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素人園芸解説 -私はこう育てる-

エピデンドラム(ラディカンス系)

イメージ

原産地

メキシコ~ブラジル・中南米・西インド諸島

ラン科

高さ

20~150cm(種類による)

花期

12~5月

形態

多年草、着生、複茎性

別名等

エピデンドルム/ボタンホールオーキッド/カショクサイサイ


イバゲンセ/イバグエンセ(いずれもラディカンスの異名)

日照

4月中旬~11月上旬の生育期は、戸外で0~10%遮光(7月上旬~9月上旬は50%遮光)。
越冬中は、室内の日当たり。

水やり

生育期は、用土の表面が乾けば与える。越冬中は、ごく控えめに。

【補足】茎にも水をかけて湿度を保つ。

肥料

4月下旬~10月中旬に、7~10日に一度、1500~2000倍の液肥、加えて、5~6月に、固形肥料の置き肥。

植え替え

4月中旬~5月下旬。

【補足】腐った根は取り、生きた根は切らない。深植えは禁物。

整姿

葉のない古い茎は、茶色くなったり、しなびていれば切り取る。花が終わったら、花茎だけを根元から切る。

繁殖

【株分け】植え替えと同時期。

【茎挿し・高芽取り】4~8月。(茎挿しは、茎を3~4節ずつに切り、上下を間違えないように挿す。高芽取りは、十分根が伸びたら丁寧に外し、2~3本ずつ植える。)

耐暑性

強い。

耐寒性

最低10℃を保つ。

解説

  1. エピデンドラム属は、多くの種類があるが、一般的なのは、メキシコ~コロンビア原産で、小さな花が花茎の先端にかたまって咲く、原種のラディカンスの血を引く系統である。
  2. ラディカンス系のエピデンドラムは、棒のような茎に、多肉質の細長い葉を交互に付ける。園芸品種が多く、花色が豊富。切り花でも見かける。
  3. 同じ品種でも、環境によって、手のひらに乗るような大きさから、人の背丈くらいまで、さまざまな草丈になるらしい。小鉢でもよく開花するが、大株に仕立てると見事。
  4. ラン科植物の特徴の一つに、「花の子房がねじれて、花が上下逆に咲く(唇弁が下にくる)」というものがある。が、このラディカンス系のエピデンドラムは、子房がねじれず、唇弁を上にして咲くのが特徴。
  5. ラディカンス系以外の原種には、イレンセ、キンナバリヌム、クリスタツム、シリアレ、スタンフォルディアヌム、パーキンソニアヌム(ファルカツム)、プセウドエピデンドルム、ポーパックスなどがある。いずれも、同様に栽培できる。

注意点・病害虫

  1. 茎の途中からもよく根を出すので、乾きすぎないよう、霧吹きなどで水をかけてやる。生育期間中は、高芽もよく発生するので、これを採取して植え付ければ、簡単に殖やせる。

余談

  1. たまに、原種のセントラデニウム(セントラデニア)も見かける。これは現在、オエルステデラ属に分類されているが、今でもエピデンドラムとして売られることがある。茎も葉も細長く、全体にひょろひょろで、いかにも弱々しいが、性質は強健。やや寒さに弱く、最低温度は8~10℃必要。花期は4~6月頃。

属間交配種(人工属)

姿があまり似ていないが、エピデンドラム属は、カトレア属に近縁である。近縁属との間に、いくつかの属間交配種(人工属)が作られている。

  1. エピカトレア…エピデンドラム×カトレア
  2. エピレリオカトレア…エピデンドラム×カトレア×レリア
  3. バーデンドルム…エピデンドラム×バーケリア
  4. ブラソエピデンドラム…エピデンドラム×ブラサボラ
  5. ブラソエピレリア…エピデンドラム×ブラサボラ×レリア
  6. ヤマダラ…エピデンドラム×カトレア×ブラサボラ×レリア
  7. リンカトデンドラム…エピデンドラム×カトレア×リンコレリア

(※データ:大阪市基準)