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素人園芸解説 -私はこう育てる-

園芸知識:園芸道具2

土を掘る・すくう

あらゆる園芸道具の中で、ほぼ必須である。使用後は水洗いして泥を落とし、よく拭いて乾かしてから、立てた状態で保管する。ただ、移植ゴテなどの小物は寝かせて保管してもよい。刃先を研ぐ必要はあまり無いが、研ぐ場合は砥石かヤスリを用い、刃の先端に向かって、常に一方向に研ぐ。洗浄後に刃物用の油を塗っておくと、なお良い。手入れが悪いと刃の切れ味が悪くなり、作業効率が落ちる。
なお、ショベルとスコップは本来同じものを指す言葉で、前者が英語、後者がオランダ語である。また、ショベルは「シャベル」ともいうが、綴りは「shovel」と書く。ショベルカーを「シャベルカー」とはいうことはない。

  1. 移植ゴテ…植え穴を掘ったり、植物を掘り取るのに使用。形状は、やや平らな金属製のスコップ部に、短い柄が付いている。真横から見ると、柄から先端の刃まで一直線になった製品と、少し角度が付いた製品がある。前者は土に深くき刺すのに適しており、後者は土や株を掘り上げるのに適する。また、スコップ部の先端に刃のある製品は、根を切断するのにも使える。柄やスコップ部に目盛りが付いた製品は、掘った穴の深さを測るのに便利である。
    スコップ部の付け根(支点)に大きな力が加わるため、ここがしっかりしている製品を選びたい。どうしても付け根を曲げてしまう場合は、前後逆に持ち、手前側に土を起こすようにする。スコップ部が塗装された製品はサビにくいが、古くなると塗装が剥げる。元々は、カベ塗り用のコテを改良したものらしい。
    • ハンドスコップ(コンポストスコップ)…移植ゴテとほぼ同じだが、スコップ部の両縁に土留めが立ち上がり、一度にたくさんの土をすくうことができる。かなり便利。
  2. ショベル…土を掘り取るのに使用。刃床(はどこ)の先端に、根を切断するための刃が付いている。また、作業の際に体重をかけやすくするため、刃先の反対側に、足を載せる「足掛け」がある。刃先が尖ったものを「剣スコ(剣スコップ)」、四角いものを「角スコ(角スコップ)」と呼び分けることがある。
    使用の際は土に差し込み、「テコの原理」で掘り返す。柄が木製の製品を選ぶと持ちやすく、手が滑りにくい。「剣スコ」は主に、土を掘るためのもので、「角スコ」は、掘った土をすくい、運ぶためのものである。二本とも揃えるのが望ましいが、一本だけ買うなら、剣スコの方を選ぶ。
  3. スコップ…土をすくって運んだり、混ぜ合わせるのに使用。形状がショベルの「角スコ」に似るが、刃や足掛けがなく、また、両縁が立ち上がって「土留め」になっている。なお、上記の「移植ゴテ」と「ハンドスコップ」も、単に「スコップ」と呼ばれることが多い。
  4. 土入れ…鉢やプランターなどのコンテナに土を入れる道具。円筒を斜めに切ったような形状である。これを使うと、土をこぼさずに入れることができる。大・中・小のサイズがあり、土の量に応じてて使い分ける。底面が網状になった製品もあり、土を入れながら、みじん(1mm以下の微細な粒)を抜くことができて便利。また、取っ手付きの製品もある。
  5. エンピ(円匙)…深い穴を掘ったり、地中の根を切断するのに使用。ショベルに似た形状だが、T字型の柄が付いており、刃床の幅は狭く、丸まっている。刃先が鋭いので、扱いに注意が必要。
  6. ディバー(穴あけ器)…苗や球根の植え穴を掘るのに使用。金属製の筒の一方に持ち手が付いている。片手で使える小型の製品から、二本の長い柄が付いた大型の製品まである。筒の部分を土に差し込み、そのまま持ち上げれば土がくり抜かれて、円筒形の植え穴ができる仕組み。

土を耕す・ならす・盛る

使用後は水洗いして泥を落とし、よく水気を拭き取って乾かしてから保管する。クワ以外の道具については、刃先を手入れする必要はない。使用後は必ず、立てた状態にして保管する。

