いろんな植物の育て方や知識をご紹介。

素人園芸解説 -私はこう育てる-

園芸知識:園芸道具4

整姿・誘引する

  1. 支柱…植物が倒れたり曲がったりしないように添える細い棒。ネットを張る際の柱としても用いる。長さ・太さ・色・材質はさまざま。茎に添いやすい螺旋状の製品もある。なお、短期間しか使わない場合は、わざわざ市販品を買わず、枯れ枝などを支柱にしてもよい。
    • 菜園用支柱…くすんだ緑色~黄緑色の、やや太めの支柱。主にトマト用。植物が滑りにくいよう、表面に小さなイボ状突起があることが多い。太さや長さ、材質はさまざま。野菜以外にも、いろんな植物に使える。支柱の立て方は、下記の二通りがある。
      • 直立式…一つの株に対して、一本の支柱をまっすぐに添える方式。
      • 合掌式…二本の支柱を一組として斜めに向かい合わせ、上部を交差させて縛る方式。普通は二組以上を並べて、交差部分の上に水平に棒を渡して安定させ、インゲンなどのツルもの野菜を誘引する。
    • 洋蘭支柱(洋蘭線)…ギフト用の洋蘭の花茎に、必ずと言っていいほど添えられている、くすんだ黄緑色の支柱。金属製のワイヤーなので、自由に曲げられる。先端が危ないため、専用のキャップを被せるか、消しゴムなどを刺したり、ペンチでU字型に折り曲げておくとよい。
      • 支柱キャップ…上記の洋蘭支柱専用のキャップ。くすんだ黄緑色。支柱の太さに合わせ、いろんなサイズがある。あまり市販されていないが、洋蘭展などのイベントなら見つけやすい。
    • キク支柱…生長とともに伸ばせる、伸縮式の支柱。色は黒が普通。キク以外にも使える。
      • インダクト…大菊を「三本仕立て」にする際に使用。摘芯後に出てきた三本の茎を、適度な角度に曲げるための、特殊な支柱である。茎にクセが付いたら外す。
      • バインダー…大菊を「三本仕立て」にする際に使用。三本に分かれた茎を、等間隔に揃えるために基部で支える、特殊な支柱である。茎にクセが付いたら外す。
      • 輪台…大きく重量のある大菊の花を、下からしっかり支えるための、輪状のワイヤー。花の種類・大きさにあった製品を用いる。
    • あんどん支柱…3~4本の細い棒が並び、その途中に輪が2~5個ほど等間隔に付いている、特殊な支柱。製品によっては、輪の位置を自由に変えられる。つる植物専用で、特に、アサガオ栽培の必需品である。製品によって、輪の大きさ、支柱の長さ、色、材質はさまざま。鉢の号数に合った製品を選ぶ。
    • アーチ支柱…つる植物をアーチ型に誘引したい時に使用。普通は金属製だが、プラスチック製もある。
    • オベリスク…3~4本の棒が並び、その途中、2~3箇所に輪が付いている、タワー型の支柱。あんどん支柱と違って上部が閉じており、全体が尖塔のような形をしている。(※ 「オベリスク」とは本来、古代エジプトで建造された、先端の尖った四角柱のモニュメントである。)つる植物専用で、観賞にも優れている。こちらも普通は金属製だが、プラスチック製もある。
    • 葉垂れ防止支柱(サークル支柱、サポート支柱)…茎葉が長く伸びて広がる植物を支えたり、広がりを防止する支柱。1~3本の棒の先端に、輪が一つだけ付いている。
    • トレリス…つる植物を平面的に誘引する、小さなフェンス。観賞上の目的で、鉢・プランターの飾りに使うこともある。折り畳み式の製品もある。色・デザイン・素材・大きさはさまざま。
    • ヘゴ支柱…「ヘゴ」というシダ植物の幹を削り出し、支柱に加工したもの。表面が粗く、根が食い込みやすいため、ポトスやモンステラなど、茎から気根を伸ばしてへばりつく植物に適する。
    • トンネル支柱(アーチ型支柱)…アーチ状に曲がった支柱。自分で好きなように曲げられる製品もある。畑の畝の上に何本も渡し、その上から寒冷紗や防虫ネットなどをかぶせる。高さや太さ、色、素材などはさまざま。
  2. つる植物用ネット(つるものネット)…10cm前後の大きな編み目のネット。つる植物を誘引するのに使う。色や大きさはさまざま。
  3. 結束資材…植物を支柱にくくりつけたり、支柱同士を組んだり、ネットを固定するのに使用。結び目は支柱の側に作り、茎を傷付けないようにする。また、8の字型にねじって留めれば、茎が傷付きにくい。普通のビニールヒモなどでも代用できるが、太陽光による劣化に注意。
    • 支柱専用留め具…「C」の字が二個くっ付いたような、樹脂製の留め具。支柱にはめて使う。
    • ビニールタイ(ビニタイ)…中に細いワイヤーが入った、薄いビニールヒモ。予め一定の長さにカットしてある製品と、自分で好きな長さにカットするロール式の製品がある。色は緑色系。最も一般的な結束具。
    • インシュロック(結束ロック)…電源コードなどを束ねるのに使う、長さを調節できる樹脂製のバンドである。園芸では主に、野菜の結束用。
    • ネットクリップ…園芸用ネットやシートなどを張るときに使うクリップ。金属製の輪が付いており、好きな場所に引っかけることができる。
    • シュロ縄…シュロの繊維で作られた、丈夫なヒモ。水を含むと伸び、乾くと縮む。色は茶色と黒がある。屋外での耐久性は結構強く、2~4年もつ。
    • 麻ヒモ…麻の繊維で作られた細いヒモ。色は、ベージュやモスグリーンなどがある。屋外での耐久性は1年くらい。
    • ラフィア…ヤシの葉の繊維で作られた、ワラのようなヒモ。主にキクの結束用。色合いが自然で、目立たない。

