく芳香があり、低温に強いのが特徴。この系統は、ラン科デンドロビウム属のうち、デンドロコリネ亜属(=デンドロコリネ節)に属する。
- 原種のキンギアナムとスペシオサムの他、両者の交配種であるスペシオキンギアナムが代表種である。この三種類は、いずれも性質が強く、初心者でも、まず枯らすことはない。特にスペシオサムは、凍らせなければ戸外で越冬できるほど耐寒性が強い。
- キンギアナムは紅色の花を咲かせるが、白花種もある。葉に斑が入る品種や、草丈の低い矮性変種シルコッキーもある。やや暑さを嫌うものの、栽培は簡単。
- スペシオサムは、「牛角蘭」の別名からわかるように、バルブが牛の角のように太く、迫力がある。性質はきわめて強健だが、少々花が咲きにくい。こちらも斑入り葉の品種がある。
- スペシオキンギアナムは品種が多く、花色は白~紅色までいろいろある。全体的にキンギアナムによく似るが、より強健で、ひと回り大型に育つ。花もよく咲く。
- ノビル系デンドロビウムとは違い、一度開花したバルブにも、再び花芽を付ける性質がある。
注意点・病害虫
- スペシオサムの開花は、成株(バルブの基部の太さが直径4cm以上)になっていないと期待できない。花を見るには、春以降、よく日光に当てながら育て、7月まで施肥を続けた上で、冬は過保護にせず、0℃くらいの低温にさらす。また、晩秋~冬の間は一貫して乾き気味の管理とし、特に、12月に1ヵ月完全断水するのがコツらしい。
- この系統の主な品種に、「イースターパレード」「ベリー」「ホホエミ」などがある。これらは、他系統のデンドロビウム(特にデンファレ系)の血が混じっており、やや耐寒性が弱いので、冬は最低5~8℃欲しい。
- この系統は、他のデンドロビウムに比べて、アブラムシが付きやすい。
(※データ:大阪市基準)