  1. クワ…「刃床(はどこ)の一部が木製で、その木製部分にある「柄壷」という穴に柄をはめ込んだ『風呂グワ』」と、「刃床全体が金属製で、ボルトなどで柄に取り付けた『金グワ』」の二系統があり、後者の方が一般的である。
    使用の際は、立ったまま振り上げ、勢いを付けて振り下ろす。(周囲に子供やペット等がいないか、細心の注意を払う。)このとき、なるべく水平に近い角度で土に入れないと、効率が悪い。使用後は水洗いして泥を落とし、よく水気を拭き取ってから、刃先に油(刃物用手入れ油か、機械油)を塗る。
    • 唐グワ…「からぐわ」と読む。最も一般的なクワで、荒れ地や固い土を耕すのに最適。先端に台形の刃床が付いており、土を載せやすい。柄は木製。
    • バチグワ…上記の唐グワによく似るが、刃床の幅が狭い。タケノコ掘りなどに。
    • 備中グワ(万能グワ)…先端の刃床が、フォークのような形(「∈」のような形)になっている。歯の数は3本または4本。粘土質の重い土を耕す際に用いる。
    • 打ちグワ(立ちグワ、金グワ)…柄角(えかく…刃床と柄の角度)が60°~85°で、長方形の刃床が付いている。柄は木製。畑など、軟らかい土を耕すのに最適。
    • 引きグワ(作グワ)…柄角が45°以下と、かなり狭いクワ。土に刃床を入れ、後退しながら引っ張るようにして耕す。
    • 打ち引きグワ(立ち引きグワ、平グワ)…引きグワに似るが、柄角が50°以下と、やや緩い。引きグワと同様に使うが、振り下ろして耕すこともできる。
    • 片手グワ…片手で使う、小型のクワ。刃床の形状は、四角形のものとフォーク状のものがある。
  2. 踏みグワ(ガーデンフォーク、ピッチフォーク)…長い柄の先端に、フォーク状の刃床が付いている器具。(要するに、食事用のフォークの巨大バージョン。)歯の数は3~4本。両手で柄をつかみつつ、刃床部の「足掛け」を踏んで体重をかけ、「テコの原理」で土を耕す。デザインはさまざま。食事用のフォークは、この道具を改良して生まれたものらしい。
  3. レーキ…耕した地面をきれいに整地したり、表土を耕すのに使用。先端の刃床の下部に、櫛のような、多くの短い歯が横一列に並んでいる。歯の数は8、12、14本。柄は長く、木製または金属製。片手で使える、ごく小さなレーキもあるが、歯の数が少ない。刃床の上部が「土ならし」になっており、裏返して使えば、土を平らにならすことができる。
    なお、先端が扇形をした、ほうきに似た形状の「ガーデンレーキ」は、主に掃除用の道具である。日本では「クマデ」(竹製のものは「さらい」)とも呼ばれる。また、「ローンレーキ」も、芝生掃除専用である。
    • アメリカンレーキ…レーキとほぼ同じだが、「土ならし」が無い。
    • ミニクマデ(ハンドレーキ、ハンドフォーク)…片手で使える、ごく小型のレーキ。土の表面を軽く耕したり、根鉢を崩すのに使用。刃床の形状はいろいろあるが、先端に3~5本のカギ爪がある点が共通。
    • 根かき…ミニクマデに似るが、主に盆栽用。根鉢を崩すのに使用。盆栽の根鉢は小さいので、カギ爪の数は1~3本と少ない。
  4. ミニ耕耘機…文字通り、ごく小型の耕耘機。エンジン式で、土を耕すローターを搭載し、面積の広い菜園でも、短時間で耕すことができる。製品によっては、畝を立てたり、除草する機能も備える。動力は、ガソリン式と、カセットボンベ式、電動式がある。
    近年、家庭園芸用の機種が増え、選択の幅が広がった。耕したい面積にあった製品を選びたい。値段は数万~十数万円までいろいろ。使用後は、ローターに付いた泥やゴミを水洗いで取り除き(その際、直接手で触るのは危険)、乾かして保管する。
  5. ローンスパイク…T字状になった柄の先端にトゲが並んだ器具。体重をかけて芝生に差し込み、穴を空ける(「パンチング」という作業)のに使用。土に穴を空けることで、通気性・排水性を回復させる。また、空けた穴に目土を足したり、肥料を施すこともある。使用後は土を落とし、きれいに拭く。
    • ローンパンチ…ローンスパイクに似るが、先端に細い円柱が付いており、土をすっぽり抜き取るようになっている。使用目的はローンスパイクと同じ。使用後は円柱の中の土を抜き取り、きれいに拭く。