覆う・保護する

大きく分けて、「被覆資材」と「遮光資材」がある。前者は、植物全体や土の表面などを覆い、乾燥や高低温、霜、害虫、泥はねから保護したり、雑草の発生を抑えたりする。後者は、植物を強い日差しや熱、低温、風、霜などから保護する。
いずれも、「マルチ押さえ(シート押さえ)」や「ネットフック」などでしっかり固定し、風で飛ばされたりしないようにする。

  1. フラワーキャップ(ホットキャップ)…透明なプラスチック製の帽子。頂部に換気用の穴がある。植物の上からすっぽりかぶせ、風や乾燥などから守る。主に幼苗に用い、草丈の高い植物には使えない。下部を埋めるなどして固定しないと、風で飛ばされる。
  2. 敷きワラ…ごく普通のワラ。株の根元に敷き詰めれば、乾燥防止、泥はね防止、地温上昇抑制、雑草抑制などの効果がある。スイカやカボチャの果実の下に敷くのに、よく使われる。ワラの代わりに刈り取った雑草を敷き詰める「敷き草」も同様の効果。
  3. マルチングフィルム(マルチフィルム、ポリフィルム、ポリマルチ)…大きな薄いフィルム。大きさはいろいろ。色は、黒、銀、緑、透明(白)など。黒色のフィルムは、地温上昇効果と雑草抑制効果が強い。銀色のフィルムは地温上昇を抑制し、アブラムシ忌避効果がある。フィルムに穴を開け、そこに植物を植える。最初から穴の開いた製品もある。風でめくれないよう、端を土で埋めるか、専用の「マルチ押さえ(シート押さえ)」で固定する。
    • 生分解性シート…使用開始後、ある程度の期間が過ぎると、微生物の働きにより分解され、自然に土に返るシート。使用後に剥がして片付ける手間が省ける。
  4. 防草シート(雑草防止シート、草除けシート)…畑の畝間や、庭の通路などに敷き、雑草の発生を抑える。踏んでも滑りにくい。色は黒が主流。大きさはさまざま。U字型の押さえ金具で地面に固定する。
  5. トンネル用フィルム…畑の「トンネル栽培」で使用する、透明なフィルム。畑の畝の上にアーチ型の支柱を渡し、その上にかぶせ、フィルムの端を土に埋めるか、U字型の押さえ金具で固定する。中が蒸れやすいので、ときどき端を開けて換気するか、最初から通気穴の開いた製品を用いる。
  6. 不織布(べたがけシート)…冬季の霜除け、防風の目的で使用。また、野菜などをすっぽり覆えば、虫害や鳥害を防ぐこともできる。フィルム資材より通気性・通水性に優れるため、内部が蒸れにくい。遮光資材としても使える。空気中のチリ・ホコリが付きやすいので注意。
  7. 寒冷紗…薄く軽い化繊の布。丈夫に織られており、破れにくい。基本的に遮光資材だが、不織布などと同様、植物に直接被せて防寒・防虫などに使うことも可能。色は、白と黒がある。遮光率は色によって異なり、白で25%前後、黒で50%前後。白の寒冷紗は汚れると遮光率が上がる。
    二枚以上を重ねて張ると、さらに遮光率が上がる。例えば、50%遮光の製品を二枚重ね張りすると、遮光率は75%となる。(50+50=100%ではない。一枚目で50%カットされた光が、二枚目でさらに50%カットされるため、50+25=75%が正解。)なお、重ね張りする際は、寒冷紗同士をぴったり重ねて張るのではなく少し距離を離さないと、風通しが悪くなりすぎる。
  8. マルチ押さえ(シート押さえ)…シートやフィルムの端に差し込み、地面に固定する押さえ金具。色や形状はさまざま。
  9. ネットフック…ネットや寒冷紗の端に取り付け、柱などに固定するためのクリップ。色は黒が多い。
  10. 遮光ネット…遮光専用の資材。寒冷紗に似るが、吸水性が無いため、水に濡れても重くならない。色は、白、黒、銀、透明色がある。さまざまな織り方の製品があり、遮光率が異なる。10%くらいの製品から、90%以上の製品まで揃っている。銀色の製品は、アブラムシの忌避効果や、熱を反射して温度上昇を抑える効果もある。
  11. ネット…植物の周囲に張り、風や鳥から守る。なお、つる性植物を誘引する「つる植物用ネット(つるものネット)」は、植物の整姿・誘引用の道具として紹介している。
    • 防風ネット…目の細かい、軽いネット。色や大きさはさまざま。園芸専用ではなく、窓際・ベランダの風よけにも使える。日除けや防鳥にもなる。
    • 防虫ネット(虫除けネット)…非常に目の細かいネット。通常は、トンネル支柱と組み合わせて使う。植物をすっぽり覆えば、害虫が近寄れなくなる。色や大きさはさまざま。
    • 防鳥ネット…防虫ネットとほぼ同じだが、目が粗い。
    • 防雪・防砂ネット…目が1mmくらいと、かなり細かい。
  12. 幹巻きテープ…麻布でできた丈夫なテープ。強剪定した木や、植え替えたばかりの木の幹にぐるぐる巻き、日光や乾燥によるダメージから保護する。寒冷地での防寒にも使われる。
  13. よしず、すだれ…湿地に生えるアシ(ヨシ)の茎を乾燥させて作った、昔ながらの遮光材。遮光率が高すぎるため、園芸ではあまり使わないが、植物から十分に距離を取れば、真夏の観葉植物用遮光資材として使える。天然素材のため、寒冷紗や遮光ネットのような無粋さは無い。
  14. 粘着トラップ(粘着シート)…アブラムシやコナジラミなどの小さな害虫を誘引し、粘り付けるシート。本来はハウス用なので、屋外での害虫駆除効果はあまり期待できない。
  15. 防鳥テープ…銀色をした、キラキラ光るテープ。植物の周りに張り巡らせば、鳥が警戒して近寄りにくくなる。銀色なので一応、アブラムシやコナジラミなどの忌避効果もある。

温度・湿度を管理

  1. 温度計…気温や地温を測定する器具。寒さに弱い植物の越冬に必須。地温を測定する時は、土に直接差し込む。さまざまな製品がある。衝撃を与えないよう注意。多くの製品は、日本で一般的な「摂氏温度」を測定するが、アメリカなどで一般的な「華氏温度」を測定できる製品もある。
    • ガラス温度計(棒状温度計)…細いガラス製の管の中に、水銀や灯油などが入っており、温度によって膨張・収縮を繰り返す。水銀を使った製品は「水銀式」、灯油を使った製品は「アルコール式」と呼ぶ。最も一般的な温度計。
    • バイメタル式温度計…雰囲気がアナログ時計に似た、メーター式の温度計。熱膨張率の異なる二種類の金属板を貼り合わせた「バイメタル」を使っているため、この名がある。やや誤差がある。
    • デジタル式温度計(電気式温度計)…温度の表示部がデジタル式になっている。半導体の温度特性(温度による電気抵抗の変化)を利用している。やや高価で、動作に電池が必要だが、ひと目で温度が分かる。本体と外部センサーの両方の温度を表示する製品もある。耐久性にやや難あり。
    • 最高最低温度計…一日の最高気温と最低気温を記録しつつ、現在の温度も表示する、特殊な温度計。ガラス式の製品とデジタル式の製品があるが、いずれも温度確認後に毎日リセットする必要がある。温室の必需品。
    • 地温計…普通の温度計だが、感温部がとがっており、土に差し込みやすい。ガラス式、バイメタル式、デジタル式、いずれの製品も存在する。温度計と地温計を上下につなげた「地気温度計」もある。
  2. 湿度計…空気中の相対湿度を表示する器具で、冬場の必需品。温度計と一体化した製品が多く、「温湿度計」と呼ばれる。過度の乾燥は植物だけでなく、人間にも良くない。
    • 乾湿計(乾湿球湿度計)…二本の温度計を並べ、一方はそのまま(乾球)、もう一方は感温部を湿らせたガーゼで包み(湿球)、二本の温度差から湿度を換算する仕組み。(湿球のほうは、気化熱の作用で、乾球より温度が低くなる。)

家庭用温室と設備

ここにあるのは、一般家庭向けの、比較的安価で小規模な温室である。植物を低温や高温から保護し、生育に適した環境を保つのが目的。大きさや機能はさまざま。鉢を詰め込みすぎると通風が悪くなり、病気が発生しやすい。また、暖かい空気は上方に集まるので、寒がりな植物ほど上の段に置く。

  1. ビニール温室(フレーム)…おそらく家庭園芸で最も一般的な温室。金属やプラスチックでできた枠にビニールカバーを被せ、温室の形にしたもので、さまざまな大きさ・デザインがある。場所を取るのが欠点だが、使わないときは小さく折りたためる、折りたたみ式の製品もある。ビニールカバーの耐久性が低く、数年で劣化するので、少々高くても、替えカバーを購入できる製品を選んだ方がよい。
  2. ワーディアンケース…木や金属でできた枠にガラスやアクリルの板をはめ込んだ、開閉式の箱。さまざまなデザインの製品がある。
  3. 鉢・プランター用保温カバー…ビニールカバーと、それを支える数本の支柱がセットになったもの。鉢やプランターの大きさ・形によって、いろんなサイズの製品がある。使う時は支柱を土に突き刺し、その上からビニールカバーをかけてヒモで縛る。