草を刈る・取る

使用後は、刃に付いた泥などを落として水洗いし、水で濡らした砥石で研ぐ。砥石を当てる角度は、刃に対して35~45°とする。片刃なので、刃の表側を重点的に研ぎ、裏側からは軽く整えるだけとする。研ぎ終わったら水気を拭き取って油を塗り、保管する。

  1. カマ…園芸用として、片手で使う小型の製品がある。形状は、木製の柄の先端に、三日月型の刃が付いている。刃の長さや厚さ、角度などは、製品によってさまざま。刃の一部がノコギリ状になった製品もある。
    使用時は、地面に対して平行に刃を動かす。動かす方向は、向こう→手前へ。(ケガに注意。)軟らかいものは「薄刃」、硬いものは「厚刃」、その中間は「中厚刃」のカマで刈るとよい。
    • 三日月ガマ(丸型ガマ)…最も一般的なカマ。主に草刈り用だが、用途は幅広い。刃の厚さはさまざま。
    • 草取りガマ(草刈りガマ、除草ガマ、刈払いガマ)…文字通り、草刈り用のカマ。刃が薄めで、刃先の形状はさまざま。下記の「信州ガマ」に似た形状の製品もある。軟らかい草の除草に向く。
    • 木ガマ…硬い木の枝や、太さ1.5cmくらいの太枝の切断ができる、厚刃のカマ。手からすっぽ抜けないよう、柄の下部が少し膨らんでいるのが特徴。
    • 穴あきガマ…刃に穴を空けることで軽量化したカマ。長時間使っても、腕が疲れにくい。
    • ねじりガマ(首長ガマ)…刃が、「柄込み(刃が柄に差し込まれている部分)」に向かってねじれているカマ。下記の「ホー(草削りグワ)」に近い性能で、雑草を根元から掘り取りやすい。
    • ノコギリガマ…刃にノコギリのようなギザギザが付いたカマ。手前に引いて切断する。硬い草でも刈りやすい。
    • 信州ガマ…信州で伝統的に作られているカマ。刃が柄に対して反り気味に付いている。刃の幅が広く、やや厚みがある。
    • 小ガマ…刃が8cmくらいまでの、小さなカマ。主に、狭い場所での草刈り用。
    • 大ガマ…柄が1mほどもある、両手用の大きなカマ。山林など、広い場所での除草専用である。危ないので一般家庭では使わない。
  2. ホー(草削りグワ、草かき、立ちガマ)…草取り用のクワ。木製の長い柄の先端に、半円形や三角形の刃床が付いている。柄に対する刃床の角度はおよそ80°。片手で扱えるミニサイズの製品もある。使用時は、雑草の根元に刃を入れ、柄を手前に引いて削り取る。除草以外に、土を寄せたり、ならすこともできる。
    • 三角ガマ(三角ホー、三角草削りグワ)…木製の柄に、逆三角形の刃床を、ほぼ垂直に取り付けたもの。刃床の先端は鋭い刃になっている。
    • 窓ホー…刃床部を軽くするために、真ん中に大きな穴(窓)が開いたホー。替え刃式の製品もある。
    • ダッチホー…長い柄の先に、穴の開いた三角形の刃床部があり、その先端に長方形の刃が付いている。地面に当て、前に押すように動かせば、雑草を根から切ることができる。
  3. 除草フォーク(ハンドフォーク)…芝生の雑草を根ごと抜き取るのに使用。片手で扱う小型のフォークで、柄に、テコの支点が付いている。フォークを雑草の根元に差し込んで、柄の支点を地面に付け、「テコの原理」で引き抜く。
    • デイジーグラバー…二又に分かれた除草フォークの下部に、半円形の出っ張りが付いている。この出っ張り部分を「テコの原理」の支点にすれば、少しの力で抜くことができる。
    • 除草ナイフ…先端の割れたカマのような、形容しがたい形状の道具。ノコギリのようなギザギザがあり、多目的に使える。
    • 回転式除草フォーク(回転式草取機)…T字型の柄の先端に、三本のピンが付いており、これで雑草を囲むように差し込んで回転させると、根ごと抜ける。
  4. 草刈り機、刈払機…広範囲の草を刈り取るのに使用。長い柄とハンドル、グリップ、肩掛け用のベルトなどが付いており、無理のない姿勢で足下の草を刈ることができる。動力は、エンジン式と、電動式(コード式と、コードレス式)がある。金属製の丸い刃で刈る「回転刈り刃」の製品と、ナイロン糸を高速回転させて刈る「ナイロンコード刃」の製品があるが、両方の刃を付け替えられる製品もある。
    金属製の刃は切れ味が良い反面、硬い物にぶつけると刃の破片が飛んでくる等の危険がある(当たる部位によっては命に関わる)ため、壁際や石の多い場所の草刈りには、ナイロンコード刃の製品が向く。刃が摩耗してきたら、付け替えが可能。安全性が向上しているとはいえ、危険なものであることに変わりはなく、使用時は細心の注意を要する。最低でも防護メガネ(ゴーグル)は付けておきたい。使用後の手入れは、回転刈り刃式なら、刃に付いたゴミ・汚れをきれいに取り除き、よく拭いてから油を差す。ナイロンコード式なら、カッター部分に付いたゴミ・汚れを取り除いて拭いておく。
  5. 草焼きバーナー…小型のバーナー。小さな雑草を焼いて枯らしたり、土の表面を軽く消毒するのに使用。灯油式とガス式があり、ガス式の製品は、ガスボンベを装着して使う。火を使うので、扱いには慎重さが求められる。燃えやすいものの近くでは使えない。明るい日中は、炎がほとんど目に見えないので注意。