  4. 小型温室…家庭用の温室のうち、最も本格的なもの。製品によって、「室内用」「屋外用」「室内・屋外兼用」の三種類がある。ただし、屋外用の製品であっても、電源が付属するため、置き場所は軒下などに限られる。
    アルミ製の枠に強化ガラスが張られており、下部には、水が漏れないよう受け皿が付いている。単体では単なるガラスケースだが、下記のようなオプションを取り付ければ、温室としてのレベルが上がっていく。とても頑丈で、加温などを行わない季節は、普通の栽培棚として使える。冷房機能付きの製品もあるが、大変高価である。
  5. 植物用育成灯(植物用蛍光灯)…植物用の蛍光灯。不足する日光を補うために、温室の天井や、植物の真上の棚板に取り付ける。電球が一本の「一灯式」と、二本付いた「二灯式」などがある。光とともに熱も出すため、小さな温室だと、内部の温度を上げすぎてしまうことがある。
  6. ヒーター…温室内を暖める暖房器具。暖かい空気は上に向かうので、温室の一番下に設置する。水がかかっても大丈夫なよう、防水仕様になっている。過度に加熱されると安全装置が働いて電源が切れる製品もある。
    • パネルヒーター…放熱板から熱を出すヒーター。コンパクトなので、加温効果は緩やか。表面が熱くなるため、植物が直接触れると焼けてしまう。(ひどい葉焼けのような状態になる。)
    • プレートヒーター…板状のヒーター。温室の底面に敷き、緩やかに暖める。場所を取らないのが利点。
    • 電気温風器…温室内を温風で暖めると同時に、空気の循環も行う。天井に吊り下げて使う製品や、送風だけを行える製品もある。やや音がうるさい。温風が植物を直撃しないよう注意。
    • 加温加湿器…水を溜めるタンクが付いたヒーター。空気を暖めると同時に水が蒸発し、湿度も上げる。
  7. サーモスタット…温室内が設定温度に達したら自動的に電源を遮断し、温度が下がってきたら再び通電する装置。ヒーターと併用し、過度の加温を防ぐ。本体からセンサーが伸びているので、これを、温度測定したい位置に貼りつける。製品によって、「ヒーターを制御するもの」「換気扇を制御するもの」「ヒーターと換気扇の両方を制御するもの」がある。温室内の温度を一定に保つための必需品。
  8. 換気扇…温室の上部に設置し、余分な熱や湿気を含んだ空気を排出するファン。排出する方向に壁などの障害物があると効果が弱くなる。換気扇用のサーモスタットと組み合わせて使う。こちらも温室内の温度を一定に保つための必需品。
  9. 内気扇…温室内の空気の攪拌に使用する、ごく小型のファン。設置する場所や方向によって、温室内の空気の流れをいろいろ変えられる。ミニ扇風機やサーキュレーターでも代用できるが、その場合、長期間の運用は避ける。
  10. 棚板…スノコまたは網状になった板。温室内の任意の場所に設置し、上に鉢を並べる。
  11. 温室用保温カバー(保温カーテン)…温室の外側に被せる、透明なビニールカバー。内部の保温に役立ち、電気代を抑えられる。
  12. 日除けカーテン…温室の外側に被せる遮光カーテン。日光の調節用だが、夜間の断熱性を高め、電気代を節約する目的でも使われる。
  13. キャスター…温室の足に取り付け、移動を容易にする。温室の高さ調節にも役立つ。

衣料品・服飾小物

無くてもあまり困らないが、ガーデングローブ(手袋)はあると便利。なお、ここには載せていないが、紫外線対策グッズや熱中症対策グッズも、非常に重要である。

  1. エプロン…衣類の汚れ防止用。ポケット付きの製品は小物を収容できる。防水タイプの製品なら水が浸みにくい。デザイン・色はさまざま。上半身を覆わないカフェエプロンタイプもある。
  2. 手袋(ガーデングローブ)…土汚れや植物のトゲなどから手を保護する。製品によって、さまざまな色・デザイン・材質がある。手のひら側に滑り止めのある製品や、水を通さない防水仕様の製品もある。本革製の製品は特に丈夫。(本革の手袋は、大きめのものを選ぶと作業しづらいので、心もち小さいものを選び、手に馴染ませながら伸ばすとよい。)
    • 軍手…防水性は皆無だが、安価で使いやすい。下記の台所用ゴム手袋のインナーとしても便利。
    • ゴム手袋…園芸用の薄手の製品は、指先までフィットし、細かい作業がしやすい反面、耐久性が劣る。台所用の製品は、細かい作業がやりにくいが、丈夫で破れにくい。状況に応じて使い分ける。
  3. ニーパッド…地面に膝を付いても汚れないよう、膝に装着するパッド。衣服の傷みや膝の冷えを防ぐ効果もある。
  4. アームカバー(腕カバー、手甲)…服の袖口が汚れないよう、肘から先に被せて保護するカバー。腕の日焼け防止にもなる。園芸用のものを買わなくても、事務仕事用の製品で代用できる。なお、膝から下を覆うレッグカバーもある。
  5. 帽子…太陽の熱や紫外線から頭や顔を保護する。普通の麦わら帽子で十分だが、つばの大きいものを選びたい。少々の雨ならしのげる、防水仕様の製品も便利。その他、首筋を日焼けから守るため、大きな覆い布が付いた製品や、防虫用のネットで顔と首をすっぽり覆える製品もある。
    • サンバイザー…額の上に取り付け、日光から顔を守る。保護できる範囲が狭く、頭部に日光が当たるため、長時間作業には向かない。髪型の乱れを気にしなくて良い利点がある。
    • 防虫用ヘッドネット…目の細かい網でできたキャップ。帽子の上からかぶってヒモで結び、頭と顔を虫から守る。目の部分にゴーグルが付いた製品もある。
  6. 防虫ネットウェア(メッシュウェア)…目の細かい網でできた、長袖の服。パーカータイプのものはフード付きなので、頭も守ることができる。害虫忌避加工が施された製品が多い。
  7. サングラス…強光や紫外線から目を保護する。あまり色の濃いものは、瞳孔が開いて紫外線が入りやすいので、避けた方がよい。
  8. 靴(ガーデンシューズ)…軟らかく、水を通さないゴム製の靴。泥や水が入りにくいよう、すっぽり足を覆うデザインが多い。濡れた場所でも滑りにくい。意外と重い。
    • ガーデンブーツ…いわゆるゴム長靴だが、さまざまなデザインがある。水を通さない分、中が蒸れやすいので注意。汚れたら丸洗いできる。
    • 地下足袋…特に園芸用というわけではないが、畑のように、面積の広い場所での作業には、軽量で動きやすい地下足袋の方が向く。