ゴミを掃除・処分する

  1. ほうき…いろんな製品があるが、戸外で使う場合は、やや堅めのものを選ぶ。シダの繊維でできた製品や、ナイロン製の安価な製品などがあるが、天然繊維の方が長持ちする。
    • シュロぼうき…主にシュロの繊維で作られた、片手用の小さなほうき。土の表面を軽く掃除したり、ならすのに使用。
  2. クマデ(熊手、さらい、ガーデンレーキ)…竹製の物は「さらい」、金属製の物は「レーキ」「ガーデンレーキ」とも呼ぶ。ほうきに似た形状だが、長い柄の先端に、多数の長いカギ爪を持つ。普通のほうきより、効率的に落ち葉を集められる。
    • ローンレーキ…名前にレーキと付くが、クマデに近い。芝生のサッチ(芝刈りで出たくず)をかき集めるのに使用。スチール製。芝を傷めないよう、先端のカギ爪に弾力性がある。
  3. 集塵機…ゴミや落ち葉などを掃除機のように吸い取る機器。動力は、エンジン式と電動式(コード式)がある。製品によっては、集めたゴミを同時に粉砕する機能があったり、スイッチ一つで吸引と送風を切り替えられるものもある。送風式も、うまく使えば、散らばったゴミを風力で一箇所に集めることができる。いずれにせよ、濡れたゴミに対しては使いにくい。
  4. ガーデンシュレッダー(電動粉砕器)…枝や茎葉などの剪定くずを細かく粉砕する機器。ゴミ減量に役立つほか、粉砕済みのチップは、地面に敷き詰めたり、堆肥の材料などにも重宝する。上部から剪定くずを投入すると、内部の刃で粉砕され、排出口から出てくる仕組み。刃の形によって、円盤状の「ディスク式」、歯車状の「ギア式」、螺旋状の「スパイラル式」があり、さらに、一枚刃の製品と、複数の刃を持つ製品がある。機器自体が大きく場所を取るうえ、動作音がうるさいので注意。

土の状態を調べる

必須ではないが、何となく生育が悪いときに使ってみると、思わぬ原因が判明することがある。

  1. リトマス試験紙(pH試験紙)…「リトマス液」を染みこませた紙。赤と青の二種類がある。土(表土ではなく、やや深い部分の土)を容器に採り、その約1.5~2.5倍の水(蒸留水が望ましい)を加えてよく攪拌し、数分間そのまま置いた上澄み液に浸して測定する。酸性なら青の試験紙が赤くなり、アルカリ性なら赤の試験紙が青く変化する。
  2. pH測定キット…酸度測定用試薬と、色見本表(比色表)などをセットにしたもの。基本的に、上記のリトマス試験紙と同様、土の上澄み液で測定する。上澄み液を採り、規定量の試薬を入れてよく振ると、酸度によって液の色が変化する。
  3. 土壌酸度測定器(土壌酸度計、pH測定器、pHテスター)…園芸用の比較的安価な製品から、本格的な高級品までさまざま。湿らせた土に電極部分を差し込めば、土の酸度が表示される。製品によっては、土壌湿度も同時に測れる。
  4. 土壌温湿度測定器(土壌温湿度計)…形状は、土壌酸度測定器に似る。電極部分を土に差すと、土の温度と湿度が表示される。温度計単独の製品や、湿度計単独の製品もある。
  5. ECメーター(導電率計、電気伝導度計、肥料濃度計)…導電率(EC=電気の流れやすさ)を測定するもの。土の上澄み液で測定する製品と、土に直接差し込んで測定する製品がある。土のECの値が高いと、「塩類の蓄積が多い=肥料過剰」を意味し、低いと「塩類の含有が少ない=肥料不足」を意味する。0.2~0.5mS/cmの範囲なら適正。(ここでいう塩類とは、陽イオンと陰イオンを指す。アンモニア、硝酸、リン酸、カリウムなどといった肥料成分は、土中でイオンとなって存在している。)

植え替え作業などに

必須ではないが、これらの道具が有ると無いとでは、植え替え作業の効率が全く違う。

  1. ふるい(園芸用フィルター)…粒の大きさごとに土を選り分けたり、土に混じったゴミを除去するのに使用。直径20~40cm程度の丸い枠に、金網を取り付けて使う。金網の目の大きさは、微細粒を選り分ける1~2mm程度のもの、小~中粒を選り分ける3~6mm程度のもの、中~大粒を選り分ける7~10mm程度のものがある。
    枠と金網が一体化した製品もあり、こちらは網の交換ができない。木製、プラスチック製、ステンレス製があるが、意外と負荷のかかる道具なので、頑丈な製品を選びたい。使用後は水洗いして目に詰まったゴミをブラシなどで取り除き、水気を拭き取って保管する。
  2. トレイ…大きめの浅型トレイ。植え付け・植え替えなどの作業をこの中で行えば、周囲を汚さずに済み、後片付けも楽である。園芸用の製品にこだわる必要はなく、セメント用のトレイでも代用できる。
  3. 園芸用シート…小型のビニールシート。四隅にホックが付いており、これを留めれば縁に高さが出て、トレイの代わりになる。収納時には小さく折りたため、場所を取らないので便利。
    • レジャーシート…園芸用ではないが、同様に使える。園芸用シートより大きいため、作業前に敷いておけば、周囲を汚さずにすむ。四隅を洗濯バサミなどで留めれば縁に高さが出て、土などがこぼれにくい。
  4. ヘラ…植物を植え付ける際、土の中にすき間ができないよう突き込んだり、植物を鉢から抜く際、鉢壁と土の間に差し込んで、鉢から抜けやすくしたりする。竹製の製品と金属製の製品がある。
    • 園芸用スパチュラ…金属製の、薄く軟らかいヘラ。土を突き込むには適さないが、薄いため、鉢壁と鉢の間に差し込みやすく便利。柔軟性があるおかげで、必要以上に根や鉢を傷付ける心配が無い。

タネまき・育苗・挿し木をする

  1. ピートポット…酸度調整済みの圧縮ピートモスを材料とする、小さな鉢。非常に乾きやすいが、鉢全体に通気性・排水性があり、苗が健全に育つ。苗が育ったら、そのまま土に植えれば、根が鉢壁を突き抜けて伸びる。一個ずつ単独の製品と、連結した製品があり、連結している製品は、一つずつ切り離してから植え付ける。濡れるとふにゃふにゃになり、乱暴に扱うと破れやすいので注意。
  2. 紙製ポット…ピートポットに似るが、こちらは再生紙でできている。ピートポットと同様に使える。ピートポットより耐久性があるため、植わっている苗を定植せず、紙製ポットのまま育てることも可能。ただ、やはり水を含むと軟らかくなる。
  3. ピート板、圧縮ピート…道具というよりは、用土の一種である。酸度調整済みの圧縮ピートモスで作られた板。吸水させると膨らむので、その上にタネをまく。やや大きめの四角い製品と、小さな円形の製品がある。四角い製品は微細種子(細かい粉末状のタネ)に使い、円形の製品は、大粒種子(ヒマワリのような大きなタネ)に使う。
  4. セルトレイ(セル形成トレイ、連結トレイ)…小さな四角い鉢が多数連結し、一つのトレイになったもの。小さな鉢のような部分を「セル」と呼び、製品によって、さまざまな大きさがある。セルの中に土を入れ、タネをまいたり、挿し木をしたりする。セルが2×2=4個の小さな製品から、何百ものセルが連結した巨大製品までいろいろ。色は緑や黒など。これを使えば、限られたスペースで一度に多数の苗を作れる。苗が育ち、根が回ってくると、底を軽く押すだけで、簡単にセルから抜ける。
  5. ロックウールブロック…玄武岩や石灰岩を焼いて作った、ガラス質の鉱物繊維の塊である。園芸用の製品は、小さな立方体の形にカットされている。上面に穴を空けて挿し木をしたり、タネをまいて水耕栽培用の苗を作ったりする。苗が育てば、そのまま植えることができる。なお、名前が紛らわしいが、発ガン性のある石綿とは関係が無い。
  6. 育苗箱…底面がザル状になった角形トレイ。中にポットをたくさん並べて一緒に管理したり、土を直接入れて、挿し木やタネまきを行ったりする。さまざまなサイズがある。色は黒が多い。屋根付きの豪華な製品もある。
  7. ポリポット(ビニールポット)…鉢の一種で、やわらかいポリエチレン製のもの。主に、タネまき~育苗に用いる。普通の鉢と同様、いろんなサイズがある。昔は黒色しかなかったが、現在は、いろんな色の製品があるので、植物の花色や種類によって使い分ける。鉢底の形状は、一つ穴~複数穴、スリット入り、とさまざま。
  8. 家庭用発芽育苗器…底面に電気ヒーターを装備し、上面と側面が、透明なアクリルまたはビニール製カバーでできているケース。温度が上がりすぎないよう、サーモスタットも備えている。これがあると、春まきの野菜の苗を、まだ寒い時期に作れるため、生育期間が長くなり、結果的に多くの収穫を得られる。ただし高価である。なお、小さな鉢なら入るので、温室の代わりとして使うことも可能。
  9. タネまき器(ハンドシーダー)…タネを一定数ずつまきたい時に便利。畑のタネまき用の、大型の製品(タネまき機、播種機)もある。

コンテナ(鉢・プランター)に使用

  1. 鉢底網(鉢底ネット)…コンテナの底に敷く、樹脂製の網。用土が底穴から流れ出たり、虫が入ってくるのを予防する。色は黒が多い。好きな大きさにカットして使う製品と、最初から適度な大きさに加工された製品がある。銅製の網を使うと、ナメクジが入って来にくい。(ナメクジは銅を嫌う。)網の中心が円錐形に盛り上がった製品もあり、土の通気性・排水性向上に役立つ。
  2. ラベル(ネームプレート、プランツタグ)…そのコンテナに植わっている植物の名前や、植え替えた日付などを書いておく小さなタグ。紛失しないよう土に差し込むか、針金でくくりつけておく。形状はさまざま。合成樹脂製、木製、アルミ製、銅製などがあるが、数年で劣化する。油性ペンや水性ペンで書くと、すぐに字が消えるので、鉛筆で書いた方がよい。銅製のものは文字を刻み付けるため、書き直しがきかない。余談だが、木製のラベルは「経木」ともいう。
  3. 鉢底皿(鉢皿、鉢受け皿)…コンテナの下に敷く皿。底穴から漏れ出る水や土を受け、床の汚れを防止する。色や大きさ、デザイン、材質はさまざま。大型サイズの製品には、キャスター付きのものもある。水やり後、中に水をためたままにすると、根腐れの原因になるので注意。
  4. キャスター付き台座…車輪の付いた円形の台。大きな鉢の移動に便利。鉢底皿と一体化した製品もある。
  5. ポットフット(ポットフィート)…主にテラコッタ製のコンテナの底面に敷く、素焼き製の小さな台。三個一組で用いる。コンテナを安定させるとともに、底面の通気性を計る。さまざまなサイズ、デザインがある。