その他いろいろ

無くても困らないが、あれば便利かもしれない物。

  1. バッグ、かご
    • ウエストバッグ(ツールエプロン)…腰に装着して使う。ハサミや移植ゴテなどを入れておける。
    • ツールバッグ(収納バッグ、ツールバスケット)…移植ゴテやハサミ、肥料など、さまざまな園芸用道具・資材をまとめて収納するバッグ。大型で、とても丈夫。たくさんのポケットが付いている。
    • ガーデンバッグ…掃除で集めたゴミや落ち葉、刈り取った草や剪定した枝などをまとめて入れたり、収穫した果実を入れるためのバッグ。枯れ葉や草を入れて、中で堆肥を作れる製品もある。
    • 収穫カゴ…収穫した野菜や果物を入れておく専用のカゴ。
    • ガーデントラッグ…∩型の持ち手が一つ付いた、大きな浅型のカゴ。イギリスで使われるものらしい。
  2. ピンセット…発芽したての小さな芽を間引いたり、細かいタネを扱う際などに使用。小回りが利くため、用途は幅広い。園芸専用の製品があり、長さや形状はさまざま。アクアリウム用の細長い製品も便利である。
  3. 矢床(ヤットコ)…主に盆栽で、枝に針金を巻いたり外したりするのに使用。ラジオペンチに似るが、先端が丸くなっており、木を傷付けない。
  4. じょうご(漏斗)…希釈した薬剤を噴霧器に移す際などに用いれば、こぼさずに済む。
  5. 箕(み)…「手箕(てみ)」とも呼ぶ。本来は稲作用の農具で、脱穀の際に、もみ殻を吹き飛ばすのに用いる。土を広範囲に撒いたり、剪定くずをすくい取ったり、小物を運搬したり、収穫物を入れておいたりと、かなり多目的に使えて便利。竹製のものが良いが、プラスチック製のものもある。
  6. 農作業用一輪車(ガーデンバギー)…車輪が一つだけ付いた台車。両手で取っ手を持ち、押して動かす。一度にたくさんの物を運搬できて便利。折りたたみ式の製品もある。
  7. 台車付きイス(キャリー)…車輪の付いた座椅子。背もたれは最初から無いか、あっても、ごく低い。さまざまな製品があり、デザインが豊富。中に小物を収納できる製品もある。
  8. 散粒機…大量の肥料や薬剤を、広い面積に均一に散布する際に使用。主に芝生用。「手回し式」と「電動式」がある。
  9. マルチ穴あけ器…下部がギザギザになった、持ち手付きの円筒。地面をマルチングフィルムで覆った後、苗を植える穴を開けるのに使う。
  10. 虫除け…携帯用の虫除けグッズには、蚊取線香や、電池式蚊取器がある。いずれも、ベルトで腰などに取り付けて用いる。あくまで殺虫剤である点に注意。(低濃度の殺虫剤は、虫の忌避効果をもたらす。)
  11. ポイズンリムーバー…万一、ハチなどに刺されたときに傷口に当て、毒を吸い出す器具。応急手当用。
  12. ガーデンサイン…庭や花壇に設置するネームプレート。デザインや素材はさまざま。
  13. 糖度計(屈折糖度計)…果実の糖度(甘さ)を計る器具。果実の汁液を計測部に垂らし、光を当てて計測する。果実を砕かずに測定できる製品もあるが、高価である。
  14. テラリウム…総ガラスの製品や、木や金属の枠にガラスを張った製品がある。中に植物を植え込んでフタを閉め、小さな庭園を造り出す。さまざまなデザインがあり、アンティーク調の製品が多い。日光の当たる場所に置くと中が蒸れる。
  15. コンポスター(自家製堆肥製造器)…ポリバケツに似た樹脂製の円筒で、底面に近いほど幅が広がっている。底板は無い。使用時は地面に深さ10cmほどの穴を掘り、コンポスターの下部を埋め込んでから、中に堆肥の材料を投入